2012年7月に発売されたアップル社のOS X「 Mountain Lion」に壁紙として、北海道
美瑛町の「青い池」の写真が採用されました。世界に認められた一枚の写真です。
この写真は2012年6月にサンフランシスコで開催されたMacBook Pro Retinaディスプレ
イモデルの宣伝・プロモーションにおいて大々的に用いられました。会場に設けられた大
型スクリーンに「青い池」の画像が映し出され、アップル社のスタッフにより「今まで
我々が作った中で、世界一美しい画面である」と絶賛されました。
この写真は、地元美瑛町在住の写真家、白石健人氏によって、初雪が池に降る10月下旬に
撮影されたものです。彼は自身のブログの中で「プロモーション会場の様子を見て、思わ
ず涙が出ました」と心境を述べています。
私がこの写真の撮影場所を知ったのは今年9月4日に放映されたフジテレビ・スーパー
ニュースの中です。私はこの写真の存在そのものを知っていましたが、綺麗な写真だな、
どこの国の写真かな?ぐらいしか認識していませんでした。しかし、ニュースを見て日本
の風景だと知り、がぜん興味がわいてきました。そこでさっそく白石さんのブログを読み
ました。
これまで二人三脚で頑張ってこられた友人の死、それを乗り越えた写真家・白石さんの強
い意思がつづられていました。白石さんのブログには美瑛町の綺麗な写真がたくさん掲載
されていますから、皆さんも検索してみてください。
さて、その「青い池」は十勝岳の麓にあります。この「池」は十勝岳の噴火にともなう土
砂や泥からの被害を防ぐために、土砂を貯める施設として作られた人口の池です。写真に
写っている立ち枯れたカラマツや白樺の木々の景観は水没により偶発的に生まれたもので
す。その姿は何となく上高地の大正池に似ていますね。
現在では美瑛町を訪れた観光客の半数にあたる約50万人が「青い池」に立ち寄る程、人気
の観光スポットになっています。この写真がもたらした経済効果は多大なものです。
「青」の正体ですが、TVニュースではスタッフが池に注ぎ込む川の上流へさかのぼってみ
たところ、川そのものが青いことを発見しました。大量のアルミニュウムを含む山の水の
流入が原因だろうと推測していました。尚、この川については別の日にNHKの特集で「青い
川」として放映されていましたが、本当に見とれてしまうほど感動的な「青い川」です。
ここでも、アルミニュウム説が紹介されていました。「青い川」の本流にアルミニュウム
含量の少ない支流が流れ込む場所は「青」が薄まって透明になっていることが確認されま
した。
すでに人気スポットになっている青い池ですが、今回の放送を見て、この日本列島はまだ
まだ未知の自然美を隠し持っているような気がしてきました。