TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

殺人罪は適当か

2002-03-25 09:24:26 | インポート
お昼を食べながら夫とDian Whipple事件について話し、白熱してしまった。

昨年1月にこの事件が発生以来、MLでも話題になっていた。
サンフランシスコの高級コンドで、弁護士夫婦所有のプレサ・カナリオが
同じ建物に住む33歳の女性をかみ殺した事件だ。
判決は、事件当時犬を連れていた妻に第二級殺人で15年から終身、
当日不在だった夫に4年と出た。

夫は「殺人罪はきつすぎる」と言う。
私も第二級と聞いてちょっと驚いた。アメリカの殺人罪は、第一級・第二級・
故殺とある。故殺ならありそうだと思ったし、実際検察側もそう期待していた
らしい。だが、大陪審は第二級の評決を下した。

カリフォルニア州において犬の殺傷事件で飼い主に殺人罪の判決が出たのは
これが初めてだが、過去にカンザス州で3頭のロットワイラーが小学生男子を
かみ殺した事件では、やはり第二級殺人の判決が出た。

殺人として起訴される要因となったのは、被告が事件後にとった行動だ。
被害者は、2頭の犬に首を中心に全身77箇所噛まれ、血の海の中で虫の息で
助けを求めて廊下をはっていた。被告はこれを無視し、自宅へ戻ろうと鍵を
探しに現場を去った。
騒ぎを聞いて近所の人が警察に通報し、警察と救急隊が到着した時、被告は
自宅のドアを開けようとしているところだった。

携帯で救急車を呼ぶこともできたのに、見殺しにして逃げたわけだ。
これは明らかに、「犬と逃げてしまえば、被害者が死んでしまえば、目撃者が
いなければ自分は助かる」という考えが意識下にあった証拠だ。
アメリカの法律は、こういうちょっとしたことで結果を大きく左右する。

夫は、誰でも気が動転すれば逃げようとするのは自然の本能だし、それを殺人
と呼ぶのは行きすぎだという。

しかし、私はこのケースの場合、殺人罪は妥当だと考える。
プレサ・カナリオは体重120ポンドを越す大型犬、しかもこの2頭はAttack dog
つまり人を襲い殺傷する犬として特殊訓練を受けた犬だ。過去にも近所の人を
襲っている。そんな犬を都会の高層コンドで飼い、しかも飼い主自身犬を全く
コントロールできていなかった。
これは、時限爆弾をお腹に巻いて昼間の繁華街を散歩するのに等しい。
この事件は、起きるべくして起こったのだ。

こういう人間を無罪放免していたら、犠牲者は(致死処分となった犬も含め)
増える一方ではないか。


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