すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

スイッチ

2018-11-13 22:45:08 | うちのキヨちゃん
 この仕事をしていると、認知症の方と関わる事も多い。ただ、介護士や看護師と違って長い時間介護したり、関わる事は無いので、何か問題が起きても、その場に遭遇する事はそうはない。大抵現場から報告があったり、ごかぞくから聞いたりである。
 デイに訪問中、明らか機嫌が悪い所に行きあたる事はあるが、スイッチが切り変わる瞬間はずっとそばにいるスタッフで無いと遭遇しない。
 ただ、連日ケアしているスタッフでも、何がきっかけなのか、何でスイッチが入ったのか分からない事も多い。原因が分かれば予防も出来そうなのだが・・・。
 さて、我が家のキヨちゃんである。キヨちゃんも数えの88歳。物忘れがあっても当然だし、仮に認知症になっていても不思議ではないが、多分今はただの物忘れである。
 ただ、このスイッチに関しては親子と言えども分からない事があるのだ。
 昨日はキヨちゃんはデイサービスで、それこそ上機嫌で帰ってきた。リクエストのあった蕪の治部煮も美味しいと言ってくれたし、ご飯もしっかり食べた。そして、テレビを観ながらくりりんとも笑って話していたのだ。
 ところが、それは急に来た。いや、正確にはキヨちゃんからある相談を受けたのだ。その相談は、キヨちゃんがお寺に幾ばくかのお金を寄付したい・・・という物だった。これについて、私たちは何の異論も無い。キヨちゃんのお金だし、とんでもない物に使うわけでもない。だから、
 「お母さんのお金だし、思うように使っていいんじゃない。」
と伝えたのだが、その後急に全く関係ない家の話に切り替わった。いつもの、家の周辺の掃除が出来ていない、母ちゃんが「あずって」一人で掃除している、母ちゃん死んだらこの家はお仕舞じゃ…云々が延々続いた。
 もしかしたら、キヨちゃんのお金を私たちにではなく寄付することで、私たちが機嫌悪くするのではと勝手に思い込んだのか、それとももっと盛大に、
 「良い考えだね~!」
と言って欲しかったのか、とにかく多分自分の思いと違ったのか、明らか八つ当たり的にキレ、ペットボトルをドンドンと机に叩きつけて勝手に怒って部屋に戻った。
 まあ、お酒のせいもあるし、すぐに忘れてしまうので問題は無いのだが、ちょっとしんどい。私はともかく、くりりんは更にしんどいだろう。
 「君のやる気スイッチ、どこにあるんだろ~?」
ってCMがあったな。
 怒りのスイッチも分かりやすく見つかると良いのだが。

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コメント (3)
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