高校時代の親しい友人が亡くなったのは14年前、彼が60歳で
還暦を迎えた年だった、死因は自殺、聞いたときは自殺をするな
んて思いもよらなかっただけにショックだった。
地元で就職して結婚、飲食業を営んでいた、私が地元にいる間は
交流が続いたが転勤しその後は疎遠になっていた、商売も家庭も
順調かなと思われたが還暦を迎えたときに奥さんから離婚を切り
出され、子供二人も奥さんについて彼はひとりぼっちになり人生
を悲観、自殺という最悪の結末を迎えた、きっと深い絶望感があ
ったのだろう、それでもまさか自ら人生を降りるとは今だに信じ
られない。
苦しみ、悲しみ、恨み、ひがみ、憎しみといったマイナスの感情
のなかで見苦しい自分に耐えることができなかったのかもしれな
い、しかし自殺をするのは弱い人間と思いたくない、そういうこ
とに追い込まれたことのない人間が自殺する人を否定することは
したくない、それでもやはり彼には自殺をしてほしくなかった、
できれば自殺などせずに与えられた一生を生き抜いて欲しかった
という思いは変わらない。