文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

「銀河鉄道の時刻表」12月11日。

2011年12月11日 17時31分08秒 | 日記


ooにおける昨日のアクセス数は、以下の数字でした。


 


1210日のアクセス数 閲覧数:9,827PV    訪問者数:585IP


順位: 691 / 1,662,189ブログ中 (前日比  


過去2週間の閲覧数の合計は155,411PV、訪問者数の合計は11,149IPです


 


一方昨日のアメーバは 閲覧数:669  訪問者数:493


FC2のトータルアクセス:449


 


gooの、ページごとの閲覧数ベスト20は以下の通りです。


 


1「銀河鉄道の時刻表」12月10日。124 PV


2トップページ102 PV


3あなたの心に残るのは、何ページ目の芥川だ...52 PV


4パナソニック欧州でスマホ 海外6年ぶり再...47 PV


5沖縄海兵隊の一部 「豪移転も選択肢」ナイ...42 PV


6GDPマイナス成長も/ゴミの山 バンコク…朝...40 PV


7防潮堤で海と決別なんて…朝日新聞12月10日1...40 PV


8トロンは坂村健東大教授が1984年に開発・提...39 PV


9注目ファンド「OD05オムニバス」167社の大...39 PV


10後は、皆さま方が「天は自ら助くる者を助く...37 PV


11丸谷才一氏の「日本のビジネスマンは教養が...37 PV


12サルトルとボーヴォワール、キャサリン・ヘ...36 PV


13春秋…日経新聞12月10日1面より31 PV


14インド高速鉄道 新幹線も調査へ 日本勢が...14 PV


15「暇と退屈の倫理学」國分 功一郎著…日経...12 PV


16「裸のフクシマ 原発30㎞圏内で暮らす」たく...12 PV


17「環境都市」に国産OS 「トロン」東大・富士...12 PV


18アーカイブ11 PV


19クラウド、病院向けに照準 米IT大手、提...10 PV


20米クレイ 京大からスパコン受注…日経新聞1...10 PV


 


昨日の結果も、さても「南京玉すだれ」 感激感謝 雨あられ、 謝謝、多謝なのでした。


 



「戦後日本=インドネシア関係史」 倉沢 愛子著…日経新聞12月11日19面より

2011年12月11日 17時25分31秒 | 日記
翻弄された名も無き人々への視線  〈評〉アジア経済研究所次長 佐藤 百合

いま、インドネシアの都会派の子供たちの間では「日本」がトレンドである。小学生の男の子はポケモンに夢中だし、AKB48のジャカルタ版であるJKT48には1200人もの少女たちが応募した。

一方、彼らに「学校で日本の占領のことはどう教わるの」と尋ねると、「日本は残虐たった」とはっきりした答えが返ってくる。親日的といわれるインドネシアだが、日本軍政の経験は世代を超えて受け継がれていることを、日本人は忘れてはならないだろう。

日本軍政期のインドネシア研究で知られる著者が、軍政が終結した1945年から70年代初めまでの両国関係における「戦後を、克明かつ多面的に綴ったのが本書である。

著者の視線は、賠償交渉といった国と国との関係だけでなく、58年まで国交のなかった両国の間で運命を翻弄された名も無き人々一人一人に注がれる。

たとえば、終戦を日本で迎えたインドネシア人留学生、軍政下で日本人と結婚した花嫁、引き揚げを拒んで残留した日本人、あるいは国交樹立や賠償のプロセスを陰から支えた人々。

著者は、実に20年の歳月をかけてインタビューを積み重ね、解禁になった外交文書、手記や新聞記事を読み込み、両国の関係史を再構築した。そこに本書の迫力がある。

著者はまた、日本とインドネシアの「戦後」を、オランダを加えた三国関係で読み解いていく。スカルノ大統領は、難航していた日本との賠償交渉を57年の岸首相との会談で決着させた。その直後に、旧宗主国オランダの資産が国有化される。

独立後も経済を牛耳っていたオランダを排除するには、日本の賠償資金が必要だった。このインドネシア側の論理を、本書は外交文書によって明確に裏づけた。一方の日本は、賠償を資源豊かなインドネシアへの先行投資とみる実利志向で、政財界がまとまっていく。

だが、その後問題になった兵補や従軍慰安婦への補償は結局なされず、当事者家族にわだかまりを残した。インドネシアにとって 「戦後」は終わっていない、と著者は言う。平易で柔らかな筆致が著者の持ち味だが、語られる内容は重い。

(草思社・4900円)▼くらさわ・あいこ 46年生まれ。在インドネシア大使館専門調査員、名古屋大教授などを経て、97年より慶大教授。著書に『日本占領下のジャワ農村の変容』(サントリー学芸賞)など。

「金融が乗っ取る世界経済」 ロナルド・ドーア著…日経新聞12月11日20面より

2011年12月11日 17時17分37秒 | 日記
現実へのいらだちが生む「挑発」

リーマンーショツクを経て、英米型の資本王義を批判する論者は目立って増えた。本書を著した英国人学者は年季が違う。半世紀以上の日本研究に基づき、株主価値極大化の弊害などを一貫して批判してきたからだ。

『働くということ』や『誰のための会社にするか』といった著作は、日本の経営者からも高い支持を集めた。
実体経済に対して金融仲介業者の影響力が強くなりすぎる現象を、著者は「金融化」と呼ぶ。

金融危機によってその限界と弊害は明らかになったものの、世界各国はまだ有効な対応策を確立しきっていない。金融機関の投機を抑える規制は、骨抜きが進んでいる。そうした現実へのいらだちが、本書を執筆する動機になっている。

高度な数学を駆使して金融商品を複雑にすることは、必ずしも金融の進化を意味しない。あまりに多くの優秀な人材が高額報酬の金融業に吸い寄せられるのは、経済全体にマイナスーー。

こうした本書の指摘は、おおむね同意できる。一方で、確定拠出型年金への批判など、古き良き日本企業への郷愁が強すぎると思われる部分も多い。

著者は読者に全面的な賛同を求めてはいない。「米国では……」という一知半解に陥ることなく、自分の頭で考えよと訴えている。あとがきの文句が、なかなか渋い。「挑発はこのくらいで十分だろう」 (中公新書・800円)

中国 食用油どぶ仕込み 大根に「地暴」禁止農薬使う出稼ぎ…朝日新聞12月11日1,2面より

2011年12月11日 16時43分05秒 | 日記
どぶからできる油が食卓に出回っているー。10年ほど前から福建、重慶、西安など各地で報じられ、消費者を不安に陥れた疑惑の一端が9月、公安省の捜査で裏付けられた。

浙江省寧波から車で約1時間。寧海県郊外の畑の一角で、「地溝油(どぶ油)」は作られていた。「鼻にツンと来る、何とも言えない臭いだった」 近くの農業、楊朝雨さん(42)はそう言って、すすまみれのれんがを積んだかまどの跡を指さした。

直径2メートルほどの大釜は警察が持ち去ったが、残りかすをためた大きなかめがそのまま放置されていた。
白い気泡を立てる泥の表面を楊さんがくわでほじくり返すと、黄ばんだ液体に混じってニンニク、唐辛子、菜っ葉のほかに、ストローやペットボトルのキャップなどが現れた。

作っていた本人が、釈放されて自宅に戻っていた。「建築用の油だと聞かされていた。やましいことは何もない」。葉金捧さん(42)は夫と1ヵ月ほど地元の警察に勾留されたが、ともに起訴を免れた。

寧海県から約50キロ離れた村で農業をしていた夫婦は7年前、知人から「もうかる仕事がある」と誘われた。深夜、町のホテルやレストランを回り、調理室につながる排水溝のゴミを集めた。

狙いは、捨てられた調理油や残飯から出る油分だ。雑多なゴミを釜で4時間ほど煮詰め、浮いてくる油をすくい取った。公安省によると、油は山東省済南のバイオディーゼル工場で不純物を除去され、河南省鄭州の業者が食用として販売。

四つ星ホテルなどにも納品された。警察は工場経営者ら32人を逮捕。中国紙によると、経営者は月平均500トン前後の地溝油を生産し、25万元 (約300万円)ほどの利益を上げていた。 (広州=林望)

中国 食は危機にあり

大根に「地暴」禁止農薬使う出稼ぎ
調査3500万業者 検挙13万件


「稼ぐためなら何も怖がらないし、売った相手のことも考えなくなる」…中略

出費覚悟自衛する市民も

広州タワーを望む高級マンション。小学校2年生の長女を持つ主婦の劉尉媚さん(34)は、日本人が立ち上げた有機農場から野菜や卵を毎週500元(約6千円)前後買い込む。外資系スーパーで買っていた時と比べ、出費は倍増したが 「値段は問題ではない」。
…中略。
IT企業経営の夫は 「今の中国で最高の価値は安全ですから」と話す。…後略。

韓国大統領実兄の秘書拘束/反プーチン数万人集会…朝日新聞12月11日6面より

2011年12月11日 16時21分49秒 | 日記
あっせん収財容疑 疑獄事件に発展も

韓国検察当局は10日、李明博大統領の実兄の李相得・国会議員の秘書を、あっせん収財容疑で拘束した。中堅企業SLSグループ経営者らの請託を受け、約7億ウォン(約5千万円)の金品を受け取った疑いがもたれている。

秘書は今回とは別の相互貯蓄銀行による贈収賄事件にも関与しているとされる。検察当局はSLSグループと貯蓄銀行の二つのルートによる、政権幹部や国会議員が絡んだ贈収賄事件の捜査に着手しており、いずれも大規模な疑獄事件に発展する可能性がある。

李相得氏は韓日議員連盟の会長も務める与党ハンナラ党の重鎮。SLSルートでは、李大統領の側近の元文化体育観光第1次官の申載曼氏もすでに収賄容疑で逮捕されている。

貯蓄銀行ルートでは、李大統領夫人のいとこや、与党の実力者の周辺にも、金銭授受の疑いが出ている。 (ソウル=箱田哲也)

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反プーチン数万人集会
モスクワ公正な選挙求める
身内からも批判官僚腐敗に怒り

忘れがたき文士たち 野間 宏 …日経新聞12月11日23面より  

2011年12月11日 15時02分17秒 | 日記
野間 宏の非常に良い写真と共に編集委員、浦田憲治が書いている。

危機の時代の人間問う

…前略。

話し方もゆっくりとしていて、延々と語った。「もう十分です」と言いたくなるほど丁寧だった。インタビューの時間は、普通の取材の倍以上の2時間半に及んだ。

『暗い絵』は京大生時代の体験をもとに描かれている。1935年に京大仏文科に入学した野間さんは、反ファシズムの人民戦線に共鳴し、そのグループに近づいた。

しかし満州事変後、日本は軍国主義を強め、日中戦争が始まった37年には、人民戦線事件で全国で400人余りの思想犯が逮捕された。『暗い絵』は京都を舞台にこの暗い時代の青年たちの苦悩をブリューゲルの絵と重ねて描いた。

野間さんは京大卒業後、大阪市役所に勤務、軍隊に召集され、フィリピンでバターン、コレヒドールの激戦に参加し、マラリア熱で帰国すると、治安維持法違反容疑で逮捕され、陸軍刑務所に送られた。京大生時代から人民戦線運動にかかわったことが逮捕の理由だった。

こうした極限の体験を生かして敗戦後に『暗い絵』 『崩壊感覚』 『真空地帯』などの秀作を世に問い、危機の時代の人間の心の傷や軍隊内のどうしようもない保身やエゴなどを描いて戦後文学の旗手となった。

…中略。

「ヴァレリーの純粋詩を理想とした詩作から文学の道に入り、小説に移りました。だから小説には詩からの影響かおる。言葉のリズムを重視したり、意味の二重性をもたせたり」

「『暗い絵』の主人公がブリューゲルの絵に土饅頭のイメージを浮かべますね。あれは土の墓の意味以外に女性を象徴している。アメリカの研究者は正確にこの二重性を読み取っており、うれしいですね」。延々と話は続いた。

重厚長大の作家だった。47年から70年にかけて書き継がれ、谷崎賞に輝いた『青年の環』6部作、全5巻は原稿用紙で8千枚に達した。

サルトルや自身が唱えた「全体小説」を実践し、人間を内部と外部の双方から、生理と心理と社会の3面から総合的にとらえようと奮闘した。

…中略。

今年は野間さんの没後20年にあたる。未曽有の東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故に始まり、欧州の信用不安など、世の中は混沌とし、閉塞感が強まっている。

野間さんの文学は危機の時代を背景に、奇怪な穴、若者のうめき、ぐにゃりとした崩壊感覚、荒涼とした風景、不安や迷いなどの人間の心象風景を描いている。再評価の時期を迎えたといえそうだ。

我らが企業群の日夜を問わない技術革新、発明を水泡に帰さない為にも…

2011年12月11日 14時56分18秒 | 日記
我らが企業群の日夜を問わない技術革新、発明を水泡に帰さない為にも

日本は即刻、現在の購買力平価である、1ドル=111円に戻すべきなのである。

※購買力平価/OECD(経済協力開発機構)が算定する、各国通貨の換算比率。為替レートとは異なり、現在1ドル= 約111.4円。各国のGDP (国内総生産)を実質比較するために算出している。OECDとEUが約3000の商品とサービスの価格調査を3年ごとに実施し、そのデータをもとにOECDが算定。

芥川の〈解答〉の凄さは以下の書の中に在る。


「文明のターンテーブル」芥川賢治 第一巻

「文明のターンテーブル」第一巻 近未来100万部突破。

銀河鉄道の夜.jp(「銀河鉄道の時刻表」)にてスタート。



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「文明のターンテーブル」
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「欠乏」や「不足」ではなく、そもそも「存在しないこと」「無」が革新を生むこともある。

2011年12月11日 14時37分08秒 | 日記
日経新聞12月11日11面より

「無」も起爆剤需要が急拡大

「欠乏」や「不足」ではなく、そもそも「存在しないこと」「無」が革新を生むこともある。イノベーション研究の第一人者、米ハーバード大のクリステンセン教授は「無消費 (消費が存在しないこと)」の重要性を指摘する。例えば、普通に電気が使える日本のような国で、太陽光発電を普及させるにはコストや発電の安定性などの壁がある。

だが、電気が通じていないアフリカの村落ではどうだろう。そこに太陽光パネルを持ち込み、蓄電して夜明かりがつくようになれば大きな進化だ。「発電が不安定」と文句を言う人はいないだろう。そうした人口は世界に2 0億人もいる。電力の「無消費層」こそが、太陽光発電というイノベーションの有力な加速器になる、と教授はいう。

日本は指折りの画像診断大国で…。

2011年12月11日 14時34分19秒 | 日記
日経新聞12月11日11面より 

…前章からの続き。 文中黒字化は芥川。

技術や開発の世界には「足らざるか新しきを生む」という言葉がある。人員不足のマツダのエンジンが一つの成果とすれば、GEヘルスケア・ジャパンは需要サイドの「不足」から画像診断装置の革新をなし遂げた。ここで不足していたのは「空間」だ。

日本は指折りの画像診断大国で、世界のコンピューター断層撮影装置(CT)の3分の1は日本にあるが、病院や診療所が狭く、大きな装置を収容しきれない。そこで同社は「インージャパン、フォー・ジャパン(日本で、日本のために)」を合言葉に、CTなどの小型化に取り組んだ。

その結果、従来より一回り小さい装置ができあがった。評判が海外にも伝わり、最初は冷淡だったGEの米国法人や中国法人も興味を示すようになった。「もともとフォー・ジャパンで開発したが、フォー・グローバルの製品に化けた」とグローバルCT事業推進本部の佐藤和彦本部長。

小型化の結果、消費電力も減り、装置導入に伴う電源工事が不要になった、という事情も各国での普及を後押しした。昨年春に発売した新型CTは、8割が海外市場で売れる世界商品に脱皮した。

新興国が熱い視線

「不足」 「欠乏」を克服する過程で、イノベーションが起きる事例はほかにも多い。神戸製鋼所が米国で実用化した次世代製鉄プロセスは、鉄鉱石の品位「不足」に挑戦した。従来なら不純物が多く使いモノにならなかった鉄鉱石からも鉄を取り出せるのが売り物だ。

高くそびえる巨大高炉ではなく、外径70メートルのドーナツ状の回転炉を利用し、アイアンナゲットという粒上の鉄の塊を作り出す。ベトナムやインドなどで熱い視線を集めているという。

幸か不幸か今の日本は「不足」や「欠乏」にこと欠かない。冬場と夏場は電力が不足気味になり、少子高齢化で労働力も徐々に減っていく。だが、不足はイノベーションの母でもある。「不足」「欠乏」に独創的に立ち向かうところから、新たな出発が始まるだろう。(編集委員 西條都夫)

そんな常識が間違いだったことを日本企業が証明したのだ。

2011年12月11日 14時10分59秒 | 日記
日経新聞12月11日11面より イノベーション
成功の法則③  既存技術極限まで向上

文中黒字化は芥川。

今日が最終日の東京モーターショー。きらびやかなコンセプトカーが並び「未来のクルマ社会」を演出するが、今年の自動車業界では未来技術ばかりではなく「過去の技術」も脚光を浴びた。実用化から1世紀以上たつエンジン(内燃機関)は、「改良し尽くし、燃費性能の大幅改善は厳しい」と言われていたが、そんな常識が間違いだったことを日本企業が証明したのだ。

「リッター40キロ視野」

その中の一社が「スカイアクティブ」と名付けた技術でエンジンの燃費を大幅に引き下げたマツダだ。非ハイブリッド車ながら、リッター30キロ(10・15モード)の燃費を達成した小型車「デミオ」を6月に発売し、内燃機関ルネサンスの口火を切った。

なぜ人員や予算の潤沢な巨大企業ではなく、マツダのような中堅メーカーからイノベーションが生まれたのか。開発を指揮した人見光夫・執行役員パワートレイン開発本部長は「人が足りなかったからこそ突破口が見つかった」と逆説めいた言葉を口にする。

2000年代の初頭、技術者の多くは当時筆頭株主だった米フォード・モーターとの共同開発案件にかり出され、エンジンの独自開発に携わる人数はわずか20~30人にまで減少した。これは自動車開発の常識からすれば非常な少人数。例えば、某大手メーカーはハイブリッド機構の開発だけでも千人近いエンジニアを投入しているといわれる。

「たった数十人の組織ではあれもこれもできない。一方で欧州などで厳しい燃費規制が導入されるのは必至の情勢。エンジンの基本に立ち返って、一から考え直すことにした」と人見氏は振り返る。

注目したのは、圧縮比と呼ばれる基本要素の一つ。ガソリンエンジンの場合、圧縮比を高めれば燃費が良くなるのは分かっていたが、逆にノッキングと呼ばれる不具合が生じる。開発陣は燃焼効率を改善することで、この二律背反を克服し、展望を開いた。人見氏は「リッター40キロのエンジンも射程圏内。

頂上からみれば、エンジン技術は五合目の段階。飛躍の余地はまだまだ大きい」という。…次章に続く。

「ゴッホ 契約の兄弟」 新関 公子著…日経新聞12月11日21面より

2011年12月11日 14時07分24秒 | 日記
▼にいぜき・きみこ 40年生まれ。東京芸大名誉教授。著書に『セザンヌとゾラ』など。

神話の再考を促す緻密な労作   美術史家 宮下 規久朗

今年6月、オランダのゴッホ美術館の所蔵するゴッホの自画像のうち1点が、実は弟テオを描いた肖像画であることが判明したと報じられた。長らく誰もが自画像だと信じて疑わなかったほど、その容貌はゴッホに酷似している。ゴッホにとって、テオは兄弟というよりも自己の分身のような一心同体の存在であったのだろう。

ゴッホは生前ほとんど作品が売れず、弟テオの献身的な支えによってその芸術を開花させて命を燃焼させ、一方、テオは兄の後を追うように早世し、兄の横に葬られている。この美しい兄弟愛の物語は古来あまりにも有名だが、本書は、2人の手紙や関係者による膨大な記録を丹念に読み込み、こうした美談を再検証する。

画家の兄と画商の弟は、早い時期に契約を結び、兄が制作した令作品を弟に提供するかわりに弟は兄に毎月一定の生活費を送金するという対等な関係になった。敏腕の画商であったテオは、純粋な兄弟愛から契約したというより、兄の才能を冷静に見極め、成功することを確信していたという。

実際、ゴッホは生前から画家仲間や一部の批評家に非常に高い評価を得ていた。しかし、画家が没すれば作品価格が急騰するという目論見もあって、テオはあえて兄の作品を売らずに保持していたという。

そして、持病が治らないことを悲観したゴッホは、自殺することで弟の事業を完遂させたというのだ。
問題のゴッホの持病は精神病ではなく癲癇であったこと、テオの死因は梅毒であったことなど、瞠目させられる指摘が多かった。

さらに、夫テオの没後、義兄ゴッホの作品群を継承した妻、ヨーの目覚ましい活躍に注目する。そもそも彼女は、天才ゴッホを支えることを望んだゆえにテオと結婚し、テオ以上に繊細な気づかいを義兄に示した。

しかし、彼女が後に再婚した年下のオランダ人画家が、世に知られているゴッホの名作のいくつかの贋作者ではないかという疑惑には驚かされた。

著者独自の美術史的な作品解釈もなされており、それらすべてには首肯できなかったものの、総じて緻密な労作にして、ゴッホ神話の再考を促す刺激に満ちたスリリングな一冊である。

何故なら、そこには宮本武蔵も登場するからである。

2011年12月11日 11時17分38秒 | 日記
宗クンの話…昨日、弊社専務が、なんと驚いた事に宗クンが夢に現れて、芥川について「大丈夫ですよ、ずっと見守っていますから」と言って現れたそうである。

宗クンというのは大分前のある時期に、当時の本社事務所に弊社専務が出勤した時に後ろから後を追うようにして(巣から落っこちたのだろう)弱った雀が付いて来たのだと。弊社専務は簡単な鳥籠らしきものをしつらえて、水を与え、時間を見計らって梅田に出て百貨店に行き鳥籠と餌を買い求め、養生させていたのだったが、私達の介抱の甲斐も無く、暫くしてこの雀は死んでしまった。

それがあまりに哀れで、デパートに行った専務は文鳥のような鳥を買ってきたのである。その鳥に、雀につけた名前である宗クンを引き継がせたのだった。

この宗クンについての話は、いずれ一遍の物語として書く事にしましょう。何故なら、そこには宮本武蔵も登場するからである。



「文明のターンテーブル」芥川賢治 第一巻

「文明のターンテーブル」第一巻 近未来100万部突破。

銀河鉄道の夜.jp(「銀河鉄道の時刻表」)にてスタート。



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「文明のターンテーブル」
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北海道~愛知県【162店舗】

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文明は衝突するのではなく接近している。…朝日新聞12月11日10面より

2011年12月11日 11時13分52秒 | 日記
「アラブ革命はなぜ起きたか デモグラフィーとデモクラシー」 エマニュエル・トッド〈著〉

普遍へ文明が接近する過渡期   評・福岡 伸一 青山学院大学教授・生物学

大学に入学したての頃、文化人類学者、米山俊直の講義を聴いて目を見開かされた。人間のあり方は環境からの制約と、その中で発生した文化的な仕組みによって規定されている。

受験勉強で乾ききった心に、世界の新しい見方は湧水のようにしみわたった。それは今にして思えば梅棹忠夫に代表される京都学派の流れをくんだものだった。

ソ連崩壊、米国衰退を予言していたとして世評に名高いドットの著作をその大部さゆえに読むことができないでいた。彼のインタビューで構成されたこのハンディな本は、私を含め門外漢の読者にとって格好の入門書である。

彼の基礎は普遍主義にある。人間は自由と平等を希求する。しかし様々な文化的な桎梏がある。まずは家族制度。すべてが父から長男に引き継がれる権威主義的な直系家族にあっては、自由と平等の意識が育まれない。

その中で人を変えてゆくのはデモグラフィック(人口動態的)な要因、すなわち識字率の上昇や出生率の低下である。情報の共有と自己の意識化。

これはかつて西欧で、旧ソ連で起きたことであり、今、アラブ世界で進行していることでもある。彼は、イスラム原理主義によるテロも、チュニジア、エジプト、リビアで生じたアラブ革命も、普遍への過渡期の一形態であるとみる。彼らはまもなく近代化し、穏健化していくと。

文明は衝突するのではなく接近している。これは紛れもなく、かつて米山が語ってくれたレビストロースやアイブルアイベスフェルトに連なる知の系譜である。文明の変遷を、経済や宗教の対立として見るのではなく、文化人類学的な生命史として見る。

文明の生態史観とも呼びうるそれは、唯物史観に対する鮮やかなアンチテーゼなのだ。久しぶりに大学初年度の好奇心を思い出した。訳者による親切な付記と解説も大いに参考となる。

石崎晴己訳、藤原書店・2100円/Emmanuel Todd 51年生まれ。歴史人口学者、家族人類学者。著書多数。


「日米衝突の根源 1858-1908」渡辺惣樹〈著〉…朝日新聞12月11日10面より

2011年12月11日 10時40分52秒 | 日記
19世紀後半に発する太平洋戦争の原因 〈評〉柄谷 行人 評論家

一般に「日米衝突」は1930年代ぐらいから生じたと考えられている。それ以前の日米関係というと、米国の「黒船」が幕末の日本に現れて開国を迫ったことや徳川幕府が咸臨丸で使節を派遣した話に代表される。

他の西洋列強に比べて、米国は中立的であり、むしろ日本に好意的であったように見える。それに対して、本書が示すのは、日米衝突の「根源」を19世紀半ばに遡ってみなければならない、ということである。

そもそも「黒船」が来たことは、日本にとって唐突であったが、米国にとってはそうではない。米国は日本に来る前に、清朝および琉球王国と交渉している。19世紀半ば以後、東アジアの諸国家関係は、米国の関与の下で再編されたのである。米国の意図は根本的に、イギリスやヨーロッパの列強に対抗して、中国市場を得ることにあった。

そのために、太平洋に至る道を開こうとしたのである。先ずメキシコからカリフォルニアを奪い、領土を太平洋岸まで広げた。さらに、大陸を横断する鉄道を建設した。それは清国から入れた多数の苦力(クーリー)の労働によって可能になっだのだが、その後中国人は差別迫害され、1882年以後は移民が法的に禁止された。

つぎに、米国はハワイに触手を伸ばした。ハワイは王国であったが、米国からの入植者が経済的実権をもち、人口においても多数派となっていた。そのまま米国に併呑されてしまうことを恐れたハワイ人は、日本から移民を入れることで対抗しようとした。

1881年、国王カラカウアが日本を訪問し、隠密に移民を要請したのである。その結果、ハワイに日本人が急増した。さらに、日本の軍艦がハワイを訪れるようにもなった。それは、太平洋を「アメリカの湖」とする米国の戦略を脅かすものと映った。そのため、日本移民が排斥されるようになったのである。

以後、米国はハワイを併合しただけでなく、米西戦争を通して、キューバやフィリピンを併合するにいたった。このような帝国主義に対応して、日本も帝国主義に転じ、琉球の併合、朝鮮への侵略に向かった。

だが、この時期、日米の対立は目立だなかった。たとえば、1905年には、日本が朝鮮を取り、米国がフィリピンを取ることを相互に承認する密約(桂・タフト協定)が結ばれている。日米のそのような“友好関係”もなく激突に転化したとしても不思議ではない。

したがって、太平洋戦争の原因を知るためには、本書のように日米関係を19世紀後半に遡って見る必要がある。それはまた、現在の東アジア・太平洋地域の諸問題を理解するために不可欠である。

草思社・3675円/わたなべ・そうき 54年、静岡県下田市生まれ。日米近現代史研究家。日本開国以降の日米関係を追う。著書に『日本開国』、訳書に『日本 1852』(チャールズ・マックファーレン著)など。

朝日新聞で、今の時間のテレビ番組表を見てみて、思う事。

2011年12月11日 10時22分38秒 | 日記
この時間にこそ、日曜日のこの時間にこそ、昨日NHKBSプレミアムが昼からやっていた1時間半の2番組。

1つは野田秀樹のナレーションによる世界最高峰のバレエ団の一つであるアメリカン・バレエ・シアターでプリマドンナを務める鍛冶屋百合子さんの物語。

もう1つは、米国民の大半が最高の女優であると認めるキャサリン・ヘプバーンの物語。

これら嘘偽りの無い人生そのもの、の、ドキュメンタリーが、日曜日のこの時間に流れている国なら、芥川の〈解答〉は、即座に実行されるのだがなぁ、と長嘆息するしかない。