久し振りに、弊社専務と、散歩に出よう隊を組んで 梅田を歩いていたら、綱敷天神が、こんな所にあったんだ 心中天の網島じゃないか と 立ち寄ることに…由来書を読んでいたら うかつにも…聞いた事は一度はあったかもしれないが…天神さんが 菅原道真に由来していることと…此処の由来…九州に島流しにあった時に、此処で古くからの位臣たちと別れた…これからの苦しい旅と日々は、自分一人だけで良い…お前たちは此処に残ってくれ…それが此処の由来だと…が、天神さんが…お初天神やら、天神祭…僕は人が多いのが嫌で、一度も行った事は無いのだが…みんな菅原道真だったわけやんか…そんなことを話しながら由来書を読んでいたら…
かちっと高機能素材のチョッキを、今の季節の防寒用ファッションに、身を固めた、二人の中国人男性観光客が、交互に、短い階段を上り、神社をバックに写真を撮り出した…雰囲気的にも良い感じの男性二人だった。
歩きだして直ぐの角に、今度は、カメラマンと思(おぼ)しき3人と一緒の、どこかで観た様な気もする顔だったから、付属の劇場から出てきた役者かと思った…やんごとなき風情のおじさんがいた…通りすがる際に、カメラマンたちが英語で説明しているのを聞いた 弊社専務は「台湾あたりの、お金持ちでしょう…」「そうだろうな、この阪急インターナショナルに泊まっているんだろう」「いや、安いホテルだったりして」「向こうの金持ちは、絶対に安いホテルには泊まらない」そんな会話をしているそばから…これまた金もちの、ゆったりした上品な夫婦が出てきた。
その時だった、芥川の脳裏に標題の新解釈が浮かんだ…向こうの金持ちは、惜しげもなくお金を使う…だいぶ前に書いた、僕が親しくしていたシンガポールの華僑さんの章を御参照下さい…向こうには、吝嗇な金持ちは存在しない…日本には山ほどいるが…と専務に話した時…とても親しくしている大手不動産会社のマネージャーが、だいぶ前に言った言葉を思い出した「あの資産家も、動かしゃ良いのに…墓場まで持って行ける訳じゃなし…。」
全く、そうだな、莫大な金を残して死んだところで、がっぽり相続税に持って行かれる…国はロクな事に使わない…それなら生きている間に、バンバン使う方がずっと良い…世界的な高級品には限りが無いし、バンバン使えば使うほど民間は潤うのだから…天下り役人たちの懐に入ったって、何の役にも立ちやしない…不景気になるばかりだ…ファッションでも、ワインでも、車でも、何でも良いじゃないか…バンバン使って、民間の景気を良くした方が、ずっと良い…。
以上が、芥川の「子孫に美田を残さず」の新解釈。
因みに、良し悪しは別にして、華僑さんというのは、三代以上は続かないことも書き添えて。