おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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『たいむりぃNEWS』用連載第6話

2010年10月09日 17時15分03秒 | 小説・短編つれづれ
お題:『「首輪」「ラーメン丼」「フライパン」「アンドロイド」「特殊部隊」「片道チケット」「ビーム」……以上すべての言葉を使って学園物の小説を書きなさい。』~第6話~(おっちー作)

 学園の敷地中を歩き回ってやっと見付けた。
 ハヤ美は学生寮の自室に入り、荷物を放り出してベッドに体を預ける。
「疲れた~」
 今日はたくさん人と会ったな。まず野間とグララン。対照的な二人だった。ここの生徒だったんだろうか。
 明日また会えるかな……
 ハヤ美を眠気が襲ってきたその時、どかん!と凄い音をたてて部屋のドアが開いた。ベッドから飛び起きるハヤ美。
「野間サマ!」
 起き上がったハヤ美の目の前に、小柄な女の子がこちらをジッと見て座り込んでいた。
 すぐに女の子は飛び上がって部屋の外に駆け戻り、
「野間サマ!!野間サマ!?」
 叫んでいる。
 一体なによ? ハヤ美が面倒臭そうに立ち上がって見に行くと、女の子が泣いていた。
「もうフラれたんだわ! ウチもオシマイなんだわ!」
「どうしたのよ?」
 ハヤ美が女の子の肩を叩くと、彼女はその手を払いのけた。
「ほっといてよ!」
「放っておきたいのは山々なんだけど、あなたが私の部屋に飛び込んできたんじゃない」
「へっ?」
 彼女は開けっ放しになっていたハヤ美の部屋の扉についている番号を見ると、
「ここは30A号室、ウチの部屋よ」
「え?」
 ハヤ美は驚いて部屋番号を確認する。
「2、0、A。ここは20A号室よ」
「はぁっ?」
 女の子はハヤ美を馬鹿にしたような目で見ている。
(つづく)



 続々と登場人物が増えてきました笑。
 しかし月イチ連載でこのペースでは、作品の元々のボリュームからして、終わるまで何カ月かかるんだか……
 頑張りまっす!
 でも連休よくよく休みまっす!
 よろしくです!

ONE EYES (22)

2010年10月03日 00時17分02秒 | 小説『ONE EYES』

第7章 ナツがはじまる。(1)


『皆様コンニチハ! サンライツセッティングのお時間がやって参りました! 今日もこれからなん時間か皆様のお相手をいたします、今井麻衣子です!!』

 本日も、ラジオから流れる「今井麻衣子」のカラッ元気な声が教室に響いている。

『今日も暑いですねえ。もう夏かしら。……なに恵美ちゃん? はい……もうとっくに夏? はあ、そうなんだ? えっ、だから私の名前を出すな? わかったわよ恵美ちゃん。何わかってない? どうでもいいから曲に入れ? なんか意味もなく怒ってる恵美ちゃんでした。……おぉ、こんな暑い夏にピッタリのナンバー――「PINK SAPPHIRE」で、『P.S. I LOVE YOU』。……えっ、なによ恵美ちゃ(プツッ)』

 FMラジオからPINK SAPPHIREのP.S. I LOVE YOUが流れ始める。
「この曲!……懐かしいなあ」
 田中みどりが、教室内の清掃をしながら、一人ごちている。
「これ好きー」
 笑顔になって、掃除にも勢いがつく。ノッてきたみどり。
 リズムに乗って、机の上を雑巾で拭く。床にあって目についたごみを拾って、ごみ箱に捨てる。掃除機を掛けて、仕上げに床をモップで拭う。
「ふう。……よし、キレイ」
 満足気に教室内を見渡すみどり。
 隣の部屋――アトリエでは、水原将が画を描くという『芸術活動』と格闘していた。時々大きく息を吐く際の声や、画材をキャンバスにあてた時の音だろうか――何かぶつかり合うような物音が聞こえてきていた。
 将さんは……相変わらずか……
 たまにはこっちに出てきてもいいのに。会話というモノを知らないんだから。
 ……お喋りしようよ。
 その時、とう突に誰かが外から教室に入ってきた。
 ビクッと驚くみどり。
「みどりちゃ~ん、修いる!?」
「慎平さん、いきなり現れないで下さいよ」
「ゴメンゴメン、修は?」
「まあいいですけど。居ませんよ」
「今日あいつ来るよなあ?」
「今日、授業はないですからね。どうでしょう」
「来てくれなきゃ困るんだよ。ビッグニュースがあるのに」

『はあ~……一人で喋ってるのも疲れますね。そうだ!今度パートナーを募集します!! この番組のDJをあたしと一緒にやってくれるという方、いつものメールの宛先へ、顔写真付きの自己紹介文を送ってください!……』

「ビッグニュースって何ですか? もしかして……」
「なに? 当てようっての?」
「はい。たぶんそれだと思います」
「答え言ってみなよ」
「慎平さんが、いよいよピコタン絵画教室に入学する!」
「ビー! 大外れ。それとは全然関係ない話だよ」
「じゃあ……コンクール関係ですかあ?」
「おっ、いい線ついてる!」
「もういいかげん教えてくださいよ」
「修が来たら言うよ」

 ピンポーン

「あっ、もしかして修さんじゃないですか?」
「あいつ、ここ入ってくるのにチャイムなんか鳴らさないだろ」
「ちょっと玄関見てきますね」
「はーい。いってら」
 玄関から声が伝わってくる。
「みどりちゃん、オレこの教室やめてもいいかな」
 修の声だ。
「はっ!? なに言ってるんですか、修さん??」
 みどりが返答に困っている。
 会話はもちろん慎平の耳にも届いていた。
「修、いまさら何ばかなこと言ってんだよ!!」
 慎平が教室から大きな声を出した。
「慎平いるのか。オレ、ピコタンやめるから」
「ばーか。やめられる訳ないだろう?」
「なんでだよ、やめるのは自由だ」
 会話の間に、慎平は玄関まで移動していた。
「ちょっと話しよう。とにかく中に入れ」
 慎平は有無を言わさず、修を教室の中まで押し入れた。
「なんで今、『やめる』になるんだよ?」
「そうですよ、修さん、突然過ぎます」
 表情を曇らせたみどりも、慎平と一緒になって修に問うた。
「話すと長くなるんだよ」
 修はうつむいていた。
「じゃあ全部話せ」
 慎平が修にキツく言い放った。
「全部話すのは嫌だから、一言で済ますよ」
「一言で済むんなら最初からそうしろよ」
「うるせーな」
「修さん、話してください」
 修――と慎平、みどりが対峙する。
 修は蚊の鳴くような声で言った。
「彼女が、絵を描くような暗いヤツは嫌いだって」



 久々の『ONE EYES』になります

 なんと半年ぶりの再開!
 うわ~
 何やっとるんじゃ、俺

 今回だいぶダラダラな会話が多くなっております汗
 楽しんでいただければよいのですが……

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 それではでは、よろしくお願いいたします~

 では~

『たいむりぃNEWS』用連載第5話

2010年10月02日 22時26分57秒 | 小説・短編つれづれ
お題:『「首輪」「ラーメン丼」「フライパン」「アンドロイド」「特殊部隊」「片道チケット」「ビーム」……以上すべての言葉を使って学園物の小説を書きなさい。』~第5話~


 ………

 はっ!?
 そんなわけないじゃん。
 でも確かに視界の中央を、ケーキとティーカップ――おやつのティータイムセットが二組――通り過ぎようとしていた。

 よいしょっ☆

 ハヤ美はそのティータイムセットを全てキレイに受け留めた。ついでにティーポットもあったが、それもきちんと中身をこぼすことなく、受け取った。
 すると……

『……イタイイタイイタイイタイ!……止まらな~い!』

 授業棟の方にあった、広くて長い階段の方から女の子の悲鳴が聞こえた。
 そっちを見ると、長いヒラヒラのスカートをはいた女の子が、階段を縦になり横になり転がり落ちてくる。
『誰か助けて~』
 悲鳴は徐々に弱々しくなってきた。
 ハヤ美はお盆にのったおやつセットを持っている。
「どうしよう!?……あっ、あそこに!!」
 ハヤ美は手に持ったおやつセットを近くのベンチの上に丁寧に置いた。
 ……それから、長い階段を転がり落ち終えて倒れている女の子に、丁寧に声を掛ける。
「大丈夫ですか?」
「だいじょうぶじゃな~い!……ですぅ……あいたたた……」
「だいじょぶですか?」
「痛い!……痛いようぅ~~」
 なんとか立ち上がる女の子。
 ………
 ちっちゃい!
 ……私より20センチ以上低いぞ!
「あなた……初めて見る顔ねえ」
「ハヤ美といいます」
「私はグララン……あれっ、ケーキとお紅茶は?」
「あそこに置いときましたけど」
「あら奇跡的! こぼれてすらいないわ!」
 私のおカゲでしょう。ハヤ美は思う。
「ハヤ美さん……でよかったかしら? ありがとう」
「いえいえ」
「これでラフさんと3時のお茶が無事に飲めるわ~♪……おっと!」
 けっつまづき、ケーキ一個と紅茶一杯を落っことす。
「あらら~~」
「……」
「まあいいわ、ラフさんと半分コしよう(はぁとまぁく)」
 ハヤ美は思った……あれだけ丁寧に扱った私の努力って一体……



 『たいむりぃNEWS』用連載小説の第5話になります。
 例によって、梅酒ハイボールを呑みながらの更新です(笑)。
 書き貯めてきた分はこれで出し切りました。
 来月からは、正真正銘の新作です!
 第5話ですが、まだ序盤の序盤なんですよねえ。
 一体何回の連載で終わるのか? それまでたいむりぃずNEWSは付き合ってくれるのか!?
 幾つもの不安要素を抱えながらの執筆作業になります。
 よろしくお願いしますう~
 ではでは、失礼します~