アルザスのワインは土地柄(ドイツ領になったりフランスに戻ったり・・・)ドイツワインの延長の様に捉えられますが、基本的にフランスワインです。つまり辛口なのです。リースリングは勿論、甘い香りのゲヴルツトラミネールも残糖は殆んどありません。
が、ドイツワインのような表記があります。
一つは「ヴァンダンジュ.タルディヴ」(仏)=遅摘み=「シュペートレーゼ」(独)
これはやや甘口です。
もう一つは「セレクシオン.グラン.ノーブル」(仏)=貴く熟した房を選びました(意訳)=「トロッケン.ベーレン.アウスレーゼ」(独)
つまり貴腐菌がついて干からびた房だけを選んで濃厚で複雑な味わいの果汁で造った超甘口。
つまりドイツのように葡萄を摘む時期、更に貴腐菌によって熟す加減で肩書きが出来るわけです。
今月は思い切ってアルザスのゲヴルツトラミネール.セレクシオン.グラン.ノーブル98ヒューゲル社をグラスで開けました。
甘口という響きに敬遠する向きもあるようですが、ただ甘いだけのワインでなく「複雑」なのです。カビという偉いお方が葡萄の持つポテンシャルを引き出しています。旨みも香りもです。干からびる時に酸も凝縮しますから甘ったるくはありません。
それだけでも美味しいのですが、例えばブルーチーズは定番のお供ですし、今月のデザートにある「金柑のタルト」なんて気絶する位よく合います。
但し、そんなに安くはないのがネックですが、沢山飲めるものでもありませんので、一杯をお二人とか三名とかでお分けになっても満足度は落ちないのではないかと思います。
「セレクシオン.グラン.ノーブル」。ちょっと長い名前です。「アルザスの貴腐」といって下されば結構ですよ。