文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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覆面官僚座談会第1回③…週刊ポスト12・9号から。

2011年12月08日 03時49分52秒 | 日記
…前略。

財務A 自民党も最後は協力するから大丈夫だ。

総務C そこが危ない。総理も官僚も国会しか見ていないと、国民の視線の厳しさを感じられなくなる。

ーCさんは、座談会の冒頭で「財務省の奥の院」という言い方をしていた。その真意は?

総務C 税制改革で何度も苦労した財務省の有力OBは、野田政権が「財務省の傀儡」とか、「勝首相」とかマスコミで呼ばれ、国民に野田政権を動かしているのは財務省だと思われていることを憂慮しているんです。

農水D 事実は、どじょうが泥に潜るから、勝次官が目立ってしまうんでしょうけどね。

総務C いや、消費税に突き進んでいるのは勝さんというより、次の次、その先の次官をめざして成果をあげたい財務省中枢を担う官僚たちだ。彼らは消費税法案と他の重要法案を抱き合わせにして、それこそ成立しないと国民生活に支障が出るところまで野田総理や与党を追い込み、最後は自民党との話し合い解散を条件に法案を成立させることまで考えている。

そこまで力ずくでやって、もし野田政権が行き詰まって倒れたら国民はどう見るだろうか。

経産B 確実に財務省、霞が関に怒りが向けられる。

総務C 中曽根総理が売上税に取り組んだのは、衆参同日選で大勝して政権は安定し、5年の長期政権の実績があった。だから導入を断念した時、国民の批判を浴びながらも、政治の責任で収拾することができた。政治の統治能力が健全に機能していたからだ。しかし、野田政権に国民の不満を受け止めることは無理だ。

経産B 政治が混乱し、怒りが官僚に向けられた時、どんな事態が起きるか、霞が関では知られた「伝説」がありますからね。細川連立政権が国民福祉税に失敗して短命に終わった後、政権に復帰した自民党は、憎き〝小沢政権″に協力した霞が関に報復した。大蔵省の官官接待汚職、ノーパンしゃぶしゃぶ醜聞が吹き荒れ、結果的に小沢さんの右腕だった斎藤次郎・次官の腹心たちが次々と退官させられた。さらに大蔵省は金融庁を分離され、「律令制以来、1000年以上の歴史を持つ」と誇っていた大蔵省の名前まで奪われて財務省に格下げされたー。

総務C  Aさんたちはそれをまた繰り返すの? 勝次官ら首脳部にはOBのお歴々から、「野田政権に深入りせずに撤退を考えておけ」とサインが出ているは
ずですよ。

…後略。