どーも~、鉛筆カミカミですー。
ちょっと今日時間が空いたんで書き込みしますね。
戯曲「ヒストリー・ダイアリー」続きです。
SCINE.4-1 たとえば、中華屋にて
耕平&由里、入場。
二人は、とある飲食店の店先にいる。
耕平は店のドアを開け、中に入る。
由里もすぐあとに続く。由里は、例の本を持っている。
店員 「いらっしゃいませーっ!」
耕平 「ちーっす・・」
由里 「誰に言ってるの?」
耕平 「礼儀だよ、礼儀!」
由里 「ふ~ん・・・それにしてもお客さん全然いないんですけど・・・この辺では有名な、まずい店だったりして」
耕平 「入っちゃった店ん中で、やたらな事ゆーなよな・・」
二人はそれぞれ席につく。
(それまでベンチとして使っていた椅子を動かして、座席にする)
耕平 「・・・さーて、なにを食おーかなー・・・」
由里 「(パラパラしながら)・・・でもこれ、ほんとに私の事、こまかーく全部書いてあるね」
耕平 「・・・昨日の彼氏とのケンカの一部始終とかな」
由里 「ほっといてよ! ・・・でも、どーなってんだろ・・・私が覚えてないような子供の頃の話まできちんと載ってるし・・・」
耕平 「うーん・・・ちょっともう一回みして」
由里 (本を耕平に渡す)
耕平 「・・・最後の頁が気になるんだよな・・・」
由里 「何が気になるのさ」
耕平 「・・・ちょっと待ってー・・・ふんふん・・・店に入って、この席について、お前と話してる様子が、細かく正確に描写してあるね・・・・・うわっ、面白い! 由里、見てみろよ! 活字がどんどん浮き上がってくる!」
由里 「耕平、こっからじゃ全然見えない・・・貸してみせてよ!」
耕平 「んっ!(差し出す)」
由里 「あれっ? この頁じゃないじゃない。(最後の頁を探す)・・・・・ほんとだ!・・・すごーい・・・」
耕平 「由里、ちょっとストップ。店の人がくる」
由里 「エッ、ほんと? これ隠さなきゃ」
SCINE.4-2 9月の夏休み
真二が入場してくる。
彼はこの店でバイトをしている、店員さんなのである。
真二は二人の席までやってくる。
真二 「いらっしゃいませ・・・」
耕平 「あ・・・すみません・・・」
言いかけた耕平は、真二の顔で視線が止まってしまう。
由里も同様に、真二の顔をジッと見てしまっている。
真二はそれを気にする様子もなく、
すましてコップをお盆から、テーブルの上に置いていく。
真二 「・・・ご注文は・・・お決まりでしょうか?」
耕平 「・・・・・思い出した!! 及川真二だ!」
真二 「はい・・・?」
由里 「・・・(露骨に嫌そうな顔をしている)」
耕平 「ほらっ、由里っ! 予備校でおんなじだったじゃん! 及川っ!・・・覚えてないか?」
由里 「・・・」
耕平 「(由里の様子がおかしい事に気付く)・・・ユーリちゃ~ん・・・??」
由里 「・・・・・(少しの間のあと、勢いつけて)及川君、久しぶりっ!!」
真二 「・・・真芝さん久しぶり」
由里 「・・・・・(及川からは、すぐに目線をそらす)」
真二 (営業スマイルっぽい笑顔で見ている)
耕平 「・・・・・(妙な雰囲気をいぶかしがっているが、すぐに気を取り直して)及川、お前いま、何やってん?」
真二 「・・・だから、注文待ってるんですけど」
耕平 「・・・。」
由里 「・・・」
耕平 「・・・あぁ~っ、はいはい、注文ね。・・・おい、由里、決まったか?」
由里 「とっくに決まってるよ。(真二に)○○○○ね(お好きなものをお好きなだけ自由にどーぞ)。・・・耕平は?」
耕平 「・・・やばい、決めてねー。」
由里 「ちょっとーぉ、・・・早くしなさいよ」
耕平 「・・・えーと・・・ちょっと待って・・・(すごくあせっている)・・・久々のまともな外食だから・・・・・うーんと・・・でも金ないかぁ・・・」
真二 「・・・それでは、決まったらお呼び下さい。・・・(由里に)そちらは○○○○でよろしいですね?」
由里 (一応うなずく)
耕平 「・・・(まだ一生懸命えらんでいる)」
真二 「では・・・(引っ込もうとする)」
耕平 「・・・ちょっと待てーっ! 必死で選んでる目の前で帰るなーっ!」
真二 「はい?(足を止める)」
耕平 「・・・え~っとぉーっ・・・、△△△△(こっちも由里と同様、但したくさん頼むこと)っ!」
由里 (驚く)
真二 「・・・かしこまりました。△△△△ですね」
耕平 「そう・・・よろしくっ! ・・・それから及川、ちょっと(と、呼び止める)・・・ちょいちょいちょいちょい(手まねき)・・・、お前、このあと時間あいてる?」
真二 「え?・・・まぁ・・・」
耕平 「よしっ。じゃあ、ちょっとつきあって?」
由里 「エッ?・・・(鋭く耕平の方を見て、その拍子に、机の下に持っていた本を床に落としてしまう)」
真二 「え?・・・まぁ・・・(と言いつつ、目線は床に落ちた本へ)」
由里 (あわてて本をひろっている)
耕平 「よしっ。じゃあ、そういうことでよろしくー」
真二 「・・・(由里の手にある本を指して)あの・・・それは?・・・」
由里 「えっ? ・・・ただの本ですよ・・・何の変哲もないー・・・(そのわりには、かなり動揺している)」
真二 「そうですか・・・・・では、失礼します・・・」
真二、退場。見送る耕平。
ちょっと今日時間が空いたんで書き込みしますね。
戯曲「ヒストリー・ダイアリー」続きです。
SCINE.4-1 たとえば、中華屋にて
耕平&由里、入場。
二人は、とある飲食店の店先にいる。
耕平は店のドアを開け、中に入る。
由里もすぐあとに続く。由里は、例の本を持っている。
店員 「いらっしゃいませーっ!」
耕平 「ちーっす・・」
由里 「誰に言ってるの?」
耕平 「礼儀だよ、礼儀!」
由里 「ふ~ん・・・それにしてもお客さん全然いないんですけど・・・この辺では有名な、まずい店だったりして」
耕平 「入っちゃった店ん中で、やたらな事ゆーなよな・・」
二人はそれぞれ席につく。
(それまでベンチとして使っていた椅子を動かして、座席にする)
耕平 「・・・さーて、なにを食おーかなー・・・」
由里 「(パラパラしながら)・・・でもこれ、ほんとに私の事、こまかーく全部書いてあるね」
耕平 「・・・昨日の彼氏とのケンカの一部始終とかな」
由里 「ほっといてよ! ・・・でも、どーなってんだろ・・・私が覚えてないような子供の頃の話まできちんと載ってるし・・・」
耕平 「うーん・・・ちょっともう一回みして」
由里 (本を耕平に渡す)
耕平 「・・・最後の頁が気になるんだよな・・・」
由里 「何が気になるのさ」
耕平 「・・・ちょっと待ってー・・・ふんふん・・・店に入って、この席について、お前と話してる様子が、細かく正確に描写してあるね・・・・・うわっ、面白い! 由里、見てみろよ! 活字がどんどん浮き上がってくる!」
由里 「耕平、こっからじゃ全然見えない・・・貸してみせてよ!」
耕平 「んっ!(差し出す)」
由里 「あれっ? この頁じゃないじゃない。(最後の頁を探す)・・・・・ほんとだ!・・・すごーい・・・」
耕平 「由里、ちょっとストップ。店の人がくる」
由里 「エッ、ほんと? これ隠さなきゃ」
SCINE.4-2 9月の夏休み
真二が入場してくる。
彼はこの店でバイトをしている、店員さんなのである。
真二は二人の席までやってくる。
真二 「いらっしゃいませ・・・」
耕平 「あ・・・すみません・・・」
言いかけた耕平は、真二の顔で視線が止まってしまう。
由里も同様に、真二の顔をジッと見てしまっている。
真二はそれを気にする様子もなく、
すましてコップをお盆から、テーブルの上に置いていく。
真二 「・・・ご注文は・・・お決まりでしょうか?」
耕平 「・・・・・思い出した!! 及川真二だ!」
真二 「はい・・・?」
由里 「・・・(露骨に嫌そうな顔をしている)」
耕平 「ほらっ、由里っ! 予備校でおんなじだったじゃん! 及川っ!・・・覚えてないか?」
由里 「・・・」
耕平 「(由里の様子がおかしい事に気付く)・・・ユーリちゃ~ん・・・??」
由里 「・・・・・(少しの間のあと、勢いつけて)及川君、久しぶりっ!!」
真二 「・・・真芝さん久しぶり」
由里 「・・・・・(及川からは、すぐに目線をそらす)」
真二 (営業スマイルっぽい笑顔で見ている)
耕平 「・・・・・(妙な雰囲気をいぶかしがっているが、すぐに気を取り直して)及川、お前いま、何やってん?」
真二 「・・・だから、注文待ってるんですけど」
耕平 「・・・。」
由里 「・・・」
耕平 「・・・あぁ~っ、はいはい、注文ね。・・・おい、由里、決まったか?」
由里 「とっくに決まってるよ。(真二に)○○○○ね(お好きなものをお好きなだけ自由にどーぞ)。・・・耕平は?」
耕平 「・・・やばい、決めてねー。」
由里 「ちょっとーぉ、・・・早くしなさいよ」
耕平 「・・・えーと・・・ちょっと待って・・・(すごくあせっている)・・・久々のまともな外食だから・・・・・うーんと・・・でも金ないかぁ・・・」
真二 「・・・それでは、決まったらお呼び下さい。・・・(由里に)そちらは○○○○でよろしいですね?」
由里 (一応うなずく)
耕平 「・・・(まだ一生懸命えらんでいる)」
真二 「では・・・(引っ込もうとする)」
耕平 「・・・ちょっと待てーっ! 必死で選んでる目の前で帰るなーっ!」
真二 「はい?(足を止める)」
耕平 「・・・え~っとぉーっ・・・、△△△△(こっちも由里と同様、但したくさん頼むこと)っ!」
由里 (驚く)
真二 「・・・かしこまりました。△△△△ですね」
耕平 「そう・・・よろしくっ! ・・・それから及川、ちょっと(と、呼び止める)・・・ちょいちょいちょいちょい(手まねき)・・・、お前、このあと時間あいてる?」
真二 「え?・・・まぁ・・・」
耕平 「よしっ。じゃあ、ちょっとつきあって?」
由里 「エッ?・・・(鋭く耕平の方を見て、その拍子に、机の下に持っていた本を床に落としてしまう)」
真二 「え?・・・まぁ・・・(と言いつつ、目線は床に落ちた本へ)」
由里 (あわてて本をひろっている)
耕平 「よしっ。じゃあ、そういうことでよろしくー」
真二 「・・・(由里の手にある本を指して)あの・・・それは?・・・」
由里 「えっ? ・・・ただの本ですよ・・・何の変哲もないー・・・(そのわりには、かなり動揺している)」
真二 「そうですか・・・・・では、失礼します・・・」
真二、退場。見送る耕平。