ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ミステル

2012年08月05日 03時15分00秒 | ワインの事

30代、40代の方は、ミステルって見ると「樋口は桜井さんのミスチルを間違えやがった」などと思われる方も居られるかも知れませんね。

ここで言うミステルはワインの話です。

所謂「酒精強化ワイン」の仲間です。

葡萄の持つ糖分をアルコールを添加することで発酵停止状態にして生のままの甘みを残したワインの一つのフランスでの呼び方です。別名ヴァン.ド.リキュー?(VDL)とも言います。

有名な所ではコニャック地方のピノ―.デ.シャラント、アルマニヤック地方のフロッ.デ.ガスコーニュ、ジュラ地方のマックヴァン.ド.ジュラ、そしてシャンパン地方のラタフィア.ド.シャンパーニュ。

葡萄以外ではノルマンディーの林檎で造ったポモー.ド.ノルマンド、と言うのもあります。

いすれにせよ、糖分の発酵を止めるには最低15度以上のアルコールになるようにブランディを添加します。通常20度を少し下回る位の度数に調整。

よって普通のワインより高めのアルコールですが「強すぎない」程度に収まっています。

今月はシャンパン地方のラタフィアを開けています。

シャンパン地方ですからシャルドネ、ピノノワール、ピノムニエという葡萄が原料になりますが、今回の生産者であるポールデチュンヌはピノノワールのスペシャリストですから他の2種は使わず、しかもシャンパンに使う果汁の残りで造るのではなく、この為だけに美味しい果汁を使います。

フランスではこういうものもアペリティフ=食前酒として飲まれるという事ですが、フォワグラなどには言わずもがなの美味しさですね。

しかし私は食後酒として、桃やマスカットのデザートに合わせたいと思います。

いずれにせよ、ミステルはそんなに出回っていない、と言うより使っていないお店が多いようですので、この機会にお試し頂ければと思います。