鯛といっても沢山種類があります。昨日はコブ鯛が出ていました。頭が大きくコブが突き出しているから、その名が付いているのです。でも鯛の仲間ではないようでベラ科だそうです。
美味しい魚ですが、身は分厚く触感も水分を含んだ弾力を感じます。血合いの様な味わいは殆んどなく白身の塊、といっていいと思います。
今月の魚料理で黒もち米と椎茸をあわせたものがあるのですが、通常もち米の触感にしっかりと椎茸の旨み、香りが吸われ赤と合わせても負けなかったのですが、これは魚の白身が勝ちました。というより、この魚の持つ白身らしい白身感、つまりニュートラルな味わいがもち米と椎茸を優しく変えたのですね。それまで平目やチヌで赤をお勧めしていた様に、何も調整せず赤(ボルドーのサンテミリオン)をお勧めした所、お客様のご指摘で気が付いた、というお恥ずかしい話なのです。
しかし、いつも勉強になることばかりで、ちょっと得した気持ちでもありました。
といっても今日もコブ鯛があるかと言えば、それは判りません。魚の質をよく見極めてワインのチョイスをして見たいと思います。