大和町吉田地区の、吉田川支流沿いの林道を上がって行くと、なだらかな尾根を巻く
ように越えます。林道下は平坦な杉林になっていて、その際に大きな葉の植物が点々と
生えています。杉林まで下りてみると、大きな葉はエンレイソウのもので、その中心に
は暗紫褐色の花が咲き始めていました。
二枚とも2017.4.22撮影
エンレイソウを漢字表記すると「延齢草」で、漢方では、干した根茎を「延齢草根」と呼び、
胃腸薬、高血圧、強壮薬として用いられるようです。
ただし、エンレイソウは毒草ですから、素人が安易に用いるのは危険です。
エンレイソウは全草に毒があり、特に根茎の毒が強いといわれています。
有毒成分はトリリン、サポニン等で、中毒症状としては嘔吐、下痢、血圧低下、心臓衰弱など。
大量に摂取すれば死に至るといわれるが、苦味が強く嘔吐するため、重症化しないようです。
2017.4.22撮影
シュロソウ科エンレイソウ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は20〜40cm。
低地~山地の落葉樹林内や杉林際などの、やや湿った場所に自生する。
株の成長が極端に遅く、花が咲くまでに10~15年もの期間を要する。
太く短い根茎から、茎が一本伸び、その先端に3枚の葉を輪生する。
葉は長さ10~20㎝の菱形で、葉には網状脈がある。
花期は4〜6月で、葉の中心から立ち上がる花柄の先に、花を1個だけ横向きに付ける。
花は緑色~暗紫褐色の外花被(蕚)が3個、長さは1.5〜2cm。内花被(花弁)は無い。
雄しべは6本、雌しべは1本で先が3裂。
果実は球形の液果。直径は1.5cmほどで6稜がある。色は緑色~暗紫色。
種子はそら豆形で、長さ2mmほど。
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