里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オオマルバコンロンソウか ?  超希少種

2018-11-09 | 日記
栗原市栗駒沼倉地区の山中での踏査を終えてから、麓の集落付近まで下り、崖下の広葉
樹林内の林道を歩いていると、路肩にタネツケバナに似た印象の根生葉が生えています。
しゃがみ込んで観察すると、奇数羽状複葉で小葉が3個、頂小葉が最も大きいですね。
生えていたのは湿り気のある日陰で、周辺を探すと7~8株見つかりました。
木々が疎らな、少し明るい場所に行くと見られなくなるので、陰湿な場所がお気に入り
なのでしょう。初めて見る植物ですが、タネツケバナ属に分類される植物を当れば、素性
が判るような気がします。帰宅後にネット検索で調べてみましょう。

「タネツケバナの仲間」という記事があって、それには種ごとに花や葉の写真が付いている
ので、私が撮った写真と見比べることができます。その結果、オオマルバコンロンソウと
マルバコンロンソウの何れかというところまで絞り込むことができました。




                             二枚とも2018.11.1撮影

オオマルバコンロンソウは3小葉で、側小葉に明瞭な葉柄があります。
マルバコンロンソウは3~7小葉で、側小葉の葉柄はごく短く目立たないとあります。
私の写真の植物は3小葉で、側小葉には明瞭な葉柄があるので、オオマルバコンロンソウ
ということになります。
ところがオオマルバコンロンソウは、ごく限られた地方だけに分布する希少種とのこと。
「岡山県と兵庫県に産する。京都府や徳島県では絶滅。」とあります。
そんな希少種を全くの偶然で見つけてしまったのでしょうか ?

前述の二種とは別に、東北地方固有の種があるのかも知れません。それと、秋の根生葉と、
花期の根生葉で様子が変わる種もあります。同定するには、来年の花期に再訪して詳細に
観察しなければなりませんね。


                                 2018.11.1撮影

アブラナ科タネツケバナ属の多年草で、岡山県と兵庫県に分布する。
丘陵~低山の、やや湿り気のある林縁や林床に自生する。
根茎は太いが短く、茎は高さ10~25cm、ふつう枝はなく数個の葉をつけ、多くは茎に毛がある。
根生葉はほぼ3小葉状で、葉柄は長く、側小片には明瞭な柄がある。
頂小片は円形~腎円形で、長さ1.5~3cm、幅1.5~4cm、葉縁には上が平らな低い鋸歯が並ぶ。
花期は3~5月 花序は数個から10個あまりの花からなり、萼片は無毛かわずかに毛がある。
花はアブラナ科に共通した十字花(四弁花)で、花弁の長さは4~5mm。
果実は長角果で果柄とともに斜上し、長さ2~3cm、無毛、先はしだいに細くなる。
熟した長角果は何かが触れると鞘が弾けて巻き上がり、種子を飛ばす。
種子は扁平な楕円形で長さ1.5mm、縁に翼はない。



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