「冷たいっ」
「どうした」
「ベンチに座ったのよ。まだ冬ね」
「そんなことより」
「いいえ、そういう訳で、私あんたとはお別れすることにしたから」
「なんで」
「あなたが浮気したからでしょう?だからあたしもしたの」
「どういう事だよ」
「男友達を家に泊まらせたわ。彼と一緒に学校に行くとこ」
「なんでそんな」
「酷いのはあなたよ。もう信じられない」
「信じろって」
「いいえ、あなたは浮気した、証拠はあるんだから」
「そんなの嘘だ」
「もう、あなたの言葉は信じない」
「…俺、泣きそうだよ」
「それも嘘でしょ」
「もういい。俺から別れる。お前とはもう会わない」
「上等よ。願ったり叶ったりだわ。さよなら」
プーップーップーッ
「なんて。確かに男は家に泊めたけど、今私は独り。これどういう事?」
プーップーッ…
「ウッ、ウッ、ウッ…もう嫌だ。嫌だぁ。なんでいつもこうなるんだよ?結局最後は独り。俺はミジンコだ。いくら夏は元気に泳ぎ回っても、冬は乗り越えられないで死んでしまう。俺はミジンコだ」
コンコン、
「?」
コンコンコン、
「どうしたの?なんで電話ボックスの中で泣いてるのよ?しっかり」
「ぁあ?」
「開けていい?」
「どうぞ勝手に」
「失礼します。変なの。なんで携帯使わないの?」
「俺持ってないもん」
「嘘でしょーっ?」
「携帯は持たない主義なんだ」
「不便な人だねー」
「うるさい」
「…」
「独りにしてくれ」
「ごめん、なんか話すね、えーっと…」
「…」
「今朝なに食べた?」
「何も食べてない」
「嘘っ、不健康」
「うるさい」
「もう涙止まった?」
「お前のせいで」
「良かった」
「どっちでもいい」
「だって泣いてたら空見れないじゃん」
「え?」
「今日晴れてるよ。見てみなよ」
「うるせー」
「ホラ出てきなって」
「あぅ」
「ね?」
「あっ、桜の花びら」
「もう春だよねー」
「暖冬だからだよ。桜は早すぎ」
「そうかな。でも嬉し」
「…」
「なに?」
「神様は案外俺を自由にしてくれたのかもな」
「えっ?」
今更ですが、再発表。。。
前半はともかくとして、後半は気に入っています。
第14回文章塾投稿作品。お題は、「春」。
「どうした」
「ベンチに座ったのよ。まだ冬ね」
「そんなことより」
「いいえ、そういう訳で、私あんたとはお別れすることにしたから」
「なんで」
「あなたが浮気したからでしょう?だからあたしもしたの」
「どういう事だよ」
「男友達を家に泊まらせたわ。彼と一緒に学校に行くとこ」
「なんでそんな」
「酷いのはあなたよ。もう信じられない」
「信じろって」
「いいえ、あなたは浮気した、証拠はあるんだから」
「そんなの嘘だ」
「もう、あなたの言葉は信じない」
「…俺、泣きそうだよ」
「それも嘘でしょ」
「もういい。俺から別れる。お前とはもう会わない」
「上等よ。願ったり叶ったりだわ。さよなら」
プーップーップーッ
「なんて。確かに男は家に泊めたけど、今私は独り。これどういう事?」
プーップーッ…
「ウッ、ウッ、ウッ…もう嫌だ。嫌だぁ。なんでいつもこうなるんだよ?結局最後は独り。俺はミジンコだ。いくら夏は元気に泳ぎ回っても、冬は乗り越えられないで死んでしまう。俺はミジンコだ」
コンコン、
「?」
コンコンコン、
「どうしたの?なんで電話ボックスの中で泣いてるのよ?しっかり」
「ぁあ?」
「開けていい?」
「どうぞ勝手に」
「失礼します。変なの。なんで携帯使わないの?」
「俺持ってないもん」
「嘘でしょーっ?」
「携帯は持たない主義なんだ」
「不便な人だねー」
「うるさい」
「…」
「独りにしてくれ」
「ごめん、なんか話すね、えーっと…」
「…」
「今朝なに食べた?」
「何も食べてない」
「嘘っ、不健康」
「うるさい」
「もう涙止まった?」
「お前のせいで」
「良かった」
「どっちでもいい」
「だって泣いてたら空見れないじゃん」
「え?」
「今日晴れてるよ。見てみなよ」
「うるせー」
「ホラ出てきなって」
「あぅ」
「ね?」
「あっ、桜の花びら」
「もう春だよねー」
「暖冬だからだよ。桜は早すぎ」
「そうかな。でも嬉し」
「…」
「なに?」
「神様は案外俺を自由にしてくれたのかもな」
「えっ?」
今更ですが、再発表。。。
前半はともかくとして、後半は気に入っています。
第14回文章塾投稿作品。お題は、「春」。