そろそろ

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信のブログ

とほほ。「このギターは一生もの」って、簡単に言えない身体なのだ。

2009-06-09 21:23:50 | お茶の水博士と歩く楽器街


「そんなの買ったら一生ものだぜ」って、40万円クラスのギター
が並ぶフロアで、大学生らしき若者たちが話してた。でも、「そうか
なぁ」と思った。

  彼らの思いは、「40万円もする高いギターを買ったら、それを一
生使って行くべき」という事らしい。でも、そこに並ぶ楽器を弾いて、
「一生、使って行きたい」と思うギターが何本あるだろうか。値段で
はないのだ。そこに並んでいたのは、名器という形容もされる何台
もの60年代のギブソンJ45と50。

 苦労して買った楽器は、どれも愛しくて、「一生大切にしよう」と思う。
しかし、その音を聴いただけで、「音」という一個の要素だけで、「心か
ら一生」と思える楽器にはなかなか出会えない(色々な楽器に触れ過
ぎた。笑)。今、メインで使っているギルドD55は、「何があっても一生
を添い遂げる」と決めて買った新品。その気持ちは、揺らがない。

 だけど、音を聴いただけで「一生を」などと思える楽器に出会えかな?
どこぞに、そんなギターはないか。

              路上音楽情報紙「ダダ」編集発行人・青柳文信
                      http://pub.ne.jp/solo_solo/

追記・楽器の「個体差」というものに気付いてからが泥沼なのかもしれ
ない。「さすが、ギブソンのJ45だ」とか、「さすがD28だ」と能天気に納
得していればよかった。「ちょっと待って。同じギブソンJ45でも時代によ
って音が全然違うじゃん」、そして、「同じ年代の似たようなスペックのギ
ターでも、ここまで違うのか」と気付いた時に、「弾いてみなければわか
らない」という世界に入り、「自分なりの音の好み」を意識するようになっ
てしまった。嗚呼、「悩ましい楽器探しの旅」は続くのだ。