「じいとんばあ」は介護をテーマにした詩集である。だから、詩を書くべきなのだが「じいとんばあ」がらみのエピソードがあったので、文章で紹介する。
支援センターに異動になって、直接介護をすることがなくなったが、今度は自宅で家族と向き合ったり本人のテリトリーで向き合う必要が出てきた。まだまだそのことに慣れずにいる私だが、少しずつコミュニケーションをとれるようになってきた。
先日、デイサービスに顔を出した。担当している利用者さんが来ている時は、自宅より確率よく会えるので助かる。ちょうどタイミングが合わず入浴中だったので、壁面構成などを手伝いつつ、待っていた。
そこへ一足早く戻った利用者さんの一人が、たまたま昔からの知り合いだった。亡くなった彼女のご主人と、私の父が昔同じ職場だったのだ。
「おばちゃん!」
声をかけると、彼女は怪訝な顔をした。
「私誰かわかるかえ?」
「え?誰だろ?」
「きよっさんの娘。」
「え!すず?すず?まあ!すずじゃ!」
私の名前を連呼しながら、おばちゃんは感激してくれた。
「まあ、4歳だったのに大きいなって。」
・・・。大きい?まあ、ええ大人ですもの。
「ほんであんたなんぼ(幾つ)になったんで?」
そう質問すると、ナースが意地悪く(笑)こう言った。
「当時○○さんは幾つだったん?計算してみんけん。」
「えっと当時私は30代・・・今私は・・・。まあ!すず!そんな年?」
よ、余計な事を・・・。そして当然な質問。
「ほんで、まだ嫁に行ってないん?」
「・・・うん。」
そんな懐かしいやりとりの後、私は担当サンとの面会をして、事務所に戻った。
その日の夜、居合わせたナースからこんな話を聞いた。おばちゃんは私との再会がとても嬉しかったようで、その後も繰り返し話したらしい。そして、送りの車の中でもひとしきり話した後、こう締めくくった。
「ああ、ほんまに会えて良かった。まさか“たま子”に会えるとは思わなんだ。」
・・・。たま子って。たま子って誰や??
ナースは名前の間違え方があまりにおかしく、しばらく他の職員とつぼにはまってしまったらしい。
「でも、ほかの似た名前いくらでもあるのに、なんでたま子なんやろ?」
そう私が言うと、ナースはこう解説した。
「すずが転がるように丸いからちゃう?」
・・・・。すずしろ改め「たま子」です。
ここをクリックしてお立ち寄りください。
支援センターに異動になって、直接介護をすることがなくなったが、今度は自宅で家族と向き合ったり本人のテリトリーで向き合う必要が出てきた。まだまだそのことに慣れずにいる私だが、少しずつコミュニケーションをとれるようになってきた。
先日、デイサービスに顔を出した。担当している利用者さんが来ている時は、自宅より確率よく会えるので助かる。ちょうどタイミングが合わず入浴中だったので、壁面構成などを手伝いつつ、待っていた。
そこへ一足早く戻った利用者さんの一人が、たまたま昔からの知り合いだった。亡くなった彼女のご主人と、私の父が昔同じ職場だったのだ。
「おばちゃん!」
声をかけると、彼女は怪訝な顔をした。
「私誰かわかるかえ?」
「え?誰だろ?」
「きよっさんの娘。」
「え!すず?すず?まあ!すずじゃ!」
私の名前を連呼しながら、おばちゃんは感激してくれた。
「まあ、4歳だったのに大きいなって。」
・・・。大きい?まあ、ええ大人ですもの。
「ほんであんたなんぼ(幾つ)になったんで?」
そう質問すると、ナースが意地悪く(笑)こう言った。
「当時○○さんは幾つだったん?計算してみんけん。」
「えっと当時私は30代・・・今私は・・・。まあ!すず!そんな年?」
よ、余計な事を・・・。そして当然な質問。
「ほんで、まだ嫁に行ってないん?」
「・・・うん。」
そんな懐かしいやりとりの後、私は担当サンとの面会をして、事務所に戻った。
その日の夜、居合わせたナースからこんな話を聞いた。おばちゃんは私との再会がとても嬉しかったようで、その後も繰り返し話したらしい。そして、送りの車の中でもひとしきり話した後、こう締めくくった。
「ああ、ほんまに会えて良かった。まさか“たま子”に会えるとは思わなんだ。」
・・・。たま子って。たま子って誰や??
ナースは名前の間違え方があまりにおかしく、しばらく他の職員とつぼにはまってしまったらしい。
「でも、ほかの似た名前いくらでもあるのに、なんでたま子なんやろ?」
そう私が言うと、ナースはこう解説した。
「すずが転がるように丸いからちゃう?」
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