人間誰でも老いていく、老いていくと同時に死ぬものだ、今は亡
き作家の遠藤周作氏がエッセイのなかで「楽に死なせる研究」が
行われないかと時々夢想するという。
医学では少なくとも現在本人が望む、望まないにかかわらず一日
も長く生き伸ばすことを研究してる、認知症や寝たきりになりた
くない、その前に死にたいといっても許されない、
だから「ご安心下さい、そうなられる前に安らかにあの世に行け
るような健康法を教えましょう」という医者がいたらどうだろう
と読者に遠藤氏は投げかけてる、闘病生活が長かっただけにわか
るような気がする。
私の場合、両親とも晩年苦しんで亡くなったのを見てるだけに、
そんな健康法にすがりたい気持ちもあるけれど、今はとにかく生
きることだけ考えよう、いつか人生は終わるのだからというのが
偽らざる心境である。