登米市登米町日根牛地区の北部、集落から沢沿いの林道を東へ上がると、間伐された
明るい杉林が広がっています。ここの杉はかなりの大木に育っているため、下草刈り
はなされていないようです。林道脇の草地に注目して歩いていると、サルトリイバラ
に似たつる草を時々見かけます。葉がやや細長いので、同属のシオデでしょうね。
シオデは雌雄異株ですから、花は雄花か雌花のいずれかということになります。
細いヒゲ状のものは雄しべと見られるので、この花は雄花ということになります。
二枚とも2018.7.8撮影
林の中に分け入れば、きっと雌株も見つかるでしょう。
秋にはサルトリイバラのような果実が生るようですから、探して撮影したいものです。
シオデは、春先には「森のアスバラガス」などと呼ばれて、人気のある山菜です。
一度だけ、奥会津の民宿でご馳走になったことがあります。ゆでてから、数センチに刻み、
マヨネーズをかけただけ。量が少ないので、珍しいものとしていただきました。
〈松江の花図鑑 シオデより〉
2018.7.8撮影
サルトリイバラ科(旧ユリ科)シオデ属のつる性多年草で、北海道〜九州に分布する。雌雄異株。
林縁や明るい林内に自生し、やや湿り気を好む。
茎は綾があり、つる状に長くのび、托葉が変化した巻きひげで、他のものに絡みつく。
葉は互生し、葉身は卵状長楕円形で長さ5〜15cm、先端は尖り、基部は浅い心形~切形、5~7脈
がある。葉質は厚めで、やや光沢がある。葉柄は長さ1~2.5cm、不規則に切れ込む狭い翼がある。
花期は7〜8月、葉腋から散形花序をだし、淡黄緑色の小さな花をつける。
雄花の花被片は長さ4〜5mmの披針形。葯は線形で鉤形に曲がる。
雌花の花被片は長楕円形でやや小さい。花柱はほとんどなく、緑色の子房の上に3裂してそり返った
柱頭がのっている。果実は直径7~9mm、球形の液果で、秋に黒熟する。
種子は橙赤色で、1~4個入る。
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