ブックオフにて、1360円の30%値引きの952円で購入。
事前情報からよほど凄惨な少年時代をすごしたのかと思いきや、それほど酷い生い立ちのようには思えなかった。
しかしトランプ氏の大統領選のドキュメンタリーでも語られていたが、アメリカの貧富の差の極端化によって白人中低所得者層全般はかなり酷い状況にある、というのは間違いないようだ。
著者が地元の顔なじみの若者とファーストフード店で食事を取ったとき、そのブライアンという若者の様子が少しおかしい。何か言いたそうにしていたので、僕に出来る事はあるか?と聞いたらブライアンは「もう少し、フライドポテトを食べても良いか?」と著者の眼を見ないで小さな声で答える。「ブライアンはお腹をすかせていたのだ。世界でどこより豊かな国で、彼はもう少し食べたいと思いながら、それを友人に伝えることに引け目を感じていた、ああ、神様・・・」と著者は慨嘆する。
家族の絆があるのに、孤独じゃないのに、なぜまともに生活していくことができないのか。
あるいは、家族の絆が強かったのは著者の場合であって特別なケースで、描かれていない周囲のヒルビリー家庭ではそういった絆が薄いのだろうか?
あと、家族とか共同体が成立しきれず崩壊するのは、麻薬が簡単に手に入るのがその一因ではないかと、本書を読んで感じた。
また、高校卒業してすぐ子供を産んで結婚して離婚、その子供が同じ事を繰り返す悪循環、おそらく間違った福祉がそのような良くない連鎖、風習化をまねいているのだろう。
シングルマザーとその子供が貧困に苦しまないために整えられたはずの福祉制度が、高校卒業したばかりで家出同然で子供を産み育てるという無茶を、たいした覚悟も無く始めさせてしまうのではないか。
やはり、親なり学校なりが未成年のセックスはあるていど監督・規制すべきだと思う。
我が国も、おそらくこの本で描かれたのと同じような状況(貧富の差の極端化/中間層の貧困)におかれつつあると思う。
何か自分に出来る事があればやりたい。