「高瀬庄左衛門御留書」砂原 浩太朗 (著)
出版社 : 講談社 (2021/1/20)
338ページ
◎第165回直木賞候補作◎
◎「本の雑誌」2021年上半期ベスト10で第1位!!◎
@あらすじ@(HPより)
美しく生きるとは、
誇りを持ち続けるとは何かを問う、
正統派時代小説。
神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。
50歳を前にして妻を亡くし、
さらに息子をも事故で失い、
ただ倹しく老いてゆく身。
残された嫁の志穂とともに、
手慰みに絵を描きながら、
寂寥と悔恨の中に生きていた。
しかしゆっくりと確実に、
藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。(HPより)
最近、時代劇って見ないなと
思いながら、主人公の住む屋敷を
想像しながら読んだ。
「爪に火をともす」って言葉を
思い浮かべたり、
静かな日常を描いているのに
周囲のあれこれを自然と想像し、
目の前に情景が幾度も現れた。
登場人物たちの目配せや
息遣いまでも感じられ、
なんか、新鮮な読書体験だった。
いつの世も、生きていくということ
他者と関わること
ものの見方はさまざまであること
登場人物の心情は細かく書かれず、
その分、行間まで濃密に感じる。
この作者の作品を初めて読んだが
次が待ち遠しいね。
