粒子の位置と速度のような対になる物理量を同時に精密に測定することはできないという「ハイゼンベルクの不確定性原理」は約80年にわたって量子力学の基本原理となってきましたが、これが成立せず、両者を同時に精密測定できる場合があることが実験で証明されました。
科学においては、従来の考え方が大きく変わる転機が存在します。相対性理論や量子力学の出現もその一つでした。しかし、現在わかっている知識の上に技術は成り立っているわけですから、転機が訪れたとしてもすぐに取って代わるわけではありません。理系の方の学習・研究としては、今わかっていることの上に積み重ねていくことになります。今学ぶことができる知識を最大限吸収し、新たな可能性を活かせるようになっていきましょう。(Iha)