おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
いろいろ活動してます
そのうち、みなさんにお目にかかれたらうれしいです

ぼくらの夏

2015年08月23日 22時23分16秒 | 戯曲・つれづれ
   季節は、夏

一太「そろそろかっ飛ばせよ」
次郎「えっ?」
一美「打てるもんなら打ってごらんなさい!」
次夢「おねえちゃん頑張って!」
一美「次夢、お姉ちゃん絶対勝つよ!」
一太「あんなこと言われてるぞ、次郎! 男なら、次夢の頭越すようなホームラン打ってやれ!」
次郎「でも、姉ちゃんクセ球だからなあ」
一美「男が言い訳すんな!」
次夢「そんなコトだから、美咲ちゃんにフラれるんだよ!」
次郎「なんでそんなこと知ってるんだよ!? てかそんなん関係ないじゃん、今は!」
一太「よし次郎、ここは美咲ちゃんに捧げる一打だ」
次郎「意味分かんないよ! もう忘れてよ、そんな事は!」
一美「次郎ちゃんも恋するお年頃になったんだねえ? 次夢、あとで美咲ちゃんの写メ、よろしく!」
次夢「姉ちゃん、承知しました!」
次郎「終わったことをほじくり返すなあ……」
一太「次郎、次だ次! アタマ切り替えろ!」
次郎「わかったよお 幸せ真っ只中の一美姉ちゃんの球を、僕が、打ち返す!」
一太「よし、その意気だ!」
一美「姉ちゃん昨日、フラれたんだ……」
三人「え」
一美「吉田一美、投げた~! これが最後の一球になるかあ~?」
一太「……ス、ストライックウ~!! 三振、バッター次郎アウト!」
次郎「姉ちゃんずるい」
次夢「おねえちゃん、それ本当?」
一美「子供が、大人の恋愛に口出すのは十年早い」
次郎「デマなの?」
一太「こりゃ真相はわかんねーな 踏み込むと火傷するぞ、きっと」
次夢「そっかあ~」
一美「ふふふ 兎に角、この勝負は私の勝ち さあ、掛け金徴収するよ」

丸雄とチカ子

2015年08月22日 11時45分18秒 | 戯曲・つれづれ
   男女が電柱にのぼりながら会話をしている

丸雄「チカ子さん、あなたはどうしてチカ子という名前になったんだい?」
チカ子「丸雄さん、あなたこそどうして丸雄というお名前なの?」
丸雄「どうでもいいことだよ、そんな事は」
チカ子「それは、お互い様でしょう」
丸雄「それはそうと、どうしてこんなことになったんだっけ?」
チカ子「昔の事は、忘れてしまいましたわ」
丸雄「そう。僕、もう降りてもいいかな」
チカ子「構造上、私が降りないとあなたも降りられないことになっておりますわ」
丸雄「そう。じゃあ君降りて」
チカ子「嫌ですわ」
丸雄「どうして?」
チカ子「ずっとこのままでいたいんですの」
丸雄「それは、チカ子さんからの告白と捉えていいのかな」
チカ子「恥ずかしい!」
丸雄「じゃあ、ずっとこのままでいよう」
チカ子「本当に? チカ子嬉しい!」
丸雄「雨の日も、風の日も、台風の日も、すっとこのままで」
チカ子「それは嫌だわ。丸雄さん、早々ですが離婚いたしましょう」
丸雄「それが君の本心なら」
チカ子「私、この電柱から降りたくなってしまったんですの」

こころとココロ。

2015年08月21日 22時38分01秒 | 戯曲・つれづれ
狭くて汚い部屋に、男女がいる

心「そんなん、こっ恥ずかしくて出来るワケないじゃん!」
真「そうかなあ。俺を愛してるんなら、喜んでするでしょ」
心「しん、アンタってあたしのコトなんにもわかってないね」
真「しん、俺はお前の事をわからない」
心「そうだね!」
真「でもさ、それってしんにとっても画期的なコトなんじゃね?」
心「画期的ってなにさ、画期的って」
真「ステキだってこと」
心「どこが! アンタと話してると、心が荒んでいくわ」
真「ごめんなさい」
心「どういたしまして。素直で苛立つう~っ!」
真「どうでもいいけど、なんでお前、俺の部屋にいるの?」
心「あなたのことが好きだから」
真「あ、ハートがひとつ飛んだ。私はあなたがキライ」
心「どっひゃ~。新婚一ヵ月目の、どっひゃ~」
真「真理ってそんなもんだよ」
心「それどういうコト!? どっひゃ~が、真理!?」
真「そっちなん? お前臭いよ」
心「あんたも臭いよ」
真「お互い風呂入ってねーもんな」
心「入る?」
真「一緒に入るか」
心「絶対嫌」
真「なんで?」
心「アタシ、あなたのことが大っ嫌いなの」