おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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そのうち、みなさんにお目にかかれたらうれしいです

『たいむりぃNEWS』用連載第一話

2010年04月29日 18時04分12秒 | 小説・短編つれづれ

お題:『「首輪」「ラーメン丼」「フライパン」「アンドロイド」「特殊部隊」「片道チケット」「ビーム」……以上すべての言葉を使って学園物の小説を書きなさい。』~第一話~


 私は今、馬車に揺られている。
 いい天気だ。行く先に、少し灰色の雲がある……それ以外は……
 頭上の空を見上げると、真っ青。ほぼ快晴!
「あっ」
 すると、視界に白い影が映った。
 白い鳥の……群れだ。

 その中の一羽が彼女の方にパサパサと音をたてながら向かってくる。
「?」
 彼女が小さく手を掲げると、近付いてきた鳥はその指にとまった。
「かわいい」
 鳥は首をひねって彼女の顔をのぞき込んでいる。
「あれ? もしかして……じいちゃんかな?」
 彼女の名前は……仮に「ハヤ美」としておこうか。
 ハヤ美は白い鳥に手をかざし、精神を集中した。
 解除の魔法である。

 鳥の全身から優しい光がにじみ出す。形がぼやける。
 そのまま鳥の姿は溶けたようになくなり、ハヤ美の手のひらの上に一枚の白い紙切れが残った。
「やっぱりじいちゃんからだ」
 紙には文字がつづってある。なになに……

『がんばれ』

 ……それだけかい!
 この一言を伝えるためだけにじいちゃんはわざわざ魔法を使ったのか。ハヤ美はあきれながらも、一方で少し心が温かくなるのを感じてもいた。
 じいちゃんらしいや。
 私はひとりじゃない。そう思うと、今自分の置かれた絶望的な状況も少しは楽な気分で受け入れることができそうだった。

機関紙『たいむりぃNEWS』に連載していただけることになりました!

2010年04月29日 07時34分42秒 | ニュース・報告

『「首輪」「ラーメン丼」「フライパン」「アンドロイド」「特殊部隊」「片道チケット」「ビーム」……以上すべての言葉を使って学園物の小説を書きなさい。』


……これが今回、僕に課せられた課題です。
 申し遅れました……来月から、この『たいむりぃNEWS』に「小説」を連載させて頂きます……「おっちー」と申します。お馴染みの方もいらっしゃると思いますし、はじめましての方もいらっしゃるでしょう。今後とも、お見知りおきを。よろしくお願い致します。
 来月から連載する「小説」は、「女の子」が主人公のファンタジーです。
 「魔法」が存在し、新興国の王が他国を侵略する……そんな世界で、主人公は「国立アレグラント学園」という兵士を養成する学校に編入します。
 なぜ彼女は……わざわざ山奥にある故郷の村から出てきて、首都の城下……兵士の訓練学校に入ったのか?
 また、「アレグラント学園」にはある秘密があります。その秘密とは、何なのか?
 それらの謎は、連載の中で少しずつ明かしていきたいと思います。
 来月から(?)、楽しい連載にしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。
 それでは、では、失礼いたします。

      *

 上の文章は、『たいむりぃNEWS』という施設のニュースペーパーに掲載していただけることになった連載の第1回目です。
 『たいむりぃNEWS』は月に1回発行されます。
 それに先駆けて、このブログでは連載作品を発表していきます。
 何かご意見等ありましたらコメントください。
 よろしくです。

 それでは、失礼いたします~

ようやくアクセス解析ができるようになりました。

2010年04月29日 06時46分12秒 | ニュース・報告
 昨日gooさまから質問へのお答えメールがあり、問題が解決しました。
 機能のアクセスから解析ができるようになりました。
 ありがたいです。

 でも、結局あの1日900ページビュー以上というのの謎は分からないまま……

 またああゆうコト起こってくれないかなあ~~……

『にほんブログ村』カテゴリーを変更しました。

2010年04月28日 19時51分10秒 | ニュース・報告
 お疲れ様です。

 このたび、自身の書きたい文章の種類が変わってきたことに気付き、現在加入している『にほんブログ村』のカテゴリーを「学園・青春小説」に変えました。

 今後ともお引き立てのほどをよろしくお願い申し上げます。

 ではでは、失礼いたします。

ラ研断念

2010年04月28日 08時49分55秒 | ニュース・報告
 ゴールデンウィーク明けまでおっそろしく忙しく、ラ研の投稿を断念いたしました。

 期待されていた方には申し訳ないです。

 でも、このお話はブログ上でもきっちり終わりまで掲載いたしますので、よろしくお願い致します。

 ほんとすみません。
 残念です。

 それでは、失礼いたします。

 ではでは~

ラ研投稿作品……性懲りもなくまた掲載します。

2010年04月27日 08時12分50秒 | 小説・短編つれづれ
 第一章を書き終えました。

 今、おっそろしく忙しいです。
 頭の中で、無関係な4つとか5つ以上のマルチタスクが常に回っています。

 本当は投稿する作品をブログで掲載するのはフェアじゃないし、いけないことかなあと思うんですが、なんかフィードバックが返ってこないとモチベーションが続かなそうで……

 ラ研投稿者の皆さま、本当にごめんなさい!
 このままブログ連載をさせてください!

 すみません……
 よろしくおねがいします。

 今回は、第一章を全て掲載します。


      ○


第一章 戦いの前に


 私はハヤ美という名前だ。
 いまは馬車の中――『国立アイグラント学園』という学校へ向かう途中――で薄いクッションにもたれている。
 国立アイグラント学園……そこは、アイグラント帝国の絶大なる武力を支える、優秀な兵士を育成する学校だ。
 アイグラント帝国は、その学園から輩出された兵士たちを使い、今やこの大陸を制圧し尽くそうとしていた。
 はぁ~……これから私、どうなっちゃうんだろ?
 ハヤ美は、流れゆく景色を眺めながら絶望的な気持ちに打ちひしがれていた。
 だいぶ建て物が多い風景になってきた。故郷の山村とは目に入るモノが全く違う。家や畑、工場など、人の手で築かれたものが目立つ。
「あっ」
 白い鳥が飛んできた。かわいい。
 その中の一羽がハヤ美の方にパサパサと音をたてながら向かってくる。
「あれ?」
 ハヤ美が小さく手を掲げると、白い鳥が指にとまった。
「じいちゃんかな?」
 鳥の全身から優しい光がにじみ出す。形がぼやける。
 そのまま鳥の姿は溶けたようになくなり、ハヤ美の手のひらの上に一枚の白い紙切れが残った。
「やっぱじいちゃんからだ」
 紙には文字がつづってある。なになに……

『がんばれ』

 ……それだけかいっ!
 この一言を伝えるためだけにじいちゃんはわざわざ魔法を使ったのか。ハヤ美はあきれながらも、一方で少し心が温かくなるのを感じてもいた。
 じいちゃんらしいや。
 私はひとりじゃない。そう思うと、今自分の置かれた絶望的な状況も少しは楽な気分で受け入れることができそうだった。

 馬車は、アイグラント帝国の首都に着いたようだった。
 アイグラント帝国は、軍隊を率いながら各地を制圧し続け、その度に首都を移してきた。
 ということは……首都がある場所……それはすなわち敵国との戦いの最前線を意味する。
 そう思って城下の町並みを見詰めると、人々の生活から「活気」を感じると共に、「のん気」とは無縁のピリピリとした緊張感が感じ取られるような気もする。
 この町は、いつ戦闘に巻き込まれてもおかしくない場所なのである。

 ……しばらく馬車は城下町の中心部を進む。
 子供が遊んでいた。
 走り回る子達を大人が注意する。
 石造りの建て物の軒先には、洗濯物が干してある。
 飲食店の周りにはテーブルと椅子が並んでいて、そこで食事をカッ込む人、上品にお茶を飲んでいる若い女性、仲間と談笑する人々……いろんな人達が一日の終わりを謳歌している。

 あぁ~……癒される~~~……のんびり……

 している場合じゃない!
 私は自分の置かれている状況をすっかり忘れてのん気にしていた。
 あんたも!あんたも!あんたも!……そしてこの私も!!
 これからどんな危険が身に起こるか分からないんだよ!

 ハヤ美は荷物の中から、この馬車に乗り込む際に使ったチケットを取り出した。
 手のひらの上にのっているのは大きさの違う二枚の紙切れ。
 一枚は、アレグラント学園までのチケットの半券。そしてもう一枚は学園から故郷に帰る時に使うチケットだ。
 その時、強い風が吹いた。
 石畳の路上から、砂ボコリが舞い上がる。
 それがハヤ美の目の中に入った。
「……あいたたたたたた……!!」
 ハヤ美は必死で目をこする。涙を出してホコリを目の中から流し出そうとする。

 ………

「えーん……痛かったよう」
 ようやく痛みは落ち着いたようだった。
「ん?」
 私チケットどうしたっけ?
 確かバッグから取り出して、ぼんやり眺めてて、そしたらゴミが目に入って……
 失くした? 風に飛ばされた??
 ハヤ美は慌てて馬車のシートの周りや、後ろの地面なんかを探したが、それらしきベージュ色の紙切れは落ちていなかった。
 ショック!!!

「あの……おでこに何かがついてますよ」
 えっ?
 私は慌てて自分の額に指の先を当てた。
 何度かデコを指先でこすって探す。すると、皮膚とは違う感触を得た。
 ……あっ、なんかくっ付いてる!
 よかったあ。
 汗で張り付いたそれをはがして目の前に持ってくる。
 ……半券だ。
 帰りの馬車のチケットは!?
 私はどこかにチケットが引っ掛かっていないか全身を探った。
 ……ない。
 どこにも、ない。……私は帰りのチケットを失くしたのだ。
 『恋の片道チケット』……そんなんじゃないが、私は故郷からアレグラント学園まで行くコトしかできないのか。そこから帰るコトはデキないのか。
 私のこれからの運命を暗示しているようで、寒気がした。
 恐い。
 私の、心配のし過ぎであったらどんなにいいだろうか。でもこれはきっと……思い過ごしでは、ない。
 私の運命は、あの城壁の中で私を待ち構えている。
 全然ウキウキは、しない。

      *

 馬車が去ってゆく……
 本当は私を故郷まで乗せて行って欲しい。
 おウチに帰りたい。

「……まっ、やるっきゃないか!?」
 じいちゃんの顔が頭に浮かんで、ハヤ美は早足で巨大な門をくぐった。

 ――国立アイグラント学園特殊部隊養成学校――

 それが……この学校の正式名称。
 門の横の壁に、大きな活字で刻まれていたこの学校の名前。
 ハヤ美の足は早くも震えていた。
 これからどんなことが私を待ち受けているんだろう? 私はこの『任務』を成し遂げることができるのだろうか?
 ……そして私はもう一度、ふるさとの土を踏むことができるのか!?

 壁の厚さだけの短いトンネルを抜ける直前に、視界が大きく開けた。
 そこはまるで庭園のようだった。
 緑の芝生、並んでいる樹木、それらといい色の加減で通っている土色のみち……ところどころに木製のベンチも配置されている。
 これは国立学校ってゆうより国立公園だな……
 ハヤ美は辺りを見回した。
 『庭園』を取り囲んで、石造りの建物がたっている。
 あそこが……私の入る学生寮かな?
 あっちは……戦闘理論や戦術を学ぶ教室棟かな?
 そういえば、実戦を行うコロシアムがあるとも聞いている……
 ……ハヤ美はキョロキョロして……
 ……それはどこだろう?

 おのぼりさんのようにウロチョロキョロキョロしているハヤ美の背後から、声を掛けてくる者があった。
『お前は誰だ!?』
 大きな声量でいきなりそう訊かれた。
 ハヤ美は本気で20センチほど跳び上がって驚き、そのあと恐れおののきながらゆっくりと振り向いた。
「見ない顔だな。聞いていない。お前は誰だ」
「……あなたは……?」
 堂々と言葉を続ける自分と同じ年頃の娘に向かって、ハヤ美はおずおずと弱気に訊き返した。
「ん?……ワタシはこのアイグラント学園特殊部隊養成学校――生徒副隊長の野間だ」
「私はハヤ美です」
「ハヤ美?……ああそういえばそんな新入りが来ると教官から聞いていたか」
 野間は、重そうな甲冑を軽々と着こなしている。そして左腕に、やはり重そうな兜を抱えていた。
「スゴイですね、女性なのに副隊長」
 すると野間は全く心外といった表情をした。
「なにを言ってるんだ……貴様、何も知らないようだな……」
「えっ?」
「お前、死ぬぞ。早くここから出ろ」
 切れ長の目からハヤ美に注がれる、哀れむような目線。ハヤ美は背筋がぞゾゾゾーッとした。それが野間の言葉に対する恐怖だったのか、野間の美しさ、強さに対する感動だったのかは判別ができなかった。

 野間はハヤ美の方を振り返るような迷いを一度も見せることなく、後姿のままでハヤ美のいるその場所から見えなくなった。

      *

 ハヤ美はボーっとしていた。
 私は知らないことが多すぎる。何の為にここに来たのか分からなくなってきた。
 『庭園』のベンチに座って、しばらく空を眺めた。
 恨めしいくらいの青空。いわゆる快晴。神様は私の気持ちとは同調してくれないらしい。

 そんな時、空中をケーキとティーカップが飛んでいた。

 ………

 はっ!?
 そんなわけないじゃん。
 でも確かに視界の中を、ケーキとティーカップ――おやつのティータイムセットが二組――通り過ぎようとしていた。

 よいしょっ☆

 ハヤ美はそのティータイムセットを全てキレイに受け留めた。ついでにティーポットもあったが、それもきちんと中身をこぼすことなく、受け取った。

『……イタイイタイイタイイタイ!……止まらな~い!』

 授業棟の方にあった、広くて長い階段の方向から女の子の悲鳴が聞こえた。
 そっちを見ると、長いヒラヒラのスカートをはいた女の子が、階段を縦になり横になり転がり落ちてくる。
「誰か助けて~」
 悲鳴は弱々しくなってきた。
 ハヤ美はお盆にのったおやつセットを持っている。
「どうしよう!?……あっ、あそこに!!」
 ハヤ美は手に持ったおやつセットを近くのベンチの上に丁寧に置いた。
……それから、長い階段を転がり落ち終えて倒れている女の子に、丁寧に声を掛ける。
「大丈夫ですか?」
「だいじょうぶじゃな~い!……ですぅ……あいたたた……」
「だいじょぶですか?」
「痛い!……痛いようぅ~~」
 なんとか立ち上がる女の子。
 ちっちゃい!
 ……私より20センチ以上低いぞ!
「あなた……初めて見る顔ねえ」
「ハヤ美といいます」
「私はグララン……あれっ、ケーキとお紅茶は?」
「あそこに置いときましたけど」
「あら奇跡的! こぼれてすらいないわ!」
 私のおカゲでしょう。ハヤ美は思う。
「ハヤ美さん……でよかったかしら? ありがとう」
「いえいえ」
「これでラフさんと3時のお茶が無事に飲めるわ~♪……おっと!」
 けっつまづき、ケーキ一個と紅茶一杯を落っことす。
「あらら~~」
「……」
「まあいいわ、ラフさんと半分コしよう(はぁとまぁく)」
 ハヤ美は思った……あれだけ丁寧に扱った私の努力って一体……

 ハヤ美は無事寮を見付け、自分の部屋に入った。……狭いな。まあ一人部屋だからしょうがない。
 着替えることもなく、ハヤ美はベッドにドサッと横になる。
 疲れた……
 そのままハヤ美は、明日のことを考える余裕もないままに深い眠りに落ちていった……


      ○


 以上で第一章終わりです。
 これで4千字くらい。だいたい1/4ってところでしょうか。
 本当はこれからもっとエピソード入れないと1万字まで届かないかと思ってたんですが、これで4千ですからね、メインに考えていたお話だけで1万字は軽く超えそうなことが分かりました。
 頑張ります。
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 ではでは~

ラ件投稿用作品。ほんのさわりだけ

2010年04月25日 16時48分19秒 | 小説・短編つれづれ
 ヴァッキーノさんが教えてくださった『ライトノベル作法研究所企画サイト』への投稿作品を書いています。(以下『ラ件』のホームページURL)

http://raken-kikaku.jpn.org/index.html

 僕の作品は……プロローグがあって、その後たぶん10章弱くらいで完結するかと思うんですが、今回はプロローグの後の第一章……その始めの方だけ掲載します。

 何かあったら感想等ください。

 よろしくです。

 ではでは~


      *


 私はハヤ美という名前だ。
 いまは馬車の中――『国立アイグラント学園』という学校へ向かう途中――で薄いクッションにもたれている。
 国立アイグラント学園……そこは、アイグラント帝国の絶大なる武力を支える、優秀な兵士を育成する学校だ。
 アイグラント帝国は、その学園から輩出された兵士たちを使い、今やこの大陸を制圧し尽くそうとしていた。
 はぁ~……これから私、どうなっちゃうんだろ?
 ハヤ美は、流れゆく景色を眺めながら絶望的な気持ちに打ちひしがれていた。
 だいぶ建て物が多い風景になってきた。故郷の山村とは目に入るモノが全く違う。家や、畑、工場など、人工のものが目立つ。
「あっ」
 白い鳥が飛んできた。かわいい。
 その中の一羽がハヤ美の方にパサパサと音をたてながら向かってくる。
「あれ?」
 ハヤ美が小さく手を掲げると、白い鳥が指にとまった。
「じいちゃんかな?」
 鳥の全身から優しい光がにじみ出す。形がぼやける。
 そのまま鳥の姿は溶けたようになくなり、ハヤ美の手のひらの上に一枚の白い紙切れが残った。
「やっぱじいちゃんからだ」
 紙には文字がつづってある。なになに……

『がんばれ』

 ……それだけかいっ!
 この一言を伝えるためだけにじいちゃんはわざわざ魔法を使ったのか。ハヤ美はあきれながらも、一方で少し心が温かくなるのを感じてもいた。
 じいちゃんらしいや。
 私はひとりじゃない。そう思うと、今自分の置かれた絶望的な状況も少しは楽な気分で受け入れることができそうだった。

 馬車は、アイグラント帝国の首都に着いたようだった。
 アイグラント帝国は、軍隊を率いながら各地を制圧し続け、その度に首都を移してきた。
 ということは……首都がある場所……それはすなわち敵国との戦いの最前線を意味する。
 そう思って城下の町並みを見詰めると、人々の生活から「活気」を感じると共に、「のん気」とは無縁のピリピリとした緊張感が感じ取られるような気もする。
 この町は、いつ戦闘に巻き込まれてもおかしくない場所なのである。

 ……しばらく馬車は城下町の中心部を進む。
 子供が遊んでいた。
 走り回る子達を大人が注意する。
 石造りの建て物の軒先には、洗濯物が干してある。
 飲食店の周りにはテーブルと椅子が並んでいて、そこで食事をカッ込む人、上品にお茶を飲んでいる若い女性、仲間と談笑する人々……いろんな人達が一日の終わりを謳歌している。

 あぁ~……癒される~~~……のんびり……

 している場合じゃない!
 私は自分の置かれている状況をすっかり忘れてのん気にしていた。
 あんたも!あんたも!あんたも!……そしてこの私も!!
 これからどんな危険が身に起こるか分からないんだよ!

 ハヤ美は荷物の中から、この馬車に乗り込む際に使ったチケットを取り出した。
 手のひらの上にのっているのは大きさの違う二枚の紙切れ。
 一枚は、アレグラント学園までのチケットの半券。そしてもう一枚は学園から故郷に帰る時に使うチケットだ。
 その時、強い風が吹いた。
 石畳の路上から、砂埃が舞い上がる。
 それがハヤ美の目の中に入った。
「……あいたたたたたた……!!」
 ハヤ美は必死で目をこする。涙を出して埃を目の中から流し出そうとする。

 ………

「えーん……痛かったよう」
 ようやく痛みは落ち着いたようだった。
「ん?」
 私チケットどうしたっけ?
 確かバッグから取り出して、ぼんやり眺めてて、そしたらゴミが目に入って……
 失くした? 風に飛ばされた??
 ハヤ美は慌てて馬車のシートの周りや、後ろの地面なんかを探したが、それらしきベージュ色の紙切れは落ちていなかった。
 ショック!!!

「あの……おでこに何かがついてますよ」
 えっ?
 私は慌てて自分の額に指の先を当てた。
 何度かデコを指先でこすって探す。すると、皮膚とは違う感触を得た。
 ……あっ、なんかくっ付いてる!
 汗で張り付いたそれをはがして目の前に持ってくる。
 ……半券だ。
 帰りの馬車のチケットは!?
 私はどこかにチケットが引っ掛かっていないか全身を探った。
 ……ない。
 どこにも、ない。……私は帰りのチケットを失くしたのだ。
 『恋の片道チケット』……そんなんじゃないが、私は学園に向かうコトしかできないのか。そこから帰るコトはデキないのか。
 私のこれからの運命を暗示しているようで、寒気がした。
 恐い。
 私の、心配のし過ぎであったらどんなにいいだろうか。でもこれはきっと……思い過ごしでは、ない。
 私の運命は、あの城壁の中で私を待ち構えている。
 全然ウキウキは、しない。


      *


 以上でブログでの発表は終わりになります。
 プロローグ及びこの続きは『ラ研』の企画ページ上で、よろしかったらご覧ください。
 よろしくお願い致します。

 ではでは~

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風邪をひきました。

2010年04月20日 22時09分43秒 | ニュース・報告
 あんまり長い文章は書きません。

 疲れ過ぎです。

 会社を早退してきました。

 明日も場合によっては会社を休むかもしれません。
 上司には心苦しいのですが……

 熱は無いのですが、頭がクラクラします。

 医者はあまり何も言わなかったし、まあ明日1日休めば治るってコトでしょう。

 ……てか、昨日のアクセス数「900以上」というのはどういうことでしょうか。

 恐くなったのでアクセス解析ができるgooのサービスに入りました。
 これ自体gooの陰謀だったりして……笑

 アクセス解析は明日から見られるみたいです。

 ちょっと楽しみです。

 ではでは~

ONE EYES(21)

2010年04月09日 00時25分59秒 | 小説『ONE EYES』

第6章 夢、追い駆けて(3)


 明日作る番組の構成も固まった。あとは、一応麻衣子に確認をとればいい。
 渋谷恵美はペットボトルの、半分ぬるい紅茶をひと口含むと、味わうように口腔内で転がした後飲み込んだ。
 麻衣子は思った通り、まだここに戻ってこない。時計を見ると、もうあれから一時間は経っている。
 まったくどこで何をしているんだか……
 このラジオ番組を麻衣子と一緒に作り始めた最初の日――やはり似たようなことがあって――待てど暮らせど彼女は戻ってこないのでもう家に帰ったのだろうと思い、待つのを諦めて帰宅した。
 すると次の日、麻衣子は機嫌が悪かった。
――どうして先に帰っちゃったの!? ずっと待ってたのに。
――どこで?
――屋上!
――そんなの分からないわよっ!!

 今も屋上にいるのだろうか。
 しかし恵美が探しに行っても、そこにはいなくて途方に暮れたことが何度もあった。
 どこにいるのかな……
 やっぱり……とりあえず屋上に行ってみますか――

 ――屋上には誰もいなかった。麻衣子はどこに行ったのだろう。これまでの経験から、家に帰ったということは絶対に有り得ない。この建物の敷地内のどこかに、麻衣子はいる。
 一階に降りて「庭」の辺りをきょろきょろと見回す。
 すぐに出入り口の門の前に「詩」の書かれた石碑が目に入る。
 麻衣子と恵美のこの場所を、『あおば荘』と呼ぶようになった理由がこの詩の中にある。

『あおばの山際
 浮かぶ月よ
 我らを照らして
 その姿いづ』

 麻衣子がこの詩をいたく気に入り、あまりに喜んだ様子なので、恵美が「じゃあ…この私たちの場所を“あおば荘”と呼ぶことにしよう!」と提案したのだ。
 麻衣子は恵美のネーミングセンスにイマヒトツ納得いかない様子だったが、「この『詩』の中の言葉を使ってここの名前を付ける」というアイデアには大いに賛同したらしく、なかなかの笑顔でその決定を承認した。

 どこを探しても麻衣子が見付からないので、恵美は途方に暮れていた。
 その時、背後から声が聞こえた。
「恵美ちゃん!! どこ行ってたの!?」
 振り返るとようやく見付けた……麻衣子が恵美のいる所まで走り寄ってきている。
「どこって……あんた探してたんじゃない。麻衣ちゃんこそ今まで何処に居たのよ!?」
「放送室に戻ってたよ。そしたら恵美ちゃんいないから……びっくりして」
 いつもは恵美がこの建物中麻衣子を探し回って、ようやく見付けて一緒に帰途につくのだ。
「自分から戻るなんて珍しいね。何かあった?」
「……ううん、屋上で後ろから誰かに名前を呼ばれた気がしたの。でも振り返ったら誰もいなかったから、恵美ちゃんが呼んでるのかなって思って」
「それで戻る気になったの?」
「そう」
 恵美はあきれるあまり絶句してしまった。
「……まあいいわ、もう暗くなってきたよ。帰ろう」
「でも夜になるのも遅くなったよねえ~」
「そうね」
「明日も楽しい一日だといいなあ~」
「そうだね」
「でも学校がなきゃいいのにね」
「はいはい」
 そんな会話を続けながら、二人は門をくぐり、家路へと向かった。
 そして夏が始まる。

      *

 いかがでしたか?
 ようやく物語が本格的に動き出す段階に入ってきました。
 奔放な女子高生「今井麻衣子」とちょっと陰のある女性「渋谷恵美」……不思議な関係の二人がこれから臨む現実とはどんなものなのか!?
 続きをお楽しみに~

 ……それ、でですねぇ、
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巨人のキムタクが亡くなりましたね

2010年04月07日 09時14分53秒 | ニュース・報告
 言いたいことはほとんどラジオやテレビのアナウンサーやコメンテーターが言ってくださいました。

 今はただ悲しいです。

 流れるエピソードを聴きながら泣きそうになりました。

 心からご冥福をお祈りします。

 ではでは。

重松 清

2010年04月06日 09時09分54秒 | コラム・批評・エッセイ
 今、図書館で借りてきた本を読んでいます。
 金曜日に返さなければいけないのですが、残りの頁数からすると間に合いそうです。

 重松 清『霧の中のエリカ』

 という小説です。

 はっきり言って官能小説なんですが、なかなか勉強になるし、面白い本です。

「男と女の哀しい性を描く」

 と本の裏表紙に書いてありました。

 そもそも重松清と出会ったのは映画のDVDでありました。
 大林宣彦監督の『その日の前に』という映画。
 その映画の原作を書かれていたのが重松清さんでした。
 『その日の前に』は印象が強烈で、はっきり言って感動しました。
 ストーリーの中でひとつ素晴らしい台詞があって(永作博美が言うのですが)それが今でも忘れられません。

 その影響で、図書館で文庫本を物色していた時に「重松清」の名前が目に留まったのです。

      *

 いや、本当は『ONE EYES(21)』を書こうと思ったんですけどね……家を出なきゃいけない時間まで30分ちょっとしかなかったので執筆は無理と判断し、それでも記事を更新はしたいのでこんな内容になってしまいました……

 今日も僕のつたない記事を読んでいただきありがとうございました。

 それでは、会社に行ってきます。

 ではでは~