以下は本日発売された月刊誌WiLLに"高市早苗旋風”、と題した特集の冒頭を飾る、北海道大学名誉教授奈良林直の論文からの抜粋である。
この個所を抜粋する理由は、テレビ各局での候補者討論会において、河野太郎が、日本の原発から発生するプルトニウムで原爆が6千発作れるなどと平然と発言しているのを何度も聞いたからである。
彼が、戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之の論文は殆ど読んでいないが、朝日新聞等の論説だけが読んでいるのだな、という事は即座に分かったが。
上記の月刊誌には、"赤ひげ先生"はもういないのか、病床ひっ迫を招いた"ある制度"とはーと題した、工学博士武田邦彦の論文も掲載されている。
河野太郎の言説について考える際に有用な個所があった。…しかし「ウソ」というのは、本当の事を知っているのにそれと違ったことを発言する事です。私は一切「ウソ」をつきません。なぜならば、「科学者」だからです。…
つまり、以下の本物の論文が証明している事とは、河野太郎は「ウソ」つきなのか、全くの無知蒙昧なのかのどちらかであるという事です。
そんな人物が総裁に立候補しているという事は言語道断であると言っても過言ではない。
彼は、ウソでも、無知蒙昧の言であっても、断定的に話せば真実に聞こえる、或いは決定力、突破力のある人間と印象づける事が出来ると思いこんでいる人間であるとも言えるのですから。
河野太郎に投票しよう等と考えていた自民党の地方党員及び党友で、まだ、記入していない人たちは、真に日本国を愛しているのなら、直ちに考えを改めなければならない。
コロナ隠してもダメ、河野太郎は反原発"原理主義者"(タリバン)
人類の英知を潰す政治家に、首相の資格はあるのか
河野大臣、パワハラ疑惑
菅義偉首相は大変な状況下の1年で多くのことを成し遂げており、「お疲れ様」とも言いたいのだが、1つ今回の退任で良かったと思われる点を挙げたい。
何かというと、退陣する菅首相のもとでは、今後3年間の我が国のエネルギー政策を方向づける「第6次エネルギー基本計画」につき、閣議決定がなされる手はずだった。
それがポシャったのだ。
もっとも、2030年までに地球温暖化ガスを46%削減するという方針を打ち出したのは菅首相だが退任してもその「助さん・格さん役」であった二人は今後、依然として政権中枢に残ることが想定される。
小泉進次郎環境大臣と河野太郎ワクチン担当大臣だ。
筆者は2030年までの地球温暖化ガス46%削減方針が、エネルギー基本計画を「画餅」に貶めた直接的な原因だと思っている。
そんな重要事項を小泉大臣は何の根拠もなく、「46%の数字が目に浮かんだ」と発言し、公明党の山口那津男代表のところまで出かけていき、菅首相に圧力をかけたと報じられている。
さらには、格さん役の河野人臣が、これまた大暴れをしているのだ。
『週刊文春』(九月九日号)にトンデモないスクープ記事が掲載された。
(8月24日霞ヶ関のオンライン会議。「行政機関として責任を持って対応するという点で(再エネの比率を)36から38%程度の原案のままにさせていただきたい」と懇願するのに対し、河野太郎ワクチン担当大臣が「程度ではなくて以上にしろ。日本語がわかるヤツ出せ」》 と、ドスの効いた大声で恫喝したという。
怒鳴られたのは、資源エネルギー庁の山下隆一次長と小澤典明統括調整官。本来なら交渉相手は、梶山弘志経済産業大臣だ。
経済産業大臣をすっ飛ばして、記事のようにゴリ押しする河野大臣の意図はどこにあったのか。
「第6次エネルギー基本計画」を閣議決定するには、閣僚の全員の同意が必要だから、「以上」という表現を認めないとエネルギー基本計画が閣議決定できない。
「だから今、認めろ」と脅しをかけたのだ。
パワハラ専制内閣が誕生?
河野大臣は、第6次エネルギー基本計画素案から、「容量市場」と「原子力の必要な規模を持続的に活用する」という文字を消せとすごんでいるが、「容量市場」がなくなるとどうなるか、わかっているのだろうか。
再エネの比率が高まると、たとえば、雷雨などで空が真っ暗となってしまえば、首都圏では100万キロワットの原発8基分の電力がいきなりゼロになりかねない。
そのときのために、現在は火力発電所がいつでも炊き増しして不足分を補う仕組み(給電指令所)があり、首都圏の大停電が防がれている。
このため「容量市場」という電気の市場をつくり、待機中の火力発電所にもお金が入るようにして、電力系統を強化しているのだ。
すなわち「容量市場」の消失は大規模な停電などの電力トラブルにつながりかねない。
小澤統括調整官は、エネルギー基本計画策定のプロ中のプロ。
北海道胆振東部地震に端を発した北海道大停電(ブラックアウト)の際に、当時の世耕弘成経済産業大臣の命を受けて自衛隊のヘリで千歳駐屯地に飛び、大病院や自治体の役所に電源車を配備するのを陣頭指揮した極めて有能な官僚である。
大停電が起きれば、病院の非常用電源の燃料には限りがあるので、電源車や燃料の緊急輸送が必要だ。
また、北海道大停電による北海道の経済損失は約2000億円に達したとされる。
つまり、大停電は人の命と経済損失に直結するということだ。
だからこそ「容量市場」が必要で、河野素人大臣に恫喝されても受け入れられないのだ。
小澤統括調整官は、「この件は梶山大臣とも相談しておりまして、受け入れることはできません」とキッパリ。
それに対して河野大臣は、「では、こっちも(閣議決定で)受け入れない」と始末に負えない。
経産省OBに確認したら、「河野大臣はしょっちゅう来ている」とのこと。
このような恫喝、パワハラ大臣が、世論調査では、次期首相として1、2位を争う人気候補。
次期首相になったら、それこそパワハラ専制内閣が誕生するかもしれない。
河野氏の反原発活動
河野大臣は、もともとはゴリゴリの反原発派である。
反原発団体である原子力情報資料室(CNIC)と米国の著名な反原発団体「憂慮する科学者連盟」(UCS)の共催で2017年2月、国連大学の国連会議場で「Japan Pupo 2017」と題した国際会議が開催された。
この2団体は、日米原子力協定の自動延長阻止と六ヶ所再処理工場の運転開始阻止、それによって使用済み燃料の原発内保管を満杯にして原発運転阻止をめざして活動をしている。
このイベントも「日本のプルトニウム蓄積は世界の安全保障への脅威」との主張を日本のマスメディアや政府関係者に植え付ける絶好の機会となった。
そして、この会議に参加して主要な役割を演じた1人が河野大臣だった。
「Pupo2017」の大会声明は、「(1)六ヶ所再処理工場の問題について、地域及び世界の安全保障に与える影響という観点から再検討を行うこと。(2)地域及び世界の懸念を緩和するため、日本の既存プルトニウムの安全かつ確実な管理方法を検討すること」の2点である。
そして2017年9月10日から15日の問に日米原子力協定の自動延長阻止に向けた「新外交イニチアティブ」(ND)とCNIC共同の訪米団が組織され、「日本のプルトニウム蓄積への国際懸念論」を相互にアピールした。
その時の米国関係者の発言は、そのままNHKの「クローズアッブ現代」で「“プルトニウム大国”日本~世界で広がる懸念~」と題して放送された(2017年10月30日)。
*この事実を初めて知った大半の国民はゾッとしたはずである。更に以下の事実を知れば、戦慄を覚えるはずである*
この訪米活動の事務局長を務めたのが、反原発派として、そして福島みずほのパートナーとして、著名な海渡雄一弁護士と同じ事務所に所属する猿田佐世弁護士だ。
同氏のNDでの活動は実にめざましく、我が国のエネルギー産業、原子力界においても、これだけの有能な女性弁護士が出てきてほしいと思うほどの活躍をしている。
猿田氏の手法は、反原発、反核兵器を掲げる米民主党や核不拡散運動の関係者に「日本は原爆6000発分のプルトニウムを貯め込んでいて問題だ」とロビー活動を行い、米国の有力者の大きな声を持って日本政府に圧力をかけること。
これを私たちは「ワシントン拡声器」と呼んでいるが、その最後の拡声器はNHKなのである。
このあたりの事情は、猿田氏ご自身の著書『新しい日米外交を切り拓く 沖縄・安保・原発・TPP・多様な声をワシントンへ』(集英社クリェイティブ/2016年)にも詳しい。
新河野談話
そして、この人きな拡声器を用いて「プルトニウム減らせ」を国際公約にしたのが、当時の外務大臣であった河野氏であり、国際原子力機関(IAEA)に対して「日本はプルトニウムを減らす」と宣言してしまった。
氏の父親である河野洋平氏は「従軍慰安婦問題の河野談話」を出して日本を苦境に陥れたが、それに続き反原発の息子は「プルトニウム問題の河野談話」を出し、またまた日本を追い込みかねない事態を招いたのである。
「核兵器をつくる原因となる」との言い分かもしれないが、そもそも日本の再処理プルトニウムは実用兵器には全く不同きなのだ。
すなわち、我が国の原発(軽水炉)の使用済み燃料を再処理したプルトニウムは、米国、パキスタン、インド、韓国・北朝鮮が所有する黒鉛と重水を使った原発で得られる兵器級のプルトニウム(核分裂性プルトニウム239が大部分)と異なり、プルトニウム238、239、240、241、242と多くの不純物同位体を含み核分裂性能が劣り、発熱が大きい(中性子の発生量は6~8倍、発熱は5~8倍)。
従って、核兵器に使用すると核爆発を起こさせる高性能火薬が高温になり、しかも同位体成分が経年変化し、いつ暴発するかわからないような、極めて扱いにくい核兵器となる。実際に、軽水炉由来のプルトニウムを核兵器にしている核保有国は存在しない。とんだ言いがかりである。
我が国は、核不拡散の優等国であることは、2004年9月のIAEA総会において当時のエルパラダイ事務局長が、「日本が、先進的な核燃料サイクルを進める国として統合保障措置の適用を受ける最初の国になったことをお知らせでき、大変喜ばしい」と挨拶されていることからもわかる。
統合保障措置とは従来の保障措置に、追加議定書に基づく新しい保障措置を組み合わせ、一体的に行うことにより、より効率的・効果的な保障措置として構築するものだ。
つまり、「核兵器の不拡散に関する条約」(NPT:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclesr Weapons)下での優等国であることをIAEAが認めているのである。
にもかかわらず、IAEAに一方的に官言した「新河野談話」は、再処理工場の竣工後の営業運転に重い足かせをかけることを意図しており、「2050年カーボンニュートラル」の達成に必要な安全性を高めた原発の活用を困難にしている。
再処理して取り出した高レベル廃棄物を高速炉で焼却することができる、というのは実に高度で有用な技術である。
まさに人類の英知なのだ。
いかがだろう。河野氏は自民党総裁にふさわしい人物かどうか。
ちなみに河野氏の新著『日本を前に進める』(PHP新書)には、「エネルギー革命を起爆剤に」という章が設けられている。
「再エネ」礼賛の自慢話と原子力については問題点ばかりが書き連ねられており、「再処理施設をさせてこれ以上プルトニウムを増やすべきでないことは明らか。(首相)権限があれば様々なことが実現できる」と明記してある。
総裁選出馬にあたって、「安全が確認された原発を当面は再稼働していくのが現実的だろう」と語っているが、青森県の六ヶ所村に建設され、最終段階の工事がされている、「再処理施設の運転開始をやめる」とテレビ出演で明言している。
賢明な読者の皆様はもうおわかりと思うが、各原発の使用済み燃料プールが満杯になって、原発は運転停止に追い込まれる。
原発反対派と一心同体の活動をしているのだから、彼の戦略は明白なのだ。
反原発の原理主義(タリバン)のような河野氏-ともかく人類の英知を潰す方に首相の資格があるとは、私には到底思えない。
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