里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ベニシダ 毛深い新芽

2019-05-06 | 日記
東松島市大塚地区北部、丘陵地の鞍部を越える農道があって、その峠部分は切り通しになって
います。切り通し辺りはやわらかな凝灰岩層ですから、少し水が滲みだしているようで、羊歯
が繁茂している箇所もあります。
そこで見つけたのがベニシダで、タイミングよく巻いた新芽が伸び始めていました。




                              二枚とも2019.5.1撮影

新芽はゼンマイのような形をしています。全体が黒褐色の鱗片で密に覆われているため、写真
では色が判りにくいのですが、名のように紅色の部分が見える新芽もありました。
暖かくなると葉身部分の巻きがほぐれ、羊歯らしい新葉が広がりますが、その頃までは赤みを
保つようです。県内では沿岸部に多く、日陰の崖地や林道法面などでよく見られる羊歯です。
鹿島台丘陵でも観察していますが、奥羽山系では見たことがありません。


〈神奈川県のシダ植物 ベニシダより〉


                                  2019.5.1撮影

オシダ科オシダ属の常緑性羊歯植物で、岩手県以南の本州~九州に分布し、草丈は50~120cm。
丘陵地~山地の林床や林縁、道端や崖地に自生し、やや湿った日陰~半日陰を好む。
根茎は短く匍匐し、斜上して群生する。葉柄は長さ20~30cm、直径3~4mm、茶褐色~黒褐色
の鱗片がやや密に付くが落ちやすい。葉身は2回羽状複葉で長楕円形~卵状長楕円形、先端は
しだいに狭まる。長さは40~60cm、やや光沢のある緑色で洋紙質、若葉は紅色になることが多い。
羽片は15~20対付く。披針形で長さ15~20cm、先が尾状に伸びる。
小羽片は10~15対付き、長さ2~3cm、幅8~12mm、浅裂~鋸歯縁。 最下羽片の下向き第1
小羽片は小さい。中軸や羽軸に袋状の鱗片がやや密に付く。
ソーラスは中間~やや中肋寄りに付き、包膜は中央が紅色、全縁。


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