里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

クロクモソウの根生葉か

2018-12-04 | 日記
南三陸町戸倉地区南西部、沢に沿った林道を上がり、三叉路から先は細流となった
沢の中を登ります。沢の岩盤や大石には苔が付着していることが多く、その何箇所かに
見慣れない丸葉の植物が生えています。カキドオシやチドメクサに似た葉ですが、これ
らは日当たりを好む植物ですから、日陰の沢中に生えるとは思えません。
何という種なのか、帰宅後に植物図鑑やネット検索で調べてみましょう。




                             二枚とも2018.11.25撮影

チドメグサの仲間にはオオバチドメという日陰を好む種もありますが、葉の形が違いますし、
分布域が関東以西となっています。チドメグサから離れ、改めて素性を調べるしかないでしょう。
葉をよく見ると、濃いめの緑色で質厚く、表面にはまばらに毛が生えています。
何となくダイモンジソウの葉質に似ているような ?

ダイモンジソウが属するユキノシタ属を検索し、これに属する20種ほどと写真を見比べてみました。
そうするとクロクモソウというのがあって、葉の形がそっくりですし、分布域が近畿以北の本州と
ありますから、これかも知れませんね。ただ、クロクモソウの写真の多くが八ヶ岳とか木曽駒ケ岳
などの高山で撮影したものですから、別物の可能性もあります。
何しろ、私が撮ったのは低山の沢で、標高は200m程度ですからね。
幾つもの記事を読み込むと、クロクモソウの自生地は低山~高山となっていて、垂直分布の幅が広い
ことが判りました。クロクモソウで間違いないと思います。花の時季に再確認しましょう。


                                 2018.11.25撮影

ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草で、草丈は10~40cm。
近畿地方以北の本州~四国に分布し、低山~高山の沢沿いや、湿った草地~岩場に自生する。
葉は根生し長い葉柄がある。葉身は腎円形で直径2~8cm、基部は心形。
葉縁には形の揃った円い鋸歯がある。葉表は濃いめの緑色でやや光沢があり、まばらに短い
縮毛がある。裏は緑白色で無毛。
花期は7~8月、花茎の先端に円錐花序をつけ、多数の花を咲かせる。
花は暗紫色で直径6~8mm。花弁は5個、白色の縮毛があり、先が鈍頭、2浅裂する。
雄しべ10個は水平に開いて付く。葯は黄色~橙色。環状の盛り上がった花盤がある。萼は5裂。
果実は蒴果で、嘴状に直立し、長さ5~6mm。
種子は紡錘状で長さ0.8mmほど。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿