ネリの方が若いのが意外だった。
井上尚弥31歳
ルイス・ネリ29歳
ネリは長年戦っている峠を過ぎたボクサーで、井上が後から出てきた勢いのある若手、というイメージだったのだが、実際にはネリが山中伸介を最初に倒してWBCバンタム級チャンピオンになったのが2017年8月15日。
井上尚弥がチャンピオンになったのはその後、だと思っていたが今調べたら2014年4月6日の事だった。
もう10年王座に居続けているわけである。
ちなみにネリは山中との試合後、禁止薬物が検出されたためノンタイトル戦を1戦はさんですぐ山中とのリマッチを行うのだが、今度は体重超過したため試合には勝ったが王座をはく奪され、JBCはネリに無期限の活動停止処分を課して事実上の追放処分とした。
が、山中が引退したためネリはその後タイトルマッチを行いチャンピオンに復位し、我が国のボクシング界にとっては鬼門筋となっていたのだが今回巡り巡って井上尚弥と戦う事になったわけである。
試合は井上が初回にダウンを奪われはしたが、圧倒的な強さでダウンを奪い返してゆき6回KO勝利した。
井上の試合の前にデビューから連続KO勝利を重ねて世界戦に挑んだ武居芳樹が、井上が2020年に7回KO勝利したジェイソン・モロニ―に12回判定勝ちしてチャンピオンになっており、井上の強さが一層引き立つことになった。
試合中や試合後のネリとのやりとりを見ると、井上尚弥はネリに良い感情を持っていないように思われたが、我が国における当代随一の武人といえる井上選手にはもう少し風格を持って対戦相手に接して欲しかった。
求めすぎかもしれないが、試合中に井上選手がノーガードで打ってこいとネリを挑発したのはやらなくていい事だったと思うし、試合後KOされたネリがリング上で歩み寄り声をかけてきたときに井上選手が目を合わせなかったのはちょっと気の毒だったし残念だった…
ネットでは「悪童」、「成敗」とネリざまあみろ、みたいなコメントが多いようだが、試合中、試合後の表情とか振る舞いとか見るとそんなに悪い奴には見えなかった。