おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
いろいろ活動してます
そのうち、みなさんにお目にかかれたらうれしいです

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村Ver2.0 #07

2011年07月26日 07時46分47秒 | SUKYSH CLOUD
#07 コリウスの教会・集いの間


 舞台上に、ビストローヌ・ドウルフが入場
 身体を投げ出す

ビストローヌ「なんだい、あいつらは!?」
ドウルフ「ぼく、あいつら初めて見た」

 ビストローヌは思い出して悔しがる
 ドウルフはボーッとしている

ビストローヌ「今度会った時は、必ず地面に這いつくばらせてやる」

 そこにコバルトが入ってくる

コバルト「やあやあお二人ここにいらしたかあ!」

 ビストローヌはコバルトの様子に少しだけ戸惑うがすぐに取り直し

ビストローヌ「馬鹿息子がやって来たよ」
ドウルフ「ばーか、ばーか、ばか息子ー」

 コバルトは不敵な笑を浮かべている

コバルト「今からお二人は、私の言いなりになる」
ビストローヌ「何を言ってるんだか
また遊んで欲しいのか?」
コバルト「私がお二人と遊んであげるのだよ」

 ビストローヌは怪訝な表情になる
 ドウルフは一人遊びをしている

ビストローヌ「ドウルフ、少しこいつの目を覚ませておやり」
ドウルフ「驚かせればいいの?」

 ビストローヌは微笑を浮かべ

ビストローヌ「そうだね、力いっぱい驚かせてやんな」
ドウルフ「わかった!」

 ドウルフが立ち上がると、コバルトは魔法を唱える体勢になり

コバルト「そうだな、お二人には何の力で言いなりになってもらおうか?
私の数ある能力の中から……
そうだ、人形(ひとがた)の魔力を使おう
少しの間苦しいかもしれない。我慢してくれるか」

 ビストローヌは何かを感じ取ったのか

ビストローヌ「ドウルフ!」

 号令を放つが間に合わない

【SE 魔法】

【M 不安】

 ビストローヌとドウルフは突然苦しみ出す

コバルト「この魔法にかかった人間は、
私の言葉に従わずにはいられなくなる
そして同時に、理性の束縛から身体を開放する
人間の中に隠れている『本来の』力は、物凄いものなのだよ」

 二人はもがき苦しんでいる

ビストローヌ「ドウルフ……」
ドウルフ「お母さん!」

 コバルトは微笑む
 次第に高笑いになり、そのまま

【照明F.O.→暗転】

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村Ver2.0 #06(2)

2011年07月18日 01時08分55秒 | SUKYSH CLOUD
コバルト『炎の紅より赤き者
火炎に焦がれるより、その身に苦しみを抱く者
貴台の怒りが欲しい 力が欲しい
身に宿した憎しみを我がものとせよ
我と汝が力もて、新しい魔力をここに生み出し賜え
我が魂を、貴台に捧げる
闇の契りを今、ここに誓わん』

 赤苦鬼召喚の炎が、大きく燃え盛る

【SE 燃え上がる炎】

赤苦鬼(声)「アタシを呼び出したのは、あんた?
あんたみたいな若造が、
どうして契約の言葉を知っていたのさ?」
コバルト「これでも教会の一人息子だ。本で勉強したんだよ」
赤苦鬼(声)「ご苦労さん
でも残念ながら、今のあんたの力じゃあ
アタシと契約結ぶなんてオコガマシイね」
コバルト「そうなのか」
赤苦鬼(声)「当たり前じゃない アンタ『格』って言葉知ってる?」
コバルト「私じゃあ、人としての格が足りないってことか」
赤苦鬼(声)「そういうことね」
コバルト「何とかならないのか」
赤苦鬼(声)「ならないわね」
コバルト「そこをなんとかならないか
そうだ、そもそもお前はなんでここに姿を現したんだ
出てきて、何もせずにノコノコと去るのか」
赤苦鬼(声)「アタシ達は、
正しい契約の『言葉』には従わなくちゃならないの
それがアタシ達の、古来からの『仕事』の一つなのよ」
コバルト「そうか」

 コバルトは不敵な笑みを浮かべた

コバルト『この世界の始まりを司る至高神の言葉をここに伝えよう
赤苦鬼よ
目の前に佇まうこの生命に、汝の持つ最高の力を与えよ
そして、この場より去れ
至高神セクトリウスの命を、この言葉にて現し、汝に与える』

 また激しく、赤苦鬼の炎が燃え盛った

【SE 炎】

 コバルトの抑えた笑いが響き、
 次第に彼の高笑いが部屋の中に響き渡る

コバルト「やったぞ、成功だ! これで……」

 しかし、暫くして再度、赤苦鬼の声が聞こえてきた

赤苦鬼(声)「セクトリウスよ、そなたの意思は受け入れた
しかし、交換条件をしようではないか
ひとつ、この若者に私の力を分け与える代わりに、
彼の最も大切なものを、彼から奪うことを許して欲しい
もうひとつ、
この若者が力の誤った使い方をしないように
監視をしたいのだ
私の一部を、ひとりの人間の器の中に
込められるようにして欲しい
以上だ
そなたの命令通り、私はここから去ることにしよう
セクトリウスよ、この契約の締結を忘れるでないぞ」

 コバルトは赤苦鬼の放った言葉の内容に驚きを隠せないでいた

コバルト「馬鹿な!
赤苦鬼はセクトリウスと同等の立場で契約を結べるほど、
位の高い鬼だったか?」

 赤苦鬼の炎は消えた

【M 消える】

コバルト「まあよい。
今私の中に、
強大な力と膨大な智恵が注ぎ込まれてくるのを感じている
素晴らしい! 素晴らしいぞ!!
よし、今の私の力を試してみよう
最適な相手がいる。私から赴くか」

 コバルトは喜びを隠せない
 退場

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村Ver2.0 #06(1)

2011年07月16日 23時39分35秒 | SUKYSH CLOUD
♯06 教会・祈りの間


【M 教会】

【明転】

 窓から月明かりが差してくる
 その光の中で、コバルトが神像に祈りを捧げている
 一心に、祈りを捧げている

コバルト「神よ、私に力を与えてくれ
いや、力でなくてもよい
この村が結果的に守れれば……
キロが、幸せになれれば」

 コバルトは一旦祈りを中断する

コバルト「もう五年以上、毎日こうして祈り続けている
けれど何も変わらない
そろそろ祈りを止め、
現実に目を向ける時なのかも知れない
私の力などたかが知れている
その私が、この村を守る為にはどうしたらいいか
私は今日から大人になろう
汚いことも、卑怯なことも、
大切なものを守るためなら喜んでしよう
……そうか、聞いたことがある
鬼の神を召喚しよう
鬼の力は強大だ。その力を我がものに出来れば……」

【M 赤苦鬼(せっくき)の召喚】

【暗転】

【明転(赤苦鬼召喚の明かり)】

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村Ver2.0 #05(2)

2011年07月16日 17時24分52秒 | SUKYSH CLOUD
 ビストローヌはライタ達の方に向き直り、

ビストローヌ「なんだ貴様らは!?
ただの旅人じゃないな?」
ライタ「今頃気付いた?
お前らアイグラントだろ?
おりゃあアイグラントには絶対負けねー」
ビストローヌ「逆賊か!」
ライタ「何言ってっかわかんねーけど
嫌いなんだよ、お前等が!!」
ビストローヌ「反逆者が!!」

 ビストローヌは鞭をライタの足元に向かって放つ
 軽々とよけるライタ
 その後も、ビストローヌは何発かライタに向かって鞭を放つが、
 ライタはそれらを全て余裕をもってかわす

ビストローヌ「お前は誰だ!!!」
ライタ「ライタって言うんだけど、知ってた?」
ビストローヌ「知るか!!」

 その瞬間、ドウルフが吼えた
 ドウルフはボイスカとライタに向けて拳を放つ
 二人ともその攻撃は避けた

ビストローヌ「もうよい!!
この娘はゴウリの実を持っていない
最低限の役目は果たした
ドウルフ、教会に戻るぞ」

 ビストローヌは一目散にその場を去り、
 ドウルフは何度も振り返り振り返り、辺りを気にしながら去っていく

【M 消える】

【SE 林を抜ける風の音、夜の虫の声】

バルシア「完勝じゃない。私の出る幕ないわ」
ライタ「今までで一番手応えなかった!
あいつらほんとにアイグラントか?」
キロ「助けていただいてありがとうございました!
キロといいます
ところで、皆さんは……?」
ボイスカ「儂はボイスカというんじゃが……」
ライタ「(遮って)俺はライタ」
バルシア「(更に前に出て)あたしバルシア」
キロ「???」
ボイスカ「こ奴らは自己紹介が好きなんじゃ」
キロ「良い趣味ですね(ちょっと引きつった笑い)」
ボイスカ「お嬢さんは」
ライタ「(遮って)お嬢さんは」
バルシア「(更に遮って)お嬢さんは」
ボイスカ「お前ら遊んでるだけじゃろ!
いい加減にせんかい」
ライタ&バルシア「ごめんなさ~い」
キロ「………(半分笑顔)」
ボイスカ「お嬢さんは、この村に住んでる娘さんかな?」
キロ「はい、そうです」
ボイスカ「なんでこんな夜中にうろついて、
しかもあんな奴らに襲われてたんじゃ?」
キロ「それは……
話すと長くなるので、皆さん、私の家にいらっしゃいませんか?
住んでいるのは二人だけ……広いだけが自慢の我が家ですが」
バルシア「ついでに今晩泊めてもらえたりして!」
ボイスカ「失礼じゃろ」
ライタ「キロちゃんっていったっけ?」
キロ「(ちょっと後退しながら)はい」
バルシア「今晩、キロちゃんちに泊めてもらえないかなあ~、なんて」
ボイスカ「失礼じゃろて」
キロ「(笑顔でハッキリ)いいですよ」
ライタ「ホントに!? ありがとう~~~!! 助かるよ!」

 ライタ、キロの手を取ろうとする
 キロはその手を思わず跳ね除け、逃げる

ライタ「?」
キロ「あっ、ごめんなさい……私の家はすぐそこです
ついてきてください」
バルシア「は~い」
ライタ「(ちょっと動揺残しつつ)近いんだ」
ボイスカ「良かったの」

【SE 木の葉の重なる音】

 四人、退場

【場転(照明変化)】

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村Ver2.0 #05(1)

2011年07月16日 03時17分20秒 | SUKYSH CLOUD
#05 ファーネスの村の一角


【照明・SE 真夜中】

 ライタ・ボイスカ・バルシアの3人、入場

ライタ「着いたー!!!」
バルシア「着いたけど……ここがその村?」
ボイスカ「暗くてわからんのう」
ライタ「誰かいませんか~!!?」
バルシア「ちょっとみんな寝てるんだから!」
ボイスカ「(二人に)静かにせい」
ライタ&バルシア「ごめんなさい」
ボイスカ「~それにしても困ったのう
民家の一軒くらい、起きていないかのう」
ライタ「もう野宿でいいですよ
なんのための寝袋ですか」
バルシア「私、寝袋なんか持ってないし」
ライタ「バルシアさんはそのまま寝て大丈夫じゃないですか」
バルシア「あたし最近美容に凝ってるの」

 ボイスカ大笑い

バルシア「なんで笑うんですか?」
ボイスカ「ドラゴンにも美容って考えがあったんだなあ」
バルシア「ありますよ、ワタシ女ですよ」

 ライタ肯いている

ライタ「バルシアさんは素敵な女性ですよねー」
バルシア「またライタ君、いつも通りおだてるのね」
ライタ「いやいや本音」

 その時、声が聞こえる

ビストローヌ(声)「コラ待てー!
待てって言ってんだろが、小娘!」

ボイスカ「ん? こんな真夜中に」
ライタ「(前の台詞から引き続き)バルシアさんは素敵です!」
バルシア「ライタ君には彼女がいるでしょ?」
ライタ「それとこれとは関係ないじゃないですか」
バルシア「そうかなあ」

 以上のセリフの遣り取りの間にキロが入場。駆け込んでくる
 ライタ達の周りをぐるっと回った後、バルシアの後ろに隠れる

キロ「助け……ごめんなさい、迷惑ですね」

 キロはその場を立ち去ろうとする
 そこにビストローヌとドウルフ、入場

ビストローヌ「誰だいこいつらは?
邪魔するんだったら容赦しないよ
ドウルフ!」

 ライタとボイスカは、
すぐにビストローヌ・ドウルフの出で立ちを目認

ボイスカ「嬢ちゃん!」
ライタ「女の子!」

 ボイスカとライタの台詞は同時
 ライタはキロの方を見やったあと、

ボイスカ「助太刀する!」
ライタ「助けてあげよう!」

【M 『戦闘1』/おっちー】

 戦闘開始!
ビストローヌ「初めて見る顔だね
クエストパッカーか?」

 ビストローヌは、二人をなめてかかっている

ボイスカ「余裕じゃのう」
ライタ「そのスキが!(直前のボイスカの台詞を食いつつ)」

 ライタ先制攻撃の足払い
 バランスを崩すビストローヌ
 すると雄叫びを上げて、ドウルフが突進してくる
 ライタにタックル!
 大袈裟に吹っ飛ばされるライタ(受け身)
 ちなみにこの時間帯のバルシアは、
 キロをかくまいながら戦況を見詰めている

ライタ「こっちはパワーか」
ボイスカ「それなら儂(わし)が」

 ボイスカはドウルフに掴み掛り、柔道のような技で
 ドウルフを投げ倒す
 ドウルフ声が出る

キロ「(驚いてバルシアに)あなた方は?」
バルシア「だからクエストパッカーなんじゃない?」

ときのぷらんと公演その1『www.co.jp』VTR

2011年07月02日 10時09分50秒 | ときのぷらんと
 『SUKYSH CLOUD』連載中に、別カテゴリーの記事を失礼します汗。
 2011年5月7日8日に行われた『千歳烏山路上演劇祭』というイベントで上演した、『www.co.jp』というお芝居の映像をYouTubeにアップしました。
 前半と後半に分かれています。

前半

後半

 よかったら感想ください。
 よろしくです。
 ではでは~