すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

せらいご

2016-08-21 21:53:39 | うちのキヨちゃん
 子供が、
 「僕も!僕も!」
的に振る舞う事を、方言で「せらう」と言う。つまり焼き餅を焼くとかに近いだろうか。そして、そういう状態の子供を「せらい子(もしくは児かな??)」と言う。
 ところが、これが年寄りになっても、いや歳を取っていくほど「せらう」ようになるから面白い。まあ構って欲しかったり、自己顕示欲が強くなるのだろうか?孫自慢くらいなら可愛いもんだが、薬でも病気でも人より「すごい」事を自慢したがる。
 うちのキヨちゃんもご多分に漏れずその口である。
 今日は親戚筋の人からスイカを頂いた。その人と私は会う事もあるのだが、キヨちゃんは暫く会っていなかった。
 「会いたいけん、また連れてこいよ。」
と言ってくれた事もあり、お礼の電話方がた、そんな話も出来ればとキヨちゃんに電話するように勧めた。
 その電話でしばらくはお礼や、家族の安否や近況を聞いていたのだが、その内キヨちゃんの近況を聞かれたのだろう、キヨちゃんが語り始めた。
 「もうなあ、ようや歩っきょる。すずの車でなかったら、どこっちゃ行けん。近所へも歩いてはよう行かん。」
 まあ、この辺りは本当の事である。
 「もうなあ、家の中でも杖つっきょんよ。」
おいおい。それは違うだろう。
 「何たって転んだら仕舞じゃけん、気をつけとる。」
・・・。気をつけとったら、山の急斜面の草刈ったりせんだろう。
 「医者になあ、今度こけたら植物人間じゃと言われとるんよ。」
・・・・。
 まあ、病気が病気なので、転んだり打ったりする度に進行するとは言われている。それに、年齢的にもそりゃ、キヨちゃんでなくても骨折でもしたら寝たきりではあるが、植物人間て・・・。
 相手の方がどこまで真に受けたかは定かでないが、つきあわせて申し訳なかった。そして、そんな電話を切ったキヨちゃんは私に、
 「明日デイサービスから戻ったら、一緒に1時間だけでも茶畑の草引きに行くぞ。」
と言った。ちょっと気が遠くなる私である・・・・・・。

 *暑くてもなぜか日だまりで眠るくろべえ。暑かろうよ。

   

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