東松島市南部の宮戸島、里浜から農道で南西に向かうと、津波を被った農地が復旧
していて、今年は麦が栽培されており、今は芽が伸び始めたところです。
麦畑の外周には新しい農道が廻らされていて、その路肩には点々と何かの緑葉が芽生え
ています。ハハコグサやタネツケバナのロゼット葉が多いですね。
路肩のさまざまなロゼット葉に注目して歩いていると、精緻なつくりのロゼット葉を
見つけました。初めて見るロゼット葉で、つくりはオニノゲシとかアザミ類に似ている
ものの、目立ったトゲはありませんし、それらよりは全体に小ぶりで華奢な感じです。
二枚とも2018.2.10撮影
帰宅後、「野草のロゼット」というハンドブックをめくっていると、キツネアザミというのが
あって、写真のロゼット葉とつくりや色合いがそっくりです。
それにオニノゲシやアザミ類と同じキク科に属していますから、つくりが似ているのも頷けます。
「キツネアザミ」で間違いないでしょう。
念のため分布域を確認すると、本州~沖縄となっていますから、どちらかといえば南方系の
植物のようで、今まで目にしたことがなかった説明にもなります。
〈花図鑑 狐薊(キツネアザミ)より〉
2018.2.10撮影
キク科キツネアザミ属の二年草で、本州~沖縄に分布し、草丈は60~90cm。
耕作地周辺の道端、水田の畦、休耕田、溜池畔などに自生し、古代に農耕とともに大陸から
渡来した史前帰化植物とされる。
秋に芽生えてロゼット葉で越冬し、翌年の春に茎を立ち上げる。
茎は直立して上部でよく分枝し、基部は赤紫色を帯びる。
葉は柔らかく羽状に深裂し、長さ10~20cm。裂片の間は広く空く。裂片はふつう7~8対、
頂小片は大きな三角状で、下面に綿毛を密生し、刺はない。
花期は5月~6月。多数分枝した花茎の先に、それぞれ1個の頭花を付ける。総苞は球形で
長さ12~14mm、総苞片は8列で背面の上部に竜骨状の凸起がある。花床には下部が鱗片状
になった剛毛が密に生える。小花は多数で紅紫色の管状花、狭筒部が長い。
痩果は長楕円形、長さ2.5mm、無毛で斜めに花床につき、15個の鋭肋がある。
冠毛は2列で内側は長く羽毛状で落ちやすい。外側のものはごく少なく、やや幅広で宿存する。
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