父は激戦地ビルマ(現ミャンマー)で終戦を迎え、母は幼い弟3人と里子で来た妹を連れて焼野原の東京から大阪へ。
父母のどちらからも悲惨な想い出しか聞けません。
無残な屍が転がる戦地、シラミだらけの身体、1945年3月10日の空襲時の隅田川の光景・・・
生々しい、出来れば聞きたくない話ばかりです。
しかし、ちょっとした痴話喧嘩と同じく発端は小さくても、あのような戦争は起こりうるもの。
どちらが悪いわけでないのが尚更悲しいのです。
今も、これからも、気を抜いた瞬間に引金はひかれます。
なにより「命令を下す人」は死なず、「罪のない普通の人々」が撃たれ、焼かれ、飢え、或いは千切れ・・・・
76年経ちました。
忘れずに繋ぎたい現実です。
樋口誠