社会科学上の不満

政治・経済上の不満のハケ口(左翼出入り禁止)
外交と防衛、歴史と現状についての不満のハケ口。(観念論の方は出入り禁止)

ジュリオ・ドゥーエの戦略

2010-12-04 00:15:43 | 外交と防衛

 日本の「専守防衛」なる基本戦略が如何に現実離れしたものか、他の国と比較してみると良くわかる。現在、戦時の基本戦略は、制空権の確保に始まる。イタリアの軍事学者ジュリオ・ドゥーエの「制空論」を基本としている。「戦略爆撃」を説く。相手国の飛行場、工場、発電所、主要幹線、等を最初に叩けば、相手国の反撃を極端に激減させることが出来るという考えかたである。また攻撃側の進入路は無数にあるが、防衛側はそれら全てに対応せねばならないわけである。そして攻撃側は100の内1つが成功でも成功であり、防御側は100の内99が成功でも1つでも攻撃されれば失敗である。

 現在の大量破壊兵器と弾道弾はこの考え方の実現化により寄与している。仮に北朝鮮のノドンミサイル200基に対しSM3やPAC3は何発配備されているのだろうか。ここに専守防衛が怪しくなってくる根拠がある。確かに航空機の性能は優れていても、相手の航空機を迎撃できるだけのミサイルや銃弾は備蓄されているのだろうか。またミサイル等の火薬には使用期限(賞味期限みたいな概念)があることをご存知の方は少ない。ミサイルの数量は備蓄しなければ防衛としての意味をなさないし、その火薬に使用期限があるのならば、実弾演習場の必要性が大いに感じられるのであるが、現実にはいかがなものか?

 専守防衛が崇高な理念でも現実的なものでない限り、自衛隊隊員に先ず無駄死にしなさいといっているような理念でもある。総理大臣は外務大臣や財務大臣と防衛大臣経験者がなるべき地位でもある。「国民の生命財産を守ること」が国家の存在意義であるならばなおさらである。

 

 

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国民は生命と財産を守るため税金を納めている

2010-12-03 00:06:21 | 外交と防衛

以前このblogにも記載したことがあるが、なぜ国民は国家を必要とするのか。言い換えれば国家の存在基盤は何なのか。今一度民主党政権には振り返ってもらいたい。

 「生命と財産を守ること」突き詰めれば国家の存在意義はこのことに尽きるであろう。

民主党はこの「国民の財産を守る」ことのために多くの政策を掲げ政権交代を果たした。しかし、その結果が未だに見えてこない。岡田幹事長が20101121日のNHKの討論番組でしばらく時間がかかるような発言をしていた。やはり裕福なボンボンは違う。いつまで待てばよいのか?現在国民の多くは食うや食わずに近い状況になりつつある。今日生き残ることが出来るかどうかと言う状況で数年先に未来があると言っても誰も支持できない。まず今日生き残ることが大切である。この理屈が理解されていないようだ。

 毛沢東のハチロ軍も思想的に賛同して軍隊を編成したのではない。ハチロ軍に付いていけば「飢えない」から国民党=蒋介石の軍より多くの人間が毛沢東を支持したのである。

この辺りの基本的なこともボンボン岡田幹事長には理解できていないのではないか?

 更に中華人民共和国は領土・領海を侵しつつある。これは「直接人命にかかわることに発展する」可能性が大きな問題である。「ナショナリズムの勃興は慎むべき」などとキレイ事を言う前に具体的な対策が必要である。例えば、南西諸島の領海内に深度100200mに機雷を敷設しそれを公表するもよし秘密にするもよし。日本の領海内で中国の潜水艦が触雷し沈没しても中国が文句言う筋合いはない。まして水深がそれだけ深ければ通常の船舶は関係がない。憲法上の問題もなく直ちに実行できるはずである。沈没の事実だけ「事故」として報道すればよく、中国側も日本の領海を侵犯した潜水艦が自国のものとは認めがたい。注意点は同盟国への告知とその海域でのその深度での魚業禁止である。要は政府の本気度にかかっている。

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マハン

2010-12-02 00:03:22 | 外交と防衛

 日本は海洋国家である。これを批判される左翼の方をしばしばお見受けする。そう平和ボケオバサンに多いようだ。しかしアメリカも海洋国家であると言うと疑念をお持ちになる方が多いのは確かである。アメリカはマハン理論を基本政策とする海洋国家である。このマハン少将の理論をかいつまんで言うと沿岸の港湾部を押さえるとその大陸や島は外界との接触を断たれる。接触が断たれるということは補給引いては貿易に大きな支障をきたすということである。逆に沿岸部の一部を押さえればその国との交易は容易にとなる。ヨーロッパは大陸であるのでこのマハン理論はなかなか支持され難いがイギリスが実践し大英帝国を構築した。いや大英帝国を見て構築されたのがマハン理論と言っても良いのであろう。

 中国が大陸国家から海洋国家へと移行しようとしている。その邪魔が日本なのである。世界地図を傾けると理解しやすい。中国の上に太平洋がくるように傾けると、日本列島と台湾が中国に蓋をする形になる。得に沖縄の南西諸島や先島諸島が邪魔になるのだ。中国の経済区は内陸部より沿岸部に圧倒的に多い。台湾への侵攻もこの考え方に沿えば理解しやすい。台湾に侵攻するにも沖縄(米軍を含め他の国と言うことが)が邪魔になるのだ。しかも中国は台湾を外国と認めていない。中国にとれば国内問題なのである。

 このモノの見方に反対される方から質問されそうな「その根拠」であるが、これが1985年の全人代で小平の右腕と言われた劉精華司令官がぶち上げた中国海軍の基本方針である。中華人民共和国はその基本方針に沿って軍拡してきている。日本の国会のようにいい加減ではない。その発言に本当に命がかかっていることを忘れてはならない。日本と同じ感覚でモノ物事を見てはいけない。

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北朝鮮のおかげで現政権の危機管理のなさが証明された

2010-12-01 13:39:04 | 外交と防衛

 米韓軍事演習が終了しようとしている。北朝は米軍が引き上げれば蠢動しだすことであろう。今回の北朝鮮の事件に菅総理のように言葉を失う姿、どこかで思い出す。自社さ連立政権時の村山元首相の姿とダブリる。旧社会党出身者やそれらを含む左派政権が非常時に脆いというよい例ではないであろうか。今後韓国の反撃が想定されるが通常兵力では太刀打ちできない北朝鮮だ。

 北朝鮮がまたまた「核カード」を切ってきているようだ。しかし日本国内に目を転じれば予算委員会は問責議決問題に振り回されていた。コップの中の嵐だ。日本政府はどのように対処するのか。政府の答弁は危機管理能力の欠片も見出せない眠いものだった。国民はそんなことを聞いているのではない。もっと具体的な回答が聞きたいのである。

 単純に考えても北朝鮮が暴発すれば見せしめに核を使用することが十分予測される。その目標は日本なのか韓国なのか実験は自国内だけでなくてもよいわけだ。その対策を聞いているのである。また使用された後の対策を聞きたいのである。

 200発のノドンが実戦配備済と言われている。また前回のパレードで披露されたムスダムもある。これらへの対策である。MDが完璧であるはずがないではないか。その根拠はノドンの数量分のMDがあるのか?またMDの精度は?この様な不安要因を国民に説明すべきである。また在日朝鮮人の工作活動及び幇助についての対策がどうなっているのか。

 中国の出方はと色々な不安要素がある。北朝鮮が日米韓を引き付けている間に台湾侵攻だってやりかねない。孫子を生んだ国である。その壮大な戦略に日本は対処できるのであろうか?現政権ではムリだ。命がけの現場を無視するような政権である。反論があるならなぜ自衛隊を「暴力装置」と発言した官房長官を罷免できないのか?この状況で現場の自衛官に「命を賭けろ」とは言えないであろう。いや厚顔なこの政権無恥の政権なら意にも介さないのかもしれない。

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