「フーコーの振り子」という割と有名な書物がある事は知っていた。
読んだことはなくて、フーコーってフランスの哲学者らしいという事は知っていたので、なんか難しい事が書いてある学術書なんだろうな、と思っていた。
ところがこのフーコーと言う人物は実際にはレオン・フーコーという19世紀の物理学者であり、「フーコーの振り子」の著者はまた別の人である、という事を知った話。
今朝起きてipadでchromeを起動し寝転がったままGoogleのお勧めサイト一覧を眺めていたら、PRTIMESというサイトの「魂に秩序を」という文庫本の紹介記事があり、ふと開いてみた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001553.000047877.html
記事を読んで少し興味がわいたので、作者の「マット・ラフ」をGoogle検索した。
そしたら同じ著者の「バッド・モンキーズ」という小説のレビューの中で司書つかさという図書館員っぽいHNの方の書き込みがあって
・・・陰謀論こそが真実、という『フーコーの振り子』や〈イルミナティ〉三部作が思い浮かぶ・・・
等と書いてある。
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3UCM8295E14MQ/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4163286209
あ、そうなんだ、フーコーの振り子って陰謀論の事も書いてあるんだ、と興味がわいて「フーコーの振り子」でGoogle検索してみた。
そしたら、フーコーの振り子とは19世紀の物理学者のレオン・フーコーと言う人が実際に造った実験装置で、自転する惑星上では振り子の動きは自転に影響される、みたいな事を証明するために造られたものであるらしい。
そして、自分が「フランス人の難しい本を書いているフーコー」として認識していたのは、ミシェル・フーコーと言う別の哲学者だったのである。
さらに、「フーコーの振り子」という書物については、これは物理学者レオン・フーコーの著作ではなく、ウンベルト・エ―コというイタリア人学者が1988年に書いた長編小説の事である、と言う事もわかった。
ちなみに、ウンベルト・エーコは「薔薇の名前」という小説も書いていて1986年に映画化されているのだが、この映画は観たことがある。
やたらと彫りの深い、異相といってもいいような顔立ちの欧米人俳優が沢山でてくる映画で、ストーリーは忘れてしまったが、初めて観たときは凄く面白いと思ったのだが、何十年か経って再度見直した時はそれほどでもないと思った記憶がある。
主役はショーン・コネリーで異端審問官のベルナール・ギーが登場人物の中にいたことも覚えている。確か作中では「ギー」と発音せずグイとかそんな感じの発音をしていたような気がする。
ウンベルト・エーコの「フーコーの振り子」については陰謀論について言及されているらしいので興味はあるのだが、amazonのレビューの中に、博識な著者が溜め込んだ知識をダラダラと披露しているだけ、みたいに書いてあるものがあったのであまり読む気がしない。
昔、「レンヌ=ル=シャトーの謎: イエスの血脈と聖杯伝説」、とか「レックス・ムンディ」といった聖杯・聖槍・テンプル騎士団についての本を読んだのだが、まさに無数の断片的な知識の羅列で読み通すのが難しかったのだが「フーコーの振り子」も同じような本の臭いがする。
ミシェル・フーコーについても自分の読解力では残念ながら読み通すことは出来ないと思うので読まない。
が、長年誤認識していた「フーコーの振り子」について正しく認識できたことはよかったなと思う。