実家の2階にあった掃除機を使ったらなんか焦げ臭いので風呂場にもっていって開けたら、集塵パックが中に入っていたけど、しかるべき位置に固定されてなかった。
というかセット出来なくて、袋から出した集塵パックをそのまま掃除機の中の空洞に入れて蓋を閉じただけだった。
親父は掃除機のパックが一杯になった時、どうしたらいいのか途中で分からなくなったんだろうな、と思うとまた可哀そうになった。
かなりボケてた。
耳が悪いこともあり会話が中々成り立たない。
歩行器を使ってた。
今まで普通に生活していたのに。
近所の人やかかりつけの先生の話では、病院に入ると一気に認知症が悪化する事が多いそうだ。
実家の冷蔵庫には、腐りかけの食べ物が色々入ってた。
ベッドの下は埃だらけ。
あちこちに脱いだ服が散らかしてある。
認知症になってるのに、大きな家を一人で維持しようとしてたんだな。
怪我して家の中さまよった形跡が壁やベッドの血痕で残っている。
ご飯のお櫃にしていタッパーにはびっしりウジが湧いてた。
親父に対する愛情のようなものはないが、かわいそうになった。
食事や洗濯できてるし、会話も普通だし大丈夫だと、うちの親父は頑丈でありがたい、などと思って全く気づいてなこった。
頼りがいのない息子たった。
今、家に戻して、俺が世話をしながら怪我の回復に努めるのがベストみたい。
このまま救急病院からリハビリ病院という流れだと、ボケたままで症状が悪化する可能性が極めて高い。
けど、俺が実家で世話をする、というのはやりたくない。
面白い。
自分が少年の頃は「次郎物語」なんかに感動していたが、今時の若者はこういう物語を読んで本好きになるのかな。
人生は、世界は、リレーそのものだな。バトンを渡して、人とつながっていける。
1人だけではできない。だけど、自分が走るその時は、全く1人きりだ。
誰も助けてくれない。助けられない。
誰も替わってくれない。替われない。
この孤独を俺はもっと見つめなければいけない。
俺は、俺をもっと見つめないといけない。
そこは、言葉のない世界なんだ---たぶん。
3巻275ページ。
今日は途切れ途切れ(歩きや買い物を交えて)2㎞走った。
やはり股関節が痛いが少しマシになってきた。
ちょっと走るより、長時間歩く方がよくないみたいだ。
