里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ノハナショウブ 湿った草地

2020-07-23 | 日記

一関市花泉町日形地区北部、なだらかに起伏する丘陵上の農道を上がって行くと、林を抜
けて棚田が広がる場所に出ました。ただ水田の半分ほどは耕作されていないようで、採草
地になっていたり、背高の夏草が茂っていたりで荒れ始めています。そんな棚田の法面や
水路脇、林際の草地などに青い花が点々と咲いています。
草をかき分けて歩み寄ると、アヤメの仲間のようですが、アヤメやカキツバタの花は5月
のうちに咲きますから、いま咲いている花は別物でしょう。初めて見る種ですね。

                              二枚とも2020.7.16撮影

野草図鑑「ゆりの巻」でアヤメを引くと、次の項にノハナショウブとカキツバタが載って
いています。カキツバタは前述のように5月のうちに咲きますから、対象外ですね。
ノハナショウブの写真を見ると、外花被片の基部に細長い黄色斑があるのが、私の写真の
植物と同じですからこれでしょう。「ノハナショウブ」の花期は6~7月、北海道~九州
に分布し、園芸種のハナショウブの原種とあります。

                              二枚とも2020.7.16撮影

アヤメ科アヤメ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
低地~山地の溜池畔や湿地、湿り気のある草地などに自生する。
地下茎は横にはって分枝し、古い葉の繊維に覆われている。
葉は2列に互生、剣状線形で長さ30~60cm、幅5~15mm、主脈がよく発達し隆起する。
花期は6〜7月、花茎は直立して、高さ40~80cm。頂部に数個の苞葉があり、そこから花
柄を出して数個の花を順次開花する。花は濃紫色で直径10cmほど、それぞれ3個ずつの外
花被片と内花被片、3分枝する花弁状の花柱からなる。外花被片は楕円形で先が垂れ、
中央から基部の爪にかけては黄色となる。内花被片は狭長楕円形で直立し、長さ4cmほど。
花柱の上部は3分岐して花弁状になり、分岐の先は2裂し、全縁。
蒴果は楕円形で、長さ2~3cm。成熟すると3裂し、暗褐色で扁平な種子が落ちて水に浮く。



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