昔は認知症が発症する前に亡くなっていたものだが今は長生き
になり死ぬ前に多くの人が認知症になるようになった、私の両
親は二人とも幻覚症状の出るレビー小体型認知症だった、父は
12年前の86歳のとき、母は4年前の94歳のときだった。
認知症になったら何もわからなくなるから本人は苦しまないの
ではと思ってたものだった、しかし父が亡くなって遺品の整理
をしてたときに見つけたメモ書き「何でこんな認知症なんかに
なったんだ、苦しい、つらい」本人が一番異変に気づいて傷つ
いて言い知れぬ不安を抱えてたことを知った。
母もそうだった、明日がどうなるかわからない苦しみ、高齢者
施設に入り、家に帰りたいのに帰れない苦しみ、さらに老いて
弱くなっていく情けない自分との闘い、過去と未来がつながら
ない不安な状態、自分のことで精一杯だった両親の姿が今でも
脳裏に焼きついている。