里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

エノキの黄葉 築館の段丘崖

2018-11-19 | 日記
栗原市築館東部の市道を走行していると、右前方の段丘崖に黄葉した木が何本か
見えます。イチョウやカエデ類とは違って、山吹色に近いような黄色ですからエノキ
の黄葉と思われます。エノキは沿岸部ではよく見かけますが、築館のような内陸部では
ほとんど見かけない樹種なので、確認するために寄り道してみました。

下枝の葉を見ると、葉表に光沢があり鮮やかに黄葉していますから、エノキで間違いない
ですね。杉林の際や崖地の中段から生えていますから、植えられた木ではなく、鳥散布に
よって生えたものが、大きく成長したものと推測されます。
エノキの名の由来には諸説あるものの、その1つには朱色の実が野鳥に好まれることから
「餌の木」と呼ばれたというのがあります。




                            二枚とも2018.11.16撮影

江戸時代の五街道の1つに奥州街道があり、江戸の千住から白河に至る区間は幕府の奉行が維持
管理した。その先も陸奥三厩(みんまや)まで続いていたが、維持管理は沿道の各藩に任された。
街道には旅人の目印となるよう1里ごとに一里塚を設置したが、これは街道の両側に大きく土を
盛って塚としたもので、塚上にはエノキやマツ、スギなどの木を植えたという。
木を植えたのは根張りで塚が崩れにくくなることや、木陰が旅人に休み場となることから。
因みに築館あたりでは「照越」「築館」「城生野」に一里塚が設けられていた。

遠く遡れば、一里塚に植えられたエノキが母樹となって、野鳥が種子をあちこちに散布したのか
も知れません。エノキは山裾、河川敷、崖地などで稀に見かけます。それと地域によっては屋敷林
にも生えていることがあります。私が踏査した各地の山地では、全く見かけませんでしたね。


                                2018.11.16撮影

エノキは今年の8月に観察して、記事をアップしています。
属性や特徴については、下の青字をクリックして参照願います。
エノキの果実 歌津の半島部


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