おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
いろいろ活動してます
そのうち、みなさんにお目にかかれたらうれしいです

紫桜舞い散る時

2011年05月31日 08時13分07秒 | 演劇・舞台照明
 一昨日、オフィス櫻華プロデュースの『紫桜舞い散る時』という芝居を観に行きました。
 路上演劇祭で知り合った、年代果林さんという方が出演されるという事で伺ったんですが、なんというか、志、というか、この劇団が目指している方向性をいたく気に入り、この劇団にさっそく関わることにしました!
 でも、向こうがうんと言ってくれなきゃ関われない訳で、まだどうなるかは分からんのですが。
 とにかく、これからオフィスワークと演劇等の活動と、あとまだ細かく書けばいろいろあるのですが、その二本柱で頑張りまーす!!
 応援よろしくお願いします。^^

 昨日はオフィス櫻華の、その芝居のバラシ(撤去して原状復帰させる作業)を手伝いに行きましたよ。
 舞監さんと、装置さんが雇われさんらしく、少し殺気立ってらっしゃいましたが、でも良かったです。^^
 なにしろ今回オフィス櫻華さんが公演を行われた劇場は、私も以前(相当前ですが)何度か使ったことのある劇場でして、懐かしかったです~。
 でも設備が前より比べ物にならないくらい整っていて、びっくりしました。
 ああ~~~あそこで、せめて、照明をやってみたい!!
 出来たら、自分で作演の芝居をうってみたいなあ~(遠い目)
 頑張りまっす。やっちゃいまっすう。
 ではでは~

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その9

2011年05月29日 08時43分55秒 | SUKYSH CLOUD
○村はずれにある森の入り口

キロ「ここです……もうしばらく経つと始まるかな」
ライタ「わくわくしてきたあーっ!」
ボイスカ「………」
バルシア「……それにしても、綺麗な夕日ねえ……」
キロ「……あっ、そろそろです!」

  キロのセリフが終わらない内に、あたりに突風が吹き上げた。

バルシア「わっ……なにこの風……」
キロ「西の山から吹き下ろす突風です。いつもこの時期、この時間に
  なると吹くんです。そして険しい山から吹きつけられるこの突風
  は、(以下略^^)」

キロ「……こんな事が起こるんです」

  いつの間にかライタ達の周りにも、見物人が現れていた。

見物人1「綺麗だなあ……」
見物人2「ほんとに綺麗……」
見物人3「……うっとりしちゃう」
見物人4「そんな……君の方が綺麗さ」
ライタ「こんなとこで女口説くなあーっ!」
見物人4「こんな美しいシチュエーションでいいムードにならない方
    がおかしい」
ライタ「はいはい……あなたは退場して下さい」

  不平不満の叫びの中、見物人4、退場。

バルシア「それにしてもほんとに綺麗ね」
ボイスカ「なるほどな……これが『太陽の降る村』の正体とは……ラ
    イタのやつはどう考えてるかな?」
ライタ「綺麗ですよ……とても綺麗だけど、おれの期待してたのとは
   違うっ!」
キロ「ライタさん、何をお探しだったんですか?」
ライタ「それはまだ言えないっ! だけどこれは俺が求めていたもの
   とは違うっ!」
キロ「そうですか。それは残念です」
バルシア「ライタ君、ライタ君が求めていたものとは違うかも知れな
    いけれど、こんな綺麗なものはめったにお目にかかれないよ。
    エンシェントドラゴンの私でさえ感動してるんだから。だか
    ら、目に焼き付けておこうね」
ライタ「バルシアさん…… 分かりました。一生の想い出に、目に焼
   き付けておこうと思います」

  皆、『太陽の降る』さまに、しばし見入る。
  しばらくして、

ライタ「あぁ……夕日が沈んでゆく……」
バルシア「風も止んできたみたいだし、そろそろお開きかな」
キロ「そうですね。家に帰りますか」
ボイスカ「おじいさんの様子、気になるの」
キロ「そうですね。そろそろ起きてる頃かも知れない」

○夜・キロの家
  ライタ達が帰ると、家のランタンがついていた。

キロ「あっ、おじいちゃん、やっぱり起きてたんだ」

  家の中に入ると、いいにおいがライタ達の鼻腔をくすぐった。
  どうやら、夕食の支度が整っているようだった。

キロ「おじいちゃん?」
キロの祖父「やあキロ、お帰り」
キロ「何やってるのおじいちゃん! 食事なんて私が作るって!」
キロの祖父「いやぁ、目が覚めたら身体に力がみなぎっての。何かせ
     ずにはおらなんだ」
キロ「それにしたって……」
バルシア「……あっ、ちゃんと人数分作ってありますね。私たちのこ
    と、知っていたんですか?」
キロの祖父「話し声で、お客さんが三人来ていたのは知っていたよ」
ライタ「キロちゃん、有り難くごちそうになろうぜ」
キロ「……まあ……そうね……おじいちゃん、もう病気じゃないんだ
  しね……そう目くじら立てることもないか…… でもおじいちゃ
  ん、まだ治りたてなんだから、くれぐれも無理はしないでね」
キロの祖父「分かった。肝に銘じておくよ」

  それぞれ食卓に着く。

ライタ「それじゃあ……いっただっきまーす!」
バルシア「……あら美味しい」
ボイスカ「おじいさん、いい腕ですな」
キロの祖父「な~に、昔取ったきねづかですじゃ」
キロ「おじいちゃん、昔はプロのコックだったこともあるのよ」
ライタ「錠前開けの腕もプロ級で、料理の腕もプロって……おじいさ
   ん、昔はどんな人だったんだ?」
キロの祖父「昔の話はしだすと長くなりますじゃ」

  おじいさんに向かって、キロの表情が急に真剣になる。

キロ「……おじいちゃん、相談があるの」
キロの祖父「ああ、いいよ。行っておいで」
キロ「えっ?」
キロの祖父「話は昨日の朝に聞いた。この方々の旅に同行するんじゃ
     ろう? 守護霊からの御神託じゃあ仕方あるまい。わしの
     ことは心配せずに、行っておいで」
キロ「おじいちゃん……」

  キロは涙ぐんでいる。

キロ「でもおじいちゃん、本当に大丈夫? もう元気? 私がいなく
  なっても……大丈夫かなあ?」
キロの祖父「大丈夫じゃよ。あの薬の効き目はお前が一番よく知って
     おろう。薬のおかげで、今はピンピンじゃ」
キロ「そっか……分かった。もう心配しない。でも明日一日は一緒に
  いさせて? 本当に治ったのか確かめたいの。皆さん、勝手を言
  って申し訳ありません。出発が遅れてしまいますけど、大丈夫で
  しょうか」
ボイスカ「わしは問題ないがの」
ライタ「俺も」
バルシア「私も大丈夫。それよりもっと……一週間くらい……おじい
    さんの側にいてもいいのよ。それくらい待てるわよねえ、ラ
    イタ君?」
ライタ「えっ、バルシアさんがそう言うなら」
キロ「そこまで甘えるわけにはいきません。でも……ちょっと甘えて、
  三日間に延ばしてもいいですか? やっぱりちょっと名残惜しい
  んで」
バルシア「いいわよ。ねっ?」
ライタ「あっ、ああ」
ボイスカ「わしも異存はない」
キロ「……皆さんすいません。ご厚意に甘えてしまいます。……せめ
  て食事だけでも、楽しんでください。元プロとその孫が皆さんを
  おもてなしします」
ボイスカ「それでは楽しませて頂こうかな」
バルシア「わぁー、楽しみ」

  そしてその夜は更けていき、
  あっという間に時は流れ、
  それから四日目の朝になった。
○キロの家・前

キロ「じゃあおじいちゃん元気でね。歳なんだから無理しないでね。
  それから……」
キロの祖父「いいから。わしのことは心配せんで、行っておいで。そ
     して自分の役目を終えたら、帰っておいで。それまで待っ
     ているから」
キロ「おじいちゃん!」

  キロは祖父に抱きついた。

バルシア「……キロちゃん、しつこいようだけど、無理しなくていい
    んだよ? このままおじいさんと幸せに暮らした方が、キロ
    ちゃんにとってはいいのかも知れないよ?」
キロ「……いえ、大丈夫です。心配には及びません。決めたことです
  から。最初っから迷いはありません」
ボイスカ「そうか……ならそろそろ出発するぞ」
キロ「はいっ」

  四人になったパーティーは、再び旅に出発した。

○ファーネスの村の外れ

バルシア「これで村とも長い間お別れだね。思い残すことはない?」
キロ「はい。三日の間に友達にも旅立つことを伝えたし、思い残すこ
  とはありません」
ライタ「じゃあこれから東へ向かおうーっ!」

○ファーネスの村~東への街道

キロ「そう言えばこの旅って、何か目的があってしてるんですか? 
  ライタさんの秘密の理由を除いて」
ライタ「俺の幼なじみ……ルルゥって女の子を捜してるんだ。四年前
   にアイグラントの奴らに連れさらわれたんだ」
キロ「へ~っ。ルルゥさん、早く見付かるといいですね」
ライタ「キロちゃん嬉しいことを言ってくれるね~っ! 男嫌いって
   言ってたけど、だいぶ俺にも慣れてきてくれたね」

  と言って、キロの肩にポンと手を置くライタ。

キロ「キャ~~~ッ!」

  キロはライタの手を捕まえてそのまま前方に投げ飛ばした。

ライタ「うわっ!」
キロ「あ……」
バルシア「ライタ君、ちょっと大丈夫?」
ボイスカ「怪我はないか? ライタ」
ライタ「なんとか大丈夫だけど……いきなり投げ飛ばすことないでし
   ょ、キロちゃん」
キロ「……ごめんなさい。まだ男の人に触られると、身体が拒否反応
  を起こしちゃうみたいです……」
ライタ「……そうか。前途多難だなぁーっ!」


 これで、『SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~』は、完結になります。
 最終回ですが、少しだけ、太陽が降る仕組みについての部分だけ、カットしてあります。
 ごめんなさいです。ご了承ください。
 でも、勘のいい人は、見当ついてるかな?
 ではではこれから、この脚本を元に、舞台用の戯曲を書き起こし始めますよう~~
 応援よろしくです!!
 ではでは~

P.S. ちなみにこれから、母の3回忌法要と、お墓が完成したので、その納骨式に行ってきます。では~

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その8

2011年05月27日 07時33分46秒 | SUKYSH CLOUD
○キロの家

キロ「その設計図通りに作って下さいね」

  キロの祖父の病気の特効役作りが始まった。
  何でも必要な機材が一つ足りないということで、
  ライタ達はそれを作る役目を任されていた。

  ……擦った揉んだの後……
  特効薬は、ほぼ完成した。

キロ「……あとは、私が、失敗せずに、魔力をこの薬に注ぎ込めば、
  この薬は完成します」

  キロは、薬と小さな水晶球を前に、呪文を唱え始めた。
  ある瞬間、キロは気合いを込めて魔力を薬に込めた。
  薬は完成した。

キロ「やったぁ!」
バルシア「早速おじいちゃんに飲ませてあげないと」
キロ「はいっ!」

  キロは奥の部屋で祖父と話をしている。

キロ「……おじいちゃん、やっとおじいちゃんの病気が完全に治るよ。
  ………嘘じゃないったら。本当に治るんだから。この特効薬でね」

  キロは祖父に薬を飲ませる。
  しばらくして祖父は穏やかな寝息を立て始めたようだ。

キロ「これで大丈夫です。今度おじいちゃんが起きたら、おじいちゃ
  んの病気は完全に治っています」
ライタ「……良かったなあ。ほんとに」
バルシア「ねえ? 本当に良かった」
ボイスカ「キロさんとやら、おじいさんは病気になってからどれくら
    い経つんじゃ?」
キロ「大体、十年くらいです」
ボイスカ「その間、ずっと一人で看病してきたのか?」
バルシア「お父さんやお母さんは?」
キロ「私が幼い頃にアイグラント帝国の奴らに連れて行かれました」
ライタ「それは酷いな……」
キロ「ゴウリの実がおじいちゃんの病気の薬になると知ってから、ア
  イグラントの警備ロボットが現れるまでは比較的安定していまし
  た」
バルシア「またアイグラントか……どうしようもない奴らだね」
キロ「ゴウリの実を百個集めればおじいちゃんの病気の特効薬が出来
  ると知って、警備ロボットの目を盗んで百個貯めようとしたんで
  すけど、その日その日の薬を集めるので精一杯で……。特効薬を
  作ることが出来たのも、全て皆さんがこの村に来てくれておかげ
  です。本当にありがとうございました」
ライタ「……ほら、御神託破ってこの村に来たのもまんざら無駄じゃ
   なかったでしょう?」
ボイスカ「まあ……そうじゃな」
ライタ「あっ……それで思い出した! キロ、この村って、『太陽の
   降る村』って呼ばれてるんだろう?」
キロ「ええ、そう呼ばれていますけど」
ライタ「どういう事なんだ?」
キロ「話で話すより、実際に見てもらった方が早いと思います。それ
  は、夕方にならないと現れないので、今から寝ましょう。一晩中
  歩いて戦って、さらに薬を作る手伝いまでされて、皆さん疲れて
  いると思いますから」
ボイスカ「そうじゃな。少し疲れた」  
ライタ「キロちゃん、どういう事なんだ? 本当に太陽が降るのか?
   俺さっぱり分からないんだけど」
キロ「……全ては夕方に……ということで。風がちゃんと吹くといい
  んですけどね」
ライタ「風? どういう関係があるんだ? 教えてくれよ! キロち
    ゃん!」
キロ「いいから寝てください。ちゃんと夕方に起こしますから。話は
  それからにしましょう」
ライタ「……ちぇっ……分かったよ……そんなにどうしても教えてく
   れないなら仕方ない。夕方まで待てばいいんだろ」
キロ「はい。ゆっくり休んでください」

  みんな、寝に入った。

○夕方・キロの家

キロ「皆さん、起きてください! そろそろ時間ですよ!」
ライタ「……えぇ? ……まだ寝足りないよ……」
キロ「『太陽が降る』の見過ごしちゃいますよ」

  急に飛び起きるライタ。

ライタ「えっ? ほら、バルシアさん、師匠、起きてください!」
ボイスカ「……なんじゃ、騒々しい……」
バルシア「もう起きてるわよ。そんな大きな声出さなくても」
ライタ「じゃあ行きましょう! 『太陽が降る』のを見に!」
ボイスカ「支度くらいゆっくりさせてくれ……」
バルシア「私はもう行けるわ。……ほら、年寄りは支度に時間がかか
    るから」
ボイスカ「なんじゃと! 失礼な! もう行けるぞ! 出発じゃ!」
キロ「じゃあ、案内しますね」


 昨日、ときぷらの仲間と芝居観に行くつもりだった途中で、ウチの彼女と偶然遭遇してびっくり。
 じゃあ当日券でいいから、その芝居一緒に観に行こうということになり。
 でも、ときぷらの仲間待たせちゃったり、いろいろ迷惑かけてしまいました。
 偶然過ぎて舞い上がったんですが、いろいろ考えて行動しなくちゃならんなあ、と反省。
 彼女もむらっちに迷惑かけたみたいって、謝ってって伝えて欲しいと言ってたけど。
 彼女には全く責任ないし。
 ほんじゃあこのへんで。
 ではまた~

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その7

2011年05月25日 02時25分40秒 | SUKYSH CLOUD
○教会・裏口前

バルシア「……ドアどうする? 壊す?」
キロ「私に任せて下さい」

  キロは、針金といくつかの道具で、ドアの鍵を
  見事に開けて見せた。

バルシア「……すごい……」
ライタ「これだったら泥棒も簡単に出来るなあ」
キロ「失礼なこと言わないで下さい。正しいことにしか使わないと約
  束して、おじいちゃんに教えてもらったんです」
ライタ「………すみません」

○教会・内部
  ボイスカはランタンに灯をともしている。
  目立たないように、光は極限にまで絞ってある。

キロ「……この部屋なんか怪しいですね。入ってみましょうか」

  部屋に入る一行。
  部屋の中は、ゴウリの実をすりつぶしたり、
  魔法を作用させたりする機材が所狭しと並んでいた。
  ゴウリの実の甘酸っぱい香りが部屋一杯に染みついていた。

ライタ「ゴウリの実の工場……だな」
バルシア「アイグラント帝国は、ここでゴウリの実の不思議な力を形
    にして、各地に売って、儲けていたのね」
ボイスカ「ここは目的の場所とは違かったんじゃろう? 早く次の部
    屋を探そう。新手の見張りに出会ったらやっかいじゃ」
キロ「……そうですね。次の部屋に移りましょう」

  移動する四名。

キロ「……ここなんかも怪しいですね。大きな部屋ですから」

  部屋に入ってみる一行。
○三姉妹の部屋
  入った途端に明かりがつく。
  そこには三人の女性の姿があった。

女性1「基地の中が騒がしいと思ったら、原因はあんた達ね」
女性2「何者ですかぁ?」
女性3「事と次第に寄っちゃあ、許しませんことよ?」

  女性達は既に戦う装備をととのえていた。

ライタ「お前ら、アイグラントの手の者かっ?」
女性1「もちろんその通りよ」
ライタ「それなら容赦はしないっ! 師匠、バルシアさん、キロちゃ
   ん、戦闘です!」

  戦闘開始!
  この三人、名をそれぞれ、エンター・ノーマス・ゴジット
  というが、今までの敵など比べものにならないほどに強いっ!
  四人は苦戦を強いられるが、なんとか勝利を掴み取る。

ライタ「……ふう~っ……やっと全員気を失ってくれた」
ボイスカ「目を覚ましても動けないように、厳重に縛っておこう」

ボイスカが三人を縛るのを終えた頃、キロが、

キロ「……それじゃぁ、次の部屋を探しましょうか」
ライタ「またこんな奴らが出てこないだろうなあ」
バルシア「多分、これだけの強さを持った人間なら、アイグラントで
    も相当高い位の軍人のはず。こんな村にそんなに何人もこの
    レベルの人は送られてこないと思うわ」
キロ「それに、次の部屋でめぼしい部屋は最後です。多分そこがゴウ
  リの実の貯蔵庫になると思います」
ライタ「分かった。じゃあ急ごう!」

○教会・ゴウリの実の貯蔵庫・前

ライタ「この部屋かい?」
キロ「……ええ」
ライタ「じゃあ開けてみよう」

ライタが扉のノブに手を掛けるが、回しても、扉は開かない。
どうやら鍵が掛けられているようだ。

バルシア「大事な貯蔵庫ですものね。鍵くらい掛けて当然だわ」
キロ「……ここで私の出番です」

  キロ、裏口の時と同じように道具を使って
  扉の鍵を開けようとする。

キロ「……できました!」

キロはドアのノブを回す。
  しかし扉は開かない。

キロ「あら……?」
バルシア「キロちゃんどうしたの?」
キロ「厳重な鍵みたいです。あれ~、開いたと思ったんだけどなあ?」

再び鍵を開けようとするキロ。
だいぶ時間がかかっている。

ボイスカ「おい……まずいぞ。もう夜が明けてしまう」

間。

キロ「……やっと開いたーっ!」

  ゆっくりとドアノブに手を掛けるキロ。
  そのままゆっくりと回す。
  扉は、キイと小さな音を立てて開いた。

キロ「成功!」
バルシア「やったじゃない!」
ボイスカ「もう夜明けだ。取る物取って、とっとと立ち去ろう」

○ゴウリの実・貯蔵庫
  棚一杯にゴウリの実の入ったかごが並べられている。

キロ「このかご一つで、百個は入っているな」

  キロはかごを棚から取り出す。

ライタ「あっ……俺が持つよ」
キロ「軽いから……大丈夫ですよ」
ライタ「力仕事は男の仕事だから」
キロ「………」

  ライタはキロからかごを受け取る。

ライタ「……あれっ……ほんとに軽いな。片手で軽々持てちゃう」
バルシア「お目当ての物も手に入ったし、そろそろ帰りましょうか」
ボイスカ「新たな見張りが起きてくるとも限らん。帰りは静かにな」

  もう薄明るくなって、ランタンに灯をともす必要は
  なくなっていた。
  四人は自分たちの入ってきた裏口に急ぐ。
○教会・裏手
  裏口を出ると新たな見張りが四人の前に立ちふさがった。
  それらを片付けるライタ達。

  入ってきた時と同じように、キロの魔法で裏の壁を越える。
  今度はライタがキロの背中から手を離すことはなかった。


 明日は「台本ミーティング」ですう。
 関係者3人集まって、どんな話にするか話し合いますう。
 ついでに劇場も見に行ってしまいますう。
 楽しみですう。
 ではではあ。

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その6

2011年05月22日 22時04分51秒 | SUKYSH CLOUD
○教会(アイグラント基地)正面入り口前
  四人は木の陰に隠れて、教会の入り口の様子を見ている。

バルシア「……やっぱり正面は警戒が厳重ね。見張りが二人いるわ」
ライタ「夜になって警戒が手薄になるのを待ってから、裏の壁を乗り
   越えて、中に入るしかないですかね」
ボイスカ「……そうじゃのう」
キロ「私もそれがいいと思います」

○夜・教会裏手

ライタ「……ひぇ~っ、高い壁だなあ」

  ライタ達の侵入を防ぐ、教会の壁は、三メートル以上はあった。

キロ「アイグラント帝国が来る前は、もっともっと低い壁だったんで
  すけどね」
バルシア「……でもどうする? また私がドラゴンの姿になってみん
    なを乗せて飛ぼうか?」
キロ「ドラゴン……?」
バルシア「あぁ、キロちゃんは知らなかったわね。私は、元々エンシ
    ェント・ドラゴン族の司祭なの。今はこんな姿をしているけ
    どね」
キロ「……でも、バルシアさんが女性であることには変わりないんで
  すよね?」
バルシア「そうねえ。私は女性、いや、ドラゴン族だからメス? ま
    あどっちにしても女よ」
キロ「……良かった。バルシアさんが女性じゃなかったら私の頼る人
  がこの中にいなくなってしまう」
ライタ「……おい……」
ボイスカ「………」
キロ「この壁を乗り越えるのは私の魔法に任せてください」
ボイスカ「ほお」
キロ「風の精霊に私の身体を浮かせてもらいます。バルシアさん達は
  私の背中にでも手を触れていてください」
ライタ「……分かった」

  キロの背中に手を触れる、ライタ・バルシア・ボイスカの三人。
  キロは呪文の詠唱を始める。

キロ「………そなたの姿を我がものとせよ!」
ライタ「……あっ、浮いた!」
バルシア「そりゃ浮くわよ。魔法ですもの」

  ライタ達は、壁を越える高さまで浮き上がっていた。

キロ「……ここから降りるのはスピード早くなるから気を付けてくだ
  さい」
ライタ「えっ?」

  降りだして、速度が速くなった拍子に、ライタは
  キロの背中から手を離してしまった!

ライタ「うわっ!」

  必死に何かにつかまるライタ。
  ライタがつかんだのは、キロの足だった。
  バランスを崩して、三メートル位の高さから落ちる四人。
  重なり合った格好で地面に落ちる。

キロ「キャ~~~ッ! イヤ~~~ッ!」

  キロとライタが重なり合って倒れてしまったのだ。

バルシア「キロちゃん、声が高い……!」
キロ「……だって……だって……」

  キロは涙目になっている。
  四人はなんとか立ち上がる。

ボイスカ「聞きつけて、お客さんがやってきたようじゃぞ」

  五人の兵卒が、裏手にやってきた。
  戦闘!

  早速ボイスカが一人目を撃破!
  復活したキロが、炎の精霊魔法で応戦する。
  ひるむ兵卒四名。
  そこにライタが襲いかかる。
  ライタ、一人を撃破。
  バルシア、もう一人を気絶させる。
  さらにボイスカがもう一人を倒す。
  残った一人の兵士は尻尾を巻いて逃げ出した。

ボイスカ「いかん! 応援を呼ばれるとやっかいじゃ」
キロ「ここは私が!」

  キロは風の精霊魔法で逃げた兵士を宙に吹き上げた。
  そのまま地面に落とされる。

キロ「よしっ!」
バルシア「キロちゃん、ゴウリの実の貯蔵庫はどこにあるの?」
キロ「教会の構造は分かっているんです。だから、貯蔵庫になるよう
  な部屋は目星がつきます。ついてきて下さい!」
ライタ「わかった!」


昨日は浜松まで、浜松路上演劇祭を観に行ってきました。楽しかったですよ。
今日は友達のウチに彼女と行って、ひとしきりお喋りして、ミスド入って、友達と別れて彼女と二人、地元のミスドにも一回入って、食事して帰ってきました。

明日は仕事だあ――
楽しく充実してやれたらいいなあと、思っています。

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その5

2011年05月18日 22時19分16秒 | SUKYSH CLOUD
○翌朝・キロの家の中
  朝食のシーン。
  キロとバルシアで朝食を作った。
  居間でテーブルを囲む四人。

ライタ「おじいちゃんはいいのか?」
キロ「………」
ライタ「おじいちゃんは朝食食べないのか聞いてるんだけど」
バルシア「キロちゃん、キロちゃんのおじいちゃんには朝食をあげな
    くていいの?」
キロ「はい。まだ寝てますから、後で食べさせてあげます」
ライタ「……ちょっとキロちゃん。俺の質問には答えないでバルシア
   の同じ質問には答えるって、これどういうわけ?」
キロ「………」
バルシア「……まあいいじゃないの。何か複雑な事情でもあるのかも
    知れないし」
ライタ「そうなのか?」
キロ「………」
ライタ「……ああ、じれったい! 俺のこと嫌いなら嫌いでいいよ!
   好きにしてくれ!」

  しばらく間。
  皆、朝食を食べている。
  そろそろ皆が食べ終わろうとした時、

キロ「……私、皆さんに話しておかなくてはならないことがあります」
バルシア「なーに?」
キロ「私を、皆さんの旅に同行させて下さい!」
ボイスカ「なに?」
キロ「無理を承知でお願いします! 皆さんと一緒に旅をさせて下さ
  い!」
ライタ「……突然何を言い出すかと思えば……」
バルシア「どうしてそんなことを言い出したの?」
キロ「私の精霊の、守護霊が、私にそう告げたんです。皆さんと旅に
  出ろと」
バルシア「でもおじいさんはどうするの? あなたがいないと困るで
    しょう?」
キロ「おじいちゃんのことはもちろん心配です。でも、おじいちゃん
  の事については考えがあります。実は皆さんの協力が必要なんで
  すけど……」
ライタ「だってキロちゃん、俺のこと嫌いなんでしょう? 嫌いな人
   と旅しても楽しくないよ」
ボイスカ「楽しむために旅してるわけじゃなかろう」
ライタ「それはそうですけど、例えば魔物が出てきた時だって、協力
   しあえないじゃないか」
キロ「……私、ある……出来事がきっかけで男の人がだめなんです」
ライタ「出来事って……何があったんだ?」
キロ「………」
バルシア「キロちゃん、話したくないなら話さなくたっていいんだ
    よ?」
ライタ「バルシアさん……」
バルシア(ライタ君、女の子の心の傷をえぐるようなことはしないの)
ライタ「ぐっ……」
キロ「守護霊からの御神託は、私にとって何より大事なことなんです。
  ですからお願いです。私を旅に連れて行って下さい。私の精霊魔
  法は、旅のお役に立てると思います。男嫌いも皆さんの旅に支障
  が出ない程度で上手くやっていきます!」
バルシア「いいんじゃない? 私はいいと思うけど、ライタ君は?」
ライタ「ちょっと構えちゃいますけど、いいんじゃないですか」
ボイスカ「わしは少し意見がある。キロちゃんとやら、旅に出たら危
    険が一杯じゃぞ。魔物との戦いも、村を出れば毎日あるし、
    恐怖のアイグラント帝国とも対峙せねばならぬ時だってあ
    る。その辺の覚悟はどうなのか聞きたいんじゃがの」
キロ「分かっています。私も時々村の外を出歩きます。すると魔物が
  現れるんです。最初は怖くって仕方なかったけど、今は魔法で退
  治するまでに成長しました。だからその心配は、大丈夫だと思い
  ます。」
ボイスカ「……それならいいがの。わしは以上じゃ」
バルシア「それではキロちゃんは私たちの冒険者パーティーに入ると
    いうことで、かんぱーい!」

四人はそれぞれミルクの入った木製のコップを掲げた。

ライタ「……そういえばおじいさんの件はどうなるのさ」
バルシア「そうよねえ。病気のおじいちゃんをそのままにして旅に出
    るわけにはいかないわよねえ」
キロ「そのことなんですが、この問題を解決するには、皆さんの協力
  が必要なんです。協力していただけますか?」
ライタ「……そりゃあ、ここまで乗りかかっちまった舟だ。協力する
   よ」
バルシア「私たちは何をすればいいの?」
キロ「これは私も最近知ったことなんですけど、おじいちゃんの病気
  には、特効薬があるんです。」
ボイスカ「ほお」
キロ「但し、その特効薬を作るには、ゴウリの実が、およそ百個必要
  になるんです」
ライタ「そんなに集まるのかぁ?」
バルシア「落ちた実は、アイグラント帝国の奴らが即回収してしまう
    んだろうから、落ちてるのを集めるのは難しいわね」
ボイスカ「警備ロボットもいることだしのう」
キロ「……だから、アイグラントの貯蔵庫を狙うんです」
ボイスカ「なにいっ?」
バルシア「……これまた大胆な……」
ライタ「なるほどねー」
ボイスカ「『なるほどねー』って、これがどれだけ危険なことか、お
    前には分かっているのか?」
ライタ「分かってますよ。でもそれしか手だてがないんでしょう?」
キロ「……ライタさんは……話が早いですね……」
ライタ「それでその貯蔵庫っていうのはどこにあるんだ?」
キロ「……以前、教会だった建物の中です。村の中央、丘の上にあり
  ます」
ライタ「それじゃあ早速、その場所の前まで行ってみようよ」
ボイスカ「……あーあ、またやっかいなことに巻き込まれそうじゃ」
キロ「……済みません、ボイスカさん」
バルシア「キロちゃん、気にしなくていいのよ。あんな事言ってるけ
    ど、ボイスカさんにかかればアイグラント帝国なんてちょち
    ょいのちょいなんだから」
キロ「そんなにお強いんですか?」
ボイスカ「バルシア、それは言い過ぎじゃ」
バルシア「そうかしら」
ライタ「……さて、まずは敵情視察です。行ってみましょう!」


 やっぱあれですね、この脚本って、僕がゲームクリエイターを目指してた頃に書いたものなので、演劇の戯曲にするには、少々修正が要りますね。
 でも、もし今これを演劇にするとしたら、かなりの変更とブラッシュアップをしたいとこです。
 テーマもキャラも、もっともっと深く作りたいです。
 私って、ギャグっつーか笑いが苦手なので、今回もキロとライタの関係や、ライタとバルシア・ボイスカ、それぞれの関係でなんとか笑いがとれたらって思ってますが、なかなか難しそうです。
 このお話、ブログ上では完結させない予定です。実は。
 最後のクライマックスのところは秘密にしておくつもりです。
 あとは劇場でって感じなのですが、いかがでしょうか笑?
 もし公演が出来て、公開を終えたら、全戯曲の、現在書いたバージョンの内容をブログ上にアップします。
 それまでお待ちくださいませませ
 よろしくですう。
 ではでは~

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その4

2011年05月17日 06時56分20秒 | SUKYSH CLOUD
○ファーネスの村・キロの家の中
  通された部屋は、応接間兼居間といった感じの部屋で、
  キロの言う通り、あまり広くはなかった。
  テーブルと椅子を片付けて、
  ライタとボイスカとバルシアの三人が
  なんとか横になれる程度の広さだった。
  部屋の内装は、玄関から向かって右に大きな姿見の鏡がある。
  そして左側には衣服入れがある。
  部屋の中にあるのはそれくらいのものだったが、
  部屋全体にきちんと掃除が行き届いていて、小綺麗な、
  住む人の人柄が偲ばれるような、気持ちのいい部屋だった。

  キロは奥の部屋でお茶を淹れている。

バルシア「どーぞおかまいなくぅ」

  キロが、淹れたお茶を持って部屋に入って来る。

キロ「裏の山で採れた薬草を煎じたものです。旅の疲れなんて吹き飛
  びますよ。どうぞ」
ライタ「いただきまーす!」

  ライタは出されたお茶を一気に飲み干す。

ライタ「……ひえっ、辛っ、苦っ……!」
キロ「………」
ライタ「ちょっと……水、もらえるかな?」
キロ「……待って下さい」

  キロは再び奥の部屋へと引っ込む。

バルシア「一気に飲むからよ……それにしてもこのお茶、不思議な味
    ねえ」

  そこにキロが戻ってくる。
  そして、ライタに水を渡す。
  ライタは急いで水を飲む。

キロ「味は保証しかねますが、効き目は抜群です。魔法の薬といった
  ところですね」

  ボイスカがキロに向き直る。

ボイスカ「お前さん、魔法使いかね?」
キロ「えっと……そんな大それたものじゃないんですけど、精霊魔法
  がいくつか使えます。そのお茶も、精霊魔法の力を応用して作っ
  たもので……」
ライタ「魔法使いかあ! 初めて会ったよ。話には聞いてたけど、炎
   を呼んだり、水を呼んだり出来るんだろ?」
キロ「……はい……まあ」
ライタ「すごいなー!」
バルシア「そういえば自己紹介がまだだったわね。私はバルシア。フ
    ィンドゥーマ教の司祭よ。よろしくね」
キロ「よろしくお願いしますぅ」
ライタ「俺はライタ。旅の剣士だ。よろしくな」
キロ「……はい」
ボイスカ「わしはボイスカ。この自信過剰(ライタの事)の師匠として
    この旅に同行しておる」
キロ「………」
バルシア「さて、自己紹介が済んだところで、本題に移りましょうか。
    単刀直入に聞くけど、キロちゃん、さっきは何故あんなのに
    追いかけられていたの?」
キロ「それは……話せば長くなります。よろしいですか?」
バルシア「もちろん! ね?」
ライタ「ああ、もちろんだよ」
ボイスカ「わしも興味があるの」
キロ「最近なんです。あの警備ロボットが村の至る所に現れたのは」
ボイスカ「警備ロボット? 何を見張っとるんじゃ?」
キロ「ゴウリの実です。この村にはあちこちにゴウリの木が生えてい
  るんですが、この実には不思議な力があるんです」
ライタ「不思議な力? どんな?」
キロ「私には祖父がいて――その奥に寝てるんですが――病気で、そ
  の病気の薬になるのはゴウリの実だけなんですんです。その他に
  も、魔法の力を応用すれば、ゴウリの実を媒介にして、様々な奇
  跡を起こすことが出来ると聞いています」
ライタ「そのゴウリの実と、警備ロボットと、なんの関係があるんだ
   ?」
バルシア「その不思議な力を持つ実を、アイグラント帝国が独占しよ
    うとしているのね、きっと」
キロ「その通りです。昔はこの村の人なら誰でも自由に拾い集めるこ
  とが出来たのに、今ではあのアイグラント帝国のロボットの目を
  盗んでしか採取することが出来なくなってしまいました」
バルシア「さっきはおじいさんの為にその実を集めていたところを、
    警備ロボットに見付かってしまったというわけね」
キロ「そうです。これまでは上手くやっていたのに、今日初めて、見
  付かりました。皆さんがいらっしゃらなければ、どうなっていた
  か想像もつきません。本当にありがとうございました」
ライタ「アイグラントの奴らに襲われている人を黙って見過ごすわけ
   にはいきませんよ。ねえ、師匠」
ボイスカ「ああ、当然じゃ」
キロ「ありがとうございます。それでは皆さんお疲れでしょう。狭い
  家ですが、ゆっくりお休み下さい」
ライタ「ちょっと待った! 出来たらでいいんだけどさ、そのゴウリ
   の実ってやつを見せてもらえないかな」
バルシア「私も興味あるな」
キロ「あぁ、いいですよ。ちょっと待ってて下さい」

キロ、奥の部屋へ引っ込む。
しばらくして部屋に戻ってくる。

キロ「……これです」
ライタ「……へえ~っ!」
バルシア「綺麗ね」

  ゴウリの実は、ふわふわとして光沢のある、銀色の綿毛に
包まれていた。

キロ「綺麗でしょ? でも用があるのは中身の方。こうして割って、
  中を取り出すんです」

  キロはテーブルの上で、右手に持った金属の道具で、
器用に中身を取り出した。

キロ「これに魔法的な作用を施して、おじいちゃんの薬にするんです」
ライタ「……これ生で食べたら、美味い?」
バルシア「ばっかねぇ。これ今は希少価値なんだから、そんな贅沢な
    こと言えないでしょう?」
キロ「昔は私もよく生で食べてました。甘酸っぱくっておいしいです
  よ」
ライタ「食べてみたいぃーっ。アイグラント帝国、やっぱり許すま
   じ!」
ボイスカ「……じゃあそろそろ寝ることにするかの。キロさん、我々
    が寝るのはこの部屋でいいのかな?」
キロ「そうです……狭いけど我慢してください」
ライタ「そんな……宿代が浮くだけで大助かりだよ」
バルシア「キロちゃんはどこで寝るの?」
キロ「私は奥の部屋にベッドがありますから。……あっ、布団出しま
  すね」
バルシア「ありがとう。どこにあるの? 手伝うわ」
ライタ「あぁ、おれも」

  バルシアとライタは自分たちの寝る布団を奥の部屋から出して、
  部屋に敷いた。

バルシア「それじゃあ、お休みなさい」
キロ「はい。お休みなさい」

ライタ達はそのまま眠りについた。

  キロはその晩、小さな水晶球を前にして、呪文を唱えていた。

キロ「……やっぱりあの人達についていくのが私の運命なのね……で
  も……おじいちゃん、どうしよう?」


 おっはようございますう~
 お休み機関に入ったとはいえ、何やかやと忙しい、おっちーです~
 昨日はパソコンスクールで、今日はデートですう。
 昨日彼女、調子悪そうだったからなあ。(メールで話して、電話でお母さんに様子を訊いただけですが)
 今日は大丈夫かなあ。
 ちょっと心配なんです。
 今日、会えたらいいな。

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その3

2011年05月15日 09時28分46秒 | SUKYSH CLOUD
○ファーネスの村への道のり・日没間際

バルシア「……思ったより道のりは遠いわねー」
ライタ「セノンの村の人たち、歩いて半日もかからないって言ってた
   のに」
ボイスカ「このままだと野宿の覚悟もしなけりゃならんだろうな」
ライタ「……ちょっと待って下さい! あそこにポツンと明かりが見
   えませんかっ?」
バルシア「……あっ、ほんとだー! あなた目がいいわね。エンシェ
    ントドラゴンの私よりいいんじゃないの?」
ライタ「デヘヘ……そんなに誉めないで下さいよ。照れるじゃないで
   すか」
ボイスカ「……誰もそんなに誉めてないと思うが……?」
バルシア「日没までには着きたいですね。さあ、急ぎましょう!」
ライタ「おう!」

○ファーネスの村入り口・日没後

ライタ「着いたけど……夜になっちゃった……」
バルシア「……どうしましょう? 今から入れる宿屋なんてあるかし
    ら」
ボイスカ「大丈夫じゃろ。大きめの村らしいからの。入れてくれる宿
    屋の一軒や二軒、きっとあるじゃろう」

○ファーネスの村・内部

ライタ「月明かりでなんとか周りが見える程度ですね。こんなんで宿
   屋が見付かるかなー?」
ボイスカ「わしはランタンを持っとる。火を点けよう」
ライタ「なんだ便利なもの持ってるんじゃないですか」
ボイスカ「お前が持ってないことの方が問題じゃぞ。準備不足じゃの
    ー」
バルシア「私も持っています。点けましょう」

  そこに、視界の向こうから、少女が走ってくる。
  どうやら、何かに追われているようだ。
  少女はライタ達の横をすり抜けて、そのまま走り去ろうとする。
  少女が追われていたのは……数体のからくり人形……
  ……『ロボット』だった!
  ライタはそのロボットに向かい……

ライタ「何故女の子を追う! 彼女が一体何をしたんだ?」
ロボット達「………」
ライタ「答えないなら見逃す訳にはいかないぞ!」
ボイスカ「……ライタ、どうしてこ奴らが「悪」だと決めつけられる
    んじゃ?」
ライタ「師匠! ……だって、こいつらの身体に描いてあるのは『ア
   イガ紋章』じゃないですか!」
ボイスカ「……なるほど……本当じゃ。それなら迷わず嬢ちゃんの方
    に加勢するぞい」

  戦闘開始!
  元々このロボットは激しい戦闘に耐えるプログラミングが
  なされていない為、勝負は早々についた。
  戦闘終了後、少女はライタ達の側までやって来る。

少女「……危ないところを……どうも……ありがとう……ございまし
  た」
バルシア「あなたのお名前は?」
少女「……『キロ』です」
バルシア「キロちゃん、どうしてこんな事になったの?」
キロ「……話せば長くなるんです。皆さん、旅の御一行ですよね。狭
  いですけど、どうぞ、私の家においで下さい」
ライタ「えっ、いいの?」
キロ「……はい」
ライタ「(ボイスカに)宿を探す手間が省けましたね」
ボイスカ「しかしもっと面倒なことに首を突っ込んでしまったのかも
    知れんぞ」
キロ「私の家はこちらです。ついて来て下さい」


久々のオフを満喫しております~
今日は午後から、久々におっしょさんの太極拳に参加します。
稽古、あんまりキツくないといいなあ。

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その2

2011年05月15日 00時00分00秒 | SUKYSH CLOUD
ボイスカ「どうしたんじゃ、ライタ?」
バルシア「急に席を立って?」
ライタ「師匠、バルシアさん、これから北に向かいましょう!」
ボイスカ「なんじゃ薮から棒に」
バルシア「どうして? 何があったの? 落ち着いて話をして」
ライタ「……俺の、旅の目的に重要な事かも知れないんです」
バルシア「旅の目的? なーに、それ?」
ライタ「……今はまだ話せません。けれど重大な事なんです」
ボイスカ「例の秘密の目的ってやつか……。まだ内容は話せないの
    か?」
ライタ「はい……そこにたどり着くまでは」
ボイスカ「そこ……という事はライタはどこかに行きたいんじゃな?」
ライタ「……詮索はやめて下さい……」
ボイスカ「しかし、ルプーナの神殿で受けた啓示を覚えているか?」
ライタ「………。はい……『東へ行け!』です……」
ボイスカ「そうじゃ。今、北へルートを変えれば、啓示に逆らう事に
    はならんか?」
ライタ「……そうか……」

  一同、沈黙。

バルシア「……でも大丈夫ですよ。今、ライタ君が北に行きたいとい
    うのも、何かの運命かも知れないですし」
ボイスカ「……運命、か。都合のいい言葉じゃの」
バルシア「でも本当ですよ。ライタ君がこの酒場で噂話を聞いたのも、
    何か大きな力の導きかも知れませんよ」
ライタ「そう考えると、今から北の村へ行くのも、まんざら間違って
   いないように思えてくるな」
ボイスカ「……単純じゃのー」
バルシア「いいじゃありませんか。それもライタ君のいいところです
    よ」
ライタ「それじゃあ……これから北の村に向かうことに、誰も異存は
   ないってことで」
ボイスカ「……わしは少しあるがの」
バルシア「いいじゃありませんか。フィンドゥーマ神の導きを信じま
    しょう」

  三人はセノンの村で一夜を明かし、次の日の昼、
  北の村ーファーネスの村ーへと旅だった。

SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その1

2011年05月13日 06時49分25秒 | SUKYSH CLOUD
○ファーネスの村・村はずれに建てられた小さな家の中
  中は雨戸とカーテンをを閉め切って夜の闇のように暗い。

  そこでは一人の少女が小さな小さな水晶球を前に、
  なにやら呪文のようなものを唱えている。

少女「……やっぱりそうなんだわ」

  少女は、顔を、机の上に置いた水晶球に近づけて
  じっと覗き込む。

少女「……明日は私の一生の節目となる重大な日……旅立ちの日なん
  だわ! ……でも……」

  少女は立ち上がって閉め切ったカーテンと雨戸を一気に開ける。
  空は曇って、今にも雨が降り出しそう。

少女「……今日は集められるかしら……」


 ○セノンの村・村の酒場
  ボイスカとバルシアはビールを飲んでいるが、
  ライタはジュースを飲んでいる。

ライタ「……トホホ……酒場で酒が飲めないなんて……」
ボイスカ「お前は未成年だろうが。あと四年待て」
ライタ「こうなったら食欲を満たしてやる。やけ食いだあっ!」

  ライタは鳥のもも肉にかぶりつく。
  その時、ライタの耳に隣のテーブルからの話し声が入ってきた。

客A「……この村から北の街道を通って半日の距離にある村なんだが
  な」
客B「……けど、太陽が降るって……本当かよ」
客A「俺も話にしか聞いた事はないんだ」
客B「ガセネタじゃないのか?」
客A「どーせ暇なんだから行ってみるだけ行ってみようぜ」
客B「そーか……こないだの冒険で金も稼いだし、他にやる事もない
  しな……」

  ライタは食事をやめて席を立った。

ボイスカ「ライタ、どうした?」

  そして話をしていた客の前に立った。

ライタ「今の話が耳に入っちまったんだけど……」
客A「お前さん、誰だい?」
ライタ「あっ、俺はライタっていう者で」
客B「そのライタ君が我々に何の用かな?」
ライタ「今の話……太陽が降るっていう……」
客A「あー、あー、太陽が降る村の話か」
ライタ「それってどういう事だ? 本当に太陽が降るのか?」
客A「俺も詳しい話は知らないんだ。ただ、この村の北に、太陽の降
  る村があるっていう事だけで……」
ライタ「それは確かなのか?」
客A「だから俺も詳しい話は知らないって言ってるだろうが。……た
  だ情報は信用できる筋のものだぜ」
ライタ「……そうか。ありがとう。邪魔したな」

  ライタはもといた席に戻った。

客B「なんだ、あいつ?」


 おはようございます。
 とうとう『SUKYsh CLOUD』なんですねえ~(笑)
 まだ終わってない連載沢山あるのに、また新しいの始めたって?
 これはきちんと終わりますので、ご勘弁を。
 なにしろこの話、記録では2004年に書きあがった(らしい)ものです。
 だから基本、出来上がってるのをコピペしてるだけなので、絶対完結します。^^
 これを基に、新しい戯曲一本書いてみようかなあ、なんて考えてます。
 ムッチャかっこいい話になりそうな予感……
 乞うご期待!!ですぅ~

路上演劇祭2011プログラム完成!!

2011年05月07日 08時22分57秒 | 路上演劇祭

 やっとでけたあー!!
 見てやってください。
 ギリギリアップ間に合いました。汗汗
 今回の路上演劇祭の二日間のタイムスケジュールです。
 これから現場に向かいます。
 言ってきまーす!!