昨日はゲヴルツトラミネールの一般的なことを書きました。
今日は最近の変化についてです。
昔からアルザス地方にはドイツワインにある様な収穫時の違いによる段階的表記がありました。
スタンダードな辛口のもの、ヴァンダンジュ.タルディヴという遅摘の甘口、セレクシオン.ド.グラン.ノーブルという貴腐菌が付いた極甘口のものの3段階です。
しかし、アルザスはドイツとは違う、辛口を標榜する産地。
基本、辛口なのです。
ゲヴルツトラミネールも以前は多くの場合がそうでした。が、最近は違います。
他の産地、例えばシャンパーニュもそうですが、農家が独立してワインを造りはじめると、畑単独とか、同じ村の葡萄を使わざるを得ないとか、の方向にシフトします。
そこに温暖化が関与するのでしょうね。葡萄の熟度も上がっています。
単独の村の単独の畑のよく熟した葡萄は特にゲヴルツトラミネールのような甘いフレーヴァーの葡萄からのワインを甘くしました。
昔からの大手は沢山の畑からの買い葡萄をバランスよくブレンドして古来の辛口の風味を守ろうとします。独立した農家は「負けないように」熟した葡萄で強いワインを打ち出します。
その味わいの差は広がって然るべき、ですね。
そむりえ亭では、基本的には古典的なものを中心に使います。それは料理に合わせてお出しする形式のそむりえ亭の場合、甘みが強いワインを選ぶと次の料理の時にお出しするワインが酸っぱく感じるのを避けないといけませんから。
が、時には新興勢力のワインも使って新しい風を感じて頂くこともあります。
しかし、新興勢力もいいワインを沢山造っていますが、困ったことがもう一つ。
名前が長いのです。
村の名前が長い。畑の名前が長い。両方合わせるともっと長い。これでは消費者は覚えません。ま、覚えなくてもいい、のです。ソムリエが覚えればね。
しかし、「シャブリ」とか「シャトーラトゥール」とか「ボージョレ」とか知名度の高いワインはすべて短い名前である、ということです。
葡萄の名前も長いゲヴルツトラミネール。果たして皆さんの日常に溶け込むのでしょうか?
私はお店のお客様に同じ様なワインをショップで買うにはどうすれば良いか?と聞かれた時は「バラのような香りの、って言って」とか、年配の方には「過激派を表すゲバルトって覚えて!!」って言ってます。しかも「それの安いのを頂戴」って言ったほうが無難だとも・・・・・
ま、いずれにせよ、ゲヴルツトラミネール、良いワインです。いろんな場面で重宝します。
どうぞ、そむりえ亭で有効な使い方検証してください。