2001年9月11日。
いわゆる9・11と呼ばれるニューヨークでの航空機テロのあった日です。
衝撃的なあの映像を見た人は「映画?」と目を疑ったに違いありません。
その興奮冷めやらぬ翌日、当時勤務していたホテル日航大阪でコニャック「ヘネシ―」のセミナーがあり、私はコメンテーターを務めさせて頂きました。
私の隣に座るのはその時のチーフブレンダ―のトリコワ氏。
この話を頂いたとき「我が意を得たり」と小躍りしたのを覚えています。
つまり・・・・
高濃度のアルコールを持つコニャックは氷や水で割るのもいいが、ストレートでやるなら冷凍庫で冷やすに限る、というものでした。
「ウォッカやオー.ド.ヴィ類は冷やすのに何故コニャックは冷やさないのか?
まして人間の体温で温めたりしたらアルコールが揮発して《美味しい香り》がマスクされてしまうし、舌の上で焼けるような感覚が早く出てしまう。
キチンと熟成したコニャックは冷凍の温度でも充分に香るし、むしろ香りの「良い部分」だけを感じさせてくれる。
それから、古いバルーンのグラスではなく細めのグラスでの方が不要なアルコール臭を防げる。
云々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
というようなお話を事前に頂き、もやもやとしていたものが吹っ切れたのが、13年前なのです。
それまでも「冷やしたほうがいいんちゃうの?」とうすうす思っていましたが「伝統」「風習」に飼いならされ、大きな声で言えませんでした。
実はその時の通訳をした頂いた方のご主人は前日ニューヨークにいたそうで、気が気でなっただろうなと思ったり、「いいセミナーのお手伝いが出来た」と思える不思議な気持ちの一日でした。
という訳でそむりえ亭では全ての蒸留酒は冷凍庫です。
なにしろ「天下のヘネシ―」のブレンド責任者からお墨付きを得たのですからね!!
設備が充分なら、グラスも冷やしたいところですが、そこはご勘弁頂きたいと思います。
コニャック、カルヴァドス、マール、グラッパ、オードヴィードフリュイ・・・
食後にキンキンのブランデー。
美味しいですよ!!!