松島町手樽地区東部、丘陵地中腹の細道を下っていると、山側法面の枯草にたくさんの綿
毛が付いているのを見つけました。地際の葉を見るとイネ科の植物のように見えますが、
茎葉の葉腋ごとに綿毛が付いているのは見たことがないので、外来種でしょうか。
特徴がハッキリしていますから、イネ科の植物図鑑をめくれば素性が判るでしょう。
二枚とも2021.1.28撮影
「イネ科 ハンドブック」のページをめくっていくと、メリケンカルカヤという種が収載
されていて、私の写真の植物とよく似ています。茎葉(葉鞘)や綿毛の付き方が同じですか
ら、メリケンカルカヤで間違いないでしょう。
北アメリカ原産の帰化植物で、我国では1940年(昭和15年)に愛知県で最初に確認され、現
在では関東地方以西に広く分布している、と解説されています。
分布が関東以西ですから、今まで見かけなかったのも肯けます。
多年草ですし、種子に付いた綿毛で遠くまで散布されることから繁殖力旺盛で、要注意外
来生物に指定されています。
二枚とも2021.1.28撮影
イネ科メリケンカルカヤ属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。草丈は50〜90cm。
現在では関東以西の本州~九州に分布する。都市近郊の空地や道端、耕作地周辺や草地な
どの陽地に生え、しばしば群生する。
茎は堅く平滑、叢生して次第に大株となる。葉は線形で長さ10〜30cm、幅3〜5mm。
平滑で無毛。縁に短毛がある。
茎上部の葉は葉身が退化し、葉鞘のみになる。葉鞘は中央脈から2つ折りになり扁平。
花期は9〜10月、花序は葉腋及び茎頂に付く。花序には長披針形の苞葉に包まれた総を
2~4個付ける。総は長さ2~4cm、有性小穂と退化して小梗となった無性小穂とが対に
なって2~4個の節に付く。総の軸と小梗には白色の長毛が密生する。
有性小穂は長さ3~4mm、両性で無梗、長さ1~2cmの芒があり、果実が稔ると3稜形
になる。果実は暗灰色~褐色で長さ1.8~2mm、胚は大きい。
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