「人生の最後の最後に苦しい思いをさせられたけれど、それは
私のことを思ってのことだね、ありがとう」などと言って、こ
の世を去った人がいるでしょうか?これは医師であり小説家の
久坂部羊氏が延命治療について語った言葉である。
私の父は亡くなってもうすぐ13年になる、亡くなる半年前に
入院してた病院で医師から言われた言葉は今でも忘れない「何
もしないと明日まで持ちません」延命治療の選択を迫られた、
考える時間を与えてくれない、母と弟は賛成だった。
もし治療中止を希望すれば見殺しにしたと後悔に苛まれると思
った、結局延命治療をお願いした、気管切開をして人口呼吸器
につながれ、手にはミントがはめられた状態、それが父を苦し
めることになった、チューブだらけで生かされてる状態、喀痰
の吸引、床ずれ、あらゆる痛みとの闘いは半年間で終わったけ
ど今だに後悔している。
そして久坂部氏はこうも言っている「私は今、命より大切なも
のがあると思っています、それは苦しまずにいるということで
す、救いようのない苦しみに苛まれたら私は命を捨てても楽に
なりたい」重く心に突き刺さる言葉である。