おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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そのうち、みなさんにお目にかかれたらうれしいです

戯曲『ONE EYES』第2場 大切な場所

2007年10月21日 15時41分52秒 | 戯曲・戯小説『ONE EYES』
    慎平と将が入場してくる。
    2人はさしてきた傘をたたむ。
    将は立ち止まり、慎平の方を向き、

将  「ここが僕の場所だ」

    と言う。

慎平 「なんで俺もここまで付いてきたんだろうな」

    慎平はひとりごつ。

    将はドアを外側に開け、中に入る。
    慎平も続いて入る。

    舞台に田中みどりが入ってくる。

みどり「あら、」
将  「こんちは」
みどり「今日は。」
慎平 「こんにちは~」
みどり「あら?」
将  「(みどりに)慎平くん」
みどり「今日は」
慎平 「どうも」
みどり「(将に)お友達?」
将  「美術展で知り合ったんだ」
みどり「へえ~」
慎平 「まあそんなところです」
みどり「?」
慎平 「(将に)ここどこなの?」
みどり「??」
将  「僕の教室」
慎平 「なんの教室?」

    慎平は少しイライラ。

将  「絵画教室」
慎平 「(感心したように(?))はあ~(?)」
みどり「ここは山岸先生の教室よ」
将  「わかってます」
みどり「あと愛菜さんの」
皆神 「あの~…」

    皆神祐樹が首だけ出している。

みどり「はいっ?」
皆神 「みどりちゃん、」
みどり「なんですか、皆神さん?」
皆神 「コピー機借りていい?」
みどり「はい、もちろんいいですよ」
皆神 「すいません…」
将  「皆神さん、人見知りなんだから。入ってきていいですよ」
皆神 「いや、」
慎平 「(皆神に)どうも、」
皆神 「そういう訳では…(慎平に)あ、初めまして」
慎平 「はじめまして」
皆神 「皆神です」
慎平 「慎平です」
みどり「なに、慎平さんなんですか?」
慎平 「え」
みどり「名字は?」
慎平 「…」
将  「教えてくれないんだよね」
みどり「え~、何でですかぁ~?」
慎平 「(みどりに)キミ、名前なんていうん?」
みどり「あ、ごまかした。まあいいや、田中みどりです」
皆神 「私、(名前)呼んでましたよね」
みどり「皆神さん、入ってきてください、コピー機こちらです、分かりますよね」
皆神 「ハイハイわかります」

    皆神がみどりに促され、入ってくる。
    皆神は後ろを向き、コピーを取り始める。
    皆神が入ってくる途中で、

慎平 「ところで俺、ここに何しに来たんだ?」
みどり「聞いてどうするんですか。将くん友達なんでしょ?」
将  「あぁー」
みどり「違うの?」
将  「いや、友達」
慎平 「(俺は)よくわかってないぞ」
みどり「そうなの?」
慎平 「将くんに聞いて」
みどり「?」
将  「僕が慎平くんをここに連れてきたのは、」
修  「ウィーッス!」

    市川修、ドアを開けて入ってくる。

みどり「あらこんにちは」
慎平 「あぁ~~っっ!!」
修  「ええ~~ッッ!?」
慎平 「修ぅーっ!」
修  「慎んーっ!」

    慎平と修は両手でハイタッチをし、握手して再会を喜んでいる。

みどり「なになに??」
将  「……」

    将は少し不機嫌そう。

慎平 「ひっさし振り!どうしてた?っていうかどうしてここに?」
修  「俺のセリフだって、それ。何で慎がここにいる訳?見学?もしかして。ここに入るの?」

    その間にコピーをし終えた皆神が退場。

慎平 「違う、そこの彼に連れて来られたんだよ。訳も分からず」
修  「へ?将さん?」
将  「まあな」
修  「まあいいや、久しぶりだもんなあ。向こうで話そうぜ」
慎平 「あ、ああ」

    慎平と修は奥に行きかける。

将  「ちょっと待て。話がまだ終わってない」
修  「あぁ、そうなの?じゃあ済ませてよ」

    将は慎平に歩み寄る。

将  「慎平くん、今度、日本中の絵描きが出品する大規模な絵画コンクールがあるんだ」
慎平 「?うん」
将  「君も出してみよう」
慎平 「はあ?」
将  「何とかなる、その面構えなら」
慎平 「顔、褒められてるのか?」
修  「多分な」
慎平 「なんだかなあ」
将  「決まりな」
慎平 「えっ?」
みどり「こういう人なの、将くんって。慎平くん、悪く思わないでね」
慎平 「悪くは思わないけど、びっくりする」
将  「(みどりに)そういう訳で、彼は今日からここの生徒ね」
慎平 「え?」
修  「いいじゃんいいじゃん、そのほうが楽しいし」
慎平 「えぇ~っ!?」
みどり「あっ…入会されますか?」
慎平 「ええっ?」
将  「入りなさい」
修  「入っちゃえよ、慎」
慎平 「でも料金とかは?」

    みどりパンフを取り出し、

みどり「将くんと修くんの紹介ということなら、これくらいになりますよ」
慎平 「あぁ~~…」
修  「高くないだろ?」
慎平 「まあこれなら」
修  「よし、決まりっ」
慎平 「いいのかなぁ?」
将  「いいんだよ」
修  「良かったじゃん」
慎平 「そうか?」
修  「久しぶりに遊ぼうぜ」
将  「慎くんは遊びに来たわけじゃない」
修  「そうなん?遊びに来たんじゃないの?」
将  「違う」
修  「まあいいよ、話は終わったんでしょ?奥で話せる部屋があるから」
慎平 「ん」
修  「高校卒業以来だよね、何してたー……」

    慎平・修は退場。

みどり「残念、取られちゃったね」
将  「別に…」
みどり「強がってる」
将  「うるさいな」

    将は奥のアトリエに行ってしまう。退場。

みどり「また絵に逃げるの――?」

    ひとり取り残されたみどり。

みどり「苦しいな…」

    みどりは溜め息ひとつ。

    気を取り直して、そこにあるパソコンの画面に向かう。
    キーボード・マウスを扱いインターネットをしている。

みどり「パシオン365にこんな番組登録されてたんだ~。『サンライツ・セッティング』?聞いた事ない番組名だな…聴いてみるか」

    音楽が流れ始め、DJのトークが聞こえてくる。
    若い女の子の声。

インターネットラジオの声「こんにちは~!サンライツ・セッティングを聞いてくれてありがとう!ナビゲーターの今井麻衣子です」
みどり「イマイマイコ……マイマイ…」
麻衣子「この番組も始まってから1ヶ月。ようやくリスナーの皆さんからメールなどが届くようになり、ほんとナビゲーターやって良かったと思う毎日。ウルウルです。感動です。その中から厳選してメールご紹介しますね。でも皆さんからいただいたメールは全てこの私が読んでますから。信じていてくださいね。今日読めなかったメールは、いつかまた機会があったら紹介したいと思っています。ではその前にオープニングナンバーはこの曲から。『○○○で、○○○○』」

    ノリのいい曲が流れ始める。
    ちなみにこの曲は、今井麻衣子が渋谷恵美と相談して、番組で流すと決めたものである。

みどり「あ、この曲好き」

    みどりはしばらくそのままで音楽を聴いている。
    するとドアをノックする音がする。

みどり「はーい、」

    みどりは中腰。ほんとは聴いていたい。
    再びノックの音。

みどり「はい」

    みどりは立ち上がり、出入り口に向かう。
    コンコンコン…みたびノックの音。
    音楽はいつのまにか消える。

みどり「はい、どなたでしょう?」

    みどりはドアを開ける。
    するとドアのすぐ前に立っていた路也徹の頭に、ドアが「ゴツン!」と当たる。

徹  「痛ぁッ!」
みどり「あっ、すみません」
徹  「このドア、こっちに開くんだ…」
みどり「大丈夫ですか?この建物古いから…」
徹  「いや、大丈夫…」
みどり「ごめんなさい」
矢崎 「こちらに、水原将という男はいるかな?」
みどり「はいっ?あ…はい、居ますけど」

    矢崎義隆と徹は眼鏡(サングラス?)に帽子といういでたちで、顔があまりよく判別できない。

矢崎 「ちょっと失礼させてもらう」
みどり「あのっ、どちら様ですか?」
徹  「ちょっとで済むんで」
みどり「あっ、あのっ」

    矢崎と徹は、中にドカドカと遠慮なく入ってくる。

矢崎 「こっちか?」
みどり「あ、はい、そうですけど」

    矢崎は奥(袖?)へと退場。

徹  「すぐ済みますからね~」

    徹も矢崎のあとにすぐ続いて奥へ。
    みどりに手を振ったりなどしつつ、退場。

みどり「……誰?……あっ、……」

    みどりはこのとき何かを思い出したが、それが何だったのかすぐに分からなくなってしまう。

みどり「…何だっけ?……まいっか。…将くんの友達なら大丈夫(?)…でしょ」

    みどりは再びパソコンに向かう。
    鼻歌など歌いつつ。

みどり「ブログの更新でもしようかな…と」

    またキーボードとマウスを使い、インターネットをするみどり。

みどり「…あ、慎平くんのこと書こう」

    みどりはキーボードを打つ。

みどり「…今日、うちの絵画教室に新しい生徒さんがやって来ました。S君とでもしておこうかな。元々うちの生徒だったO君と親友だったらしく、大盛り上がりでした。O君、大人しくてどちらかというと目立たない人だと思っていたのに、あんなにテンション高いところを見るのは初めてで、意外でした。S君は、なかなか面白いヤツです。でもちょっと遊んでる風。ちょっといいかな、とも思うけれど、私の想いは一途なので揺らぎもしません」

    キーボードを打つ手を休め、

みどり「これくらい書いちゃったほうが面白いっと」

    いつの間にか、みどりの後ろには皆神がいる。

皆神 「みどりちゃん?」
みどり「はいっ!!?」

    みどりは、飛び上がらんばかりに驚く。

皆神 「ごめん、驚かすつもりはなかったんだけど、」
みどり「あ~、びっくりしたぁ~…(皆神に)大丈夫、皆神さん、なんですか?」

    みどりは立ち上がって皆神の視界をふさぎ、パソコンの画面が見えないようにする。

皆神 「いや、……何してるの?」
みどり「あぁ、ブログ書いてたんです。パソコンで」
皆神 「ブログ?」
みどり「インターネット上に書き込める日記みたいなものです」
皆神 「いや、知ってる。私も持ってるから。ブログのページ」
みどり「そうなんですか!?知らなかったなあ。教えてくださいよ。なんてタイトルですか?」
皆神 「いや、恥ずかしい」
みどり「いやいやネットで公開してるんだから今さら」
皆神 「そうか。いや~…えっとね…」
みどり「はい」

    みどりは皆神を見つめる。

皆神 「いやいやいやいや恥ずかしい!」
みどり「そうですかぁ?じゃあいいです」
皆神 「いやそんなに見つめられると…」
みどり「え?」

    みどりは皆神の顔を眺める。

皆神 「いや、…『カミカミのペンシルノート』という…」
みどり「へえっ、面白い題名ですね」
皆神 「いや、皆神のカミを取って…」
みどり「はい、分かりますよ」
皆神 「いややっぱり恥ずかしかった!」
みどり「これからもっと恥ずかしいですよ。検索して見ちゃうもんねー。皆神さんのブログ」
皆神 「ええーっ!」
みどり「『カミカミのペンシルノート』……あった!」
皆神 「あらららら」

    なんか皆神さん、嬉しそうにも見えるぞ。

みどり「…へえ~~っ……ふぅ~ん……」

    みどりは興味深そうに皆神のブログを読んでいる。

皆神 「……なにか感想などあれば」
みどり「皆神さんらしい」
皆神 「はい、」
みどり「面白かった」
皆神 「ありがとうございます」
みどり「どういたしまして」
皆神 「……みどりちゃん、」
みどり「はい?」
矢崎 「失礼」

    矢崎と徹が、奥から戻って出てくる。

徹  「みどりちゃん、まったね~!」

    矢崎と徹、そのまま表に出て、退場。

皆神 「なんですか、あいつら?柄悪いな」
みどり「……」

    みどりはじっと矢崎たちが出て行ったドアの方を見詰めている。

皆神 「みどりちゃん、どうしたの?」
みどり「……私、やっぱり昔、あの人に会ってる気がする…」
皆神 「えっ?あの人って今の?…あの柄悪い?」

    みどりは我に帰り、焦って皆神に向き直る。

みどり「あっ、いや違います!今私なにか言いました?白昼夢!?ちょっとボーっとしてたんです。忘れてください!」
皆神 「えっ?あっ、そう?…ならいいけど…」
みどり「ごめんなさーい」
皆神 「…」

    将が入ってくる。

将  「なんだかうるさいな。何の騒ぎだ?」
みどり「あっ将くん、今の人たち誰?」
将  「あぁ、」

    少し間。

将  「知り合い。」
みどり「そう、…わかった」

    変な間。

皆神 「…あっ、水原君、水原君もブログやってる?」
将  「えっ、やってますよ」
みどり「そうなの!?」
将  「なに?」
みどり「アドレス教えて」
将  「秘密」
みどり「なによケチー~」
将  「なんだよケチって」
みどり「ケチはケチじゃん」
将  「僕ちょっと出てくるね」
みどり「えっ?何で?」
将  「何でってそのつもりで出て来たんだから」
みどり「そう…」
将  「じゃ、」

    将、ドアから出て行き、退場。
    見送るみどりと皆神。

みどり「……」
皆神 「なんか怪しいなあ」
みどり「何がですか?皆神さん」
皆神 「あの柄悪い奴らと水原君、なんか怪しい」
みどり「どういう意味ですか?」
皆神 「いや分からない、勘だけどね。私のカン鈍いから、気にしないで」
みどり「そう言われると気になりますね」
皆神 「気にしてくれる?」
みどり「いや、それほど」

    皆神ずっこける。

みどり「冗談ですよ、皆神さん。だから気にしませんし、気にしないで」
皆神 「えぇ?」
みどり「(小さな声でつぶやく)お願いします……」
皆神 「…?(よく聞こえない)」

    慎平と修が入ってくる。

修  「なになに何の話?」

    みどりはハッとする。

皆神 「自分のブログ持ってるかって話だよ」
慎平 「えぇ?」
みどり「修くんはブログやってる?」
修  「やってるよ」
みどり「そうなんだ。じゃあ慎平くんは?」
慎平 「何ですかブログって?」

    本気の慎平。
    皆コケたり困ったりする。

修  「お前ほんとにブログ知らないの?」
慎平 「ああ」
修  「それはすごいよ!」
慎平 「スゴイか?」
みどり「ブログってね、ネット上で公開できる日記みたいなもので、」
慎平 「えっ、日記を公開するの?」
修  「そうだよ」
慎平 「恥ずかしくねー?それ」
皆神 「改めて考えるとまあ」
みどり「恥ずかしいって言えば恥ずかしいかもね」
慎平 「そうだろ?なんでそんなことすんのさ?」
修  「慎もやってみろって、面白いから」
みどり「コメントとか返ってくると楽しいよ」
慎平 「そうなのかぁ~?俺にはよく分からん!」
皆神 「誰でも簡単に始められますから」
修  「そうそう、やってみな」
慎平 「うーん…考えとく」
修  「始めたらアドレス教えろよな」
慎平 「お前には絶対教えない」
修  「あん?」

    みどりと皆神は笑っている。

修  「で、お前ほんとに絵画コンクールに出品するのか?」
慎平 「…うん、ちょっとやる気になってきた」
修  「ほんとかよ?俺だって迷ってるのに」
みどり「そうなの?迷うことないよ、チャレンジチャレンジ」
皆神 「そうだよ。迷う必要はない」
修  「そういう皆神さんは?」
皆神 「…まだ未定」
修  「何ですかそれ?」
慎平 「みどりさんは描かないの?」
みどり「私は全然!ただのスタッフだし、絵なんてヘタもどヘタですから」
慎平 「そうなんだ~、でも俺の方が下手だと思いますよ」
みどり「そんなことないって!ぜんぜん上手いはず」
慎平 「じゃあ今度見せ合いましょう」
みどり「やだ~~っ。描いたことないもん」
皆神 「描いてみたら上手いんじゃないの?」
みどり「いや絶対ヘタです。描かなくてもわかる」
修  「高校の頃の美術の成績は?」
みどり「確か“頑張りましょう”」
修  「あー…いや、5段階とか10段階で」
みどり「忘れちゃった。うふ」

    皆神さん可愛いとか思ってるぞ、絶対。

慎平 「俺4だったな」
修  「5段階で?」
慎平 「お前知ってるじゃん、10段階」
みどり「(慎平に)それでなんで絵を描こうと思ったの?」
慎平 「あんたに言われたくないよ!」
みどり「あっそう…ごめんなさ~い」
皆神 「修くんは?」
修  「はい?」
皆神 「成績」
修  「あぁ、8か9くらいだったと思いますよ」
みどり「じゃあ結構いいわね」
慎平 「だからあんたがゆうな!」
みどり「は~い」
慎平 「あ、…俺も言えないか…(低い声色で)」

    照明が変化する。
    慎平とパソコンだけが見えている。
    パソコンの前に座る慎平。
    キーボードを打つ。
    打ちながら、

慎平 「本当になんで付いて行ったんだろう……将の奴…あ、S.M.の奴か、修正…えっ、SM?あいつSMかぁ……まいっかこのままで、…なんで付いて行ったのか、S.M.に…解らない。けどあのままあいつを1人で帰したら奴が死ぬほど傷付くような気がしたんだ。考えると変な話だけど。あいつの目がそんな色を放っていた。あいつは重要なことを俺に話さないで隠している気がする。それが何かは判らないけれど、それは簡単なことじゃない。なにか複雑な事情なのだろう。それについては、これから、あいつが話してくれるのを待とうと思う」



 すみません、長くて(-_-;

 久々のONE EYESです。

 今回のシーンは顔見せですね。
 こんな人が出てきますよー、という人物紹介。
 チラリと人間関係(色恋関係?)も触れておいて、この先につながっていきます。

 なんとか読み易いホームページ上で発表したいと思ってはいるのですが、なかなかHP作るというのは大変なことで……
 頑張りまーす

エホバの証人がやって来た。~真相

2007年10月20日 23時43分26秒 | 日々つれづれ
 エホバの証人さん、実は先週ウチにいらしてたらしい。。。

 そういえば一度、インターホンのチャイムが鳴ったので画面を見てみたら、画面から女の人が外れていくのが見えたことがあった。

 実はその時、父方の伯父が偶然そこにいて、応対したらしいのだ。

 父方の家系は短気で怒りっぽい。
 宗教関係の勧誘だと悟った伯父は、すごい剣幕でおば様たちを追い払ったそうな。

 おば様たちかわいそ。

 でも僕は助けられたのかもしれないなあ。

 なので、というわけではないが、今晩、伯父に僕があげたMP3プレイヤーの使い方を教えてあげた。
 貰ったはいいが、曲の入れ方がわからなかったらしい。説明書の存在には気づかなかったんだろうな、たぶん。数日前に教えて欲しいと依頼があったのだ。

 ついでにパソコンの基本的な使い方というか、考え方も少々教えてさしあげた。

 僕は基本的に教え好き。なのだ。

廻り道

2007年10月13日 01時07分53秒 | 文章塾
 箱の中に生き者がいた。外には出られない。
 行きたい所に移動するには、垂直な面に体重を掛けて、ガタン、ガタンと転がしていくしかない。

 生き者は旅行マニアだった。
 乗り物に乗る時、段差を登るのに苦労した。ダイヤを乱したのは一度や二度ではない。
 階段を降りる時はもっと苦労した。降りるというよりガタガタガターッと落ちる感じで酷い事になる。どこかしらに怪我をした。箱の中は暗いので何処にどれ位の怪我をしたのかよく判らない。ある部位に怪我をして、それが治り、またどこかに怪我をした。

 生き者は創造主に願った。
『この箱が玉であったらどんなに良い事か』
 移動するのに苦労せず、こんなに怪我をする事もない。
 祈りはすぐに叶えられ、生き者は玉の主となった。
 生き者が歩けば、それは移動になった。快適な事だった。
 それから、生き者はあちこち散歩に出歩いた。以前では考えられない事だった。鼻歌交じりに生き者は歩く歩く。
 ところが困った事が起きた。今度は停まっていられないのだ。風が吹けば煽られ、坂では立っていられない。
 バス停が坂道にあるときは本当に困った。列に並んで待てないのだ。上の方に体重を掛けても、いつの間にかジリジリと下がってしまう。玉の後ろに並ぶ人も困り顔。
 なんとかバスに乗り込み、目的地で降りた。忘れていた。そこは急な坂道だったのだ。
 ものすごい勢いで玉は坂を降っていく。もうどうにもならない。運を天に任せた。
 しかしそれは味方しなかった。その先は崖で、更にその下は高速道路の真ん中だった。
 玉は猛スピードで走る車にはねられ、生き者は意識を失った。

 ……気が付くと空が見えた。初めて見る空。ここは天国か?
 生き者は箱の中に居た。開放されることはなかったのだ。
 しかし、それは透明な箱だった。
 見回した。始めて見る周りの景色。角があることはもう、問題にならなかった。いや、既に、それには意味があることが解っていた。
 生き者は生まれ変わったのだった。



 いまさらですが第19回文章塾、お題「箱」における僕の作品を再発表します。

 文章塾生の皆さんから寄せていただいたコメントと、僕の返答はこちらから。

エホバの証人がやってきた。~その後

2007年10月13日 00時58分43秒 | 日々つれづれ
 エホバの証人さんに頂いた本をパラパラと読み終えました。

 感想としては、「ちょっとうさん臭い」。

 理由はいろいろあるけれど、一番は人間の性質を無視してるような気がすること、かな。
 理想論ですよ、これは。現実を直視していないで書いてある部分が多々ある。

 こうはいかないと思います。
 おさかさんがコメントでおっしゃっていた、「戯言」ってこういうことかな、と思いました。

 最初読んだ時は目新しい視点で、面白いな、と思ったんですがね(苦笑)

 「真理」みたいなものは自分で地道にみつけていくしかないようです。
 その過程が面白いんでねえ(笑)


 それにしてもエホバの証人さん、来ませんね。
 あれから2週間が過ぎましたが、いらっしゃる気配なし。
 もうあきらめたんだろか。

 前回いらした時に、
「聖書って今は漫画にもなってますよね、ああいうのもいいと思うなあ」
 などと思ったままを口にしまくったので、手に負えないと思われたのだろうか(笑)だったら愉快。

 前回の記事の中で、女性が2人立っていた、と書いたと思うんですが、おば様と、もうひとりが若い女性だったんですね、20代前半くらいかなあ。

 その人はおば様と僕がしゃべってる間中、じっと何も言わずに立ってました。
 時々目の前を飛び回る虫をはらったりしてました。

 僕はあの時、その若い女性が何を思って一緒に居たのかを知りたいですね。

 彼女は、何の為にあそこにいたのだろう。
 数十分の間、一言も発しなかったあの子は。

 みんなが幸せになれるといいなあ。

エホバの証人がやって来た。

2007年10月05日 19時07分41秒 | 日々つれづれ
 先週末の夕方、家を出ると、門の前におばさんが、若い女性と一緒に立っていた。

 ドアホンを押すところだったらしく、僕を見ると、綺麗だがちょっと“あやうい”笑顔で頭を下げた。
 すると僕も
「今日は」
 と挨拶する。

 実は、この2人は以前にも家に来ていた。
 その時は僕がインターホン越しに対応し、彼女達は
「パンフレットを置いていきます」
 と言い残して去った。

 けれども僕がそのパンフレットを見ることはなかった。
 どこかにいってしまったのである。
 「どこかにいってしまった」というのもあやうい話だが、本当にそうなんだから他に書きようがない。

 僕は哲学とか、様々な思想に関する話が好きである。
 なのでどうも宗教関係のパンフらしいそれも、気になっていて後で目を通そうと思っていた。

 母親に訊いた。
「ポストになんか入ってなかった?」
 それらしいものは入っていなかったらしい。どこにいったんだろう?

 まあ、この話を続けても仕方ないので、このへんで打ち切ることにする。

「すみません、頂いたパンフ読んでないんですよ。どこかにいってしまって」
「たぶんご家族の方が……?」
「そうなのかな~、失くなってしまったんですよね」
「……(笑顔)」

 話を聞いてみると、そのおば様は「エホバの王国を告げ知らせる」というエホバの証人の関係の方で、「エホバの王国」というのは、ようは「楽園」「パラダイス」のようなもので、それが現実にやって来るというのである。

 あまり話は信じられない。
「きっと信じられないと思われるでしょうが……」
 はい、信じられません!(笑)
 僕にとってはノストラダムスの大予言のようなものである。
 あれだって結構信じてたのに実際は何もなかった。それなのに、老人は若返り、目の悪い人もいない、豊かな食べ物と動物、自然に囲まれた楽園、というものが実際にやって来るとは思えない。

「亡くなった後の世界というなら解りますが……」
「その(実際にやって来るという)証拠を見つけていけば、信じられますよね」
「う~~ん……」

 それでも信じられない。そりゃそうだ。普通はそうだ。

 善意的に考えるなら、なにか自分と世界の「真理」みたいなものがあって、そこまで「悟りを得る」ための、方向付けみたいな考え方、というならなんとか理解できる。

 しかし、基本的に「思想」好きなのである。
 貰った本を読んでいる。面白い。「聖書は実際に何を教えていますか」という題名である。
 刺激的。聖書は元から興味があって、いつかきちんと読みたいな、と思っていた。
 でもひとりで読むのは難しい。経典を独力で読むよりマシだが、それに近いものがある。
 いい機会かもしれないなあ……とも思ってしまう。
 でも危ないかなあ。宗教がらみの話題ってろくなことを聞かない。
 お金のことについて、そのおば様に不安を話したら、
「私がお金の話をしたらそこで(関係を)切ってもらって結構ですよ」
 とは言っていた。

 でもおば様は純粋な気持ちでやっていて、罪は無くても、その後ろにある組織が怖いという気がする。
 僕は基本的に気が弱いので、おば様に悪いなと思って、判断をし損なってしまう危険もある。

 う~~~ん、、、

 困った。2人は、次の週の金曜日か土曜の夕方にまた来ると言って去った。
 それを断れなかった。僕は他人に調子がいいのだ。
 つまりは今日明日に現われるはずなのである。
 今日はもう遅いので、明日の夕方か。

 そこで一緒に聖書についての語り合いをするのである。

 どうしよ。
 深入りすると怖いかなー

 どうしよう~~~~、、、?????!!!



 さてさて、今日は久しぶりの更新。次の更新はいつになることやら……(苦笑)