TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

TABI噛まれる

2002-03-26 13:26:06 | インポート
いつもの森の散歩道で、殺気を感じた時はすでに遅かった。

秋田犬の雑種のような大型犬が、15m程前方で毛を逆立て尻尾を立て、TABIを
にらみながらうなっている。こいつには前にも一度襲われた。
逃げたい気持ちを抑え(これは最悪の結果を招く)リードを引いてTABIを座らせ
待てのコマンドをかけた。絶対に犬の目を見ず、石のように動くまいと努めた。

犬は「ガルル」とうなりつつこちらへ走り、1m程の距離を置いてゆっくり、
ゆっくりと私たちの周りを歩く。荒い息遣い、むき出しの牙、流れるよだれ。
賢明にじっとしていたTABIが、ほんの少し私のそばへ寄ろうとした瞬間、
「ガオオ!」とうなり声を上げ犬が飛びかかり、TABIを仰向けに押し倒して
前足で地面に押し付け、TABIの首元を噛んだ。

No! Bad dog!!努めて低い声で犬を叱咤すると、犬は首から口を離した。
血は出ていない。しかし犬はうなりつつ、TABIを抑えつけたまま。
「遊んでるだけだよ」と、犬を連れていた男。
馬鹿野郎!遊びの噛み方と攻撃との区別がつかないのか、おまえは?!

実はこの男はうちの近所に両親と住んでいる。この親ってのが変わり者で、
あちこちから猫や犬を何十匹も「預かって」いる。そして、いつもノーリードで
犬を散歩させている。男は精神に異常があるとかで、普通の会話ができない。
「その犬をなんとかしろ」と言ってもダメなのだ。
枯れ枝で犬のお尻をくすぐり、おいで、なんて言ってる(涙)

こういう一発触発の状況下では、ちょっとした動きが引き金となり犬の凶暴性が
ピークに達し相手を死に追い詰めるとこまでいく。冷静に、と思ったがつい
リードを持つ手に力が入ってしまい、それに反応して犬はまたTABIの首を噛み
離そうとしない。犬のうなり声の中でかすかにTABIの「ヒー」という苦しげな
息遣いが聞こえる。

と、突然犬がTABIを離した。
どうやら森の中から犬連れの誰かが来るのを見たらしい(確認する余裕なし!
違うかもしれないけど、助かったからどうでもいいや)
私は、ハンドシグナルだけを使ってTABIを立たせ、その場を去った。
真冬日だったが、ジャケットの下はびっしょり汗をかいていた。

TABIの首はたいしたことなかったが、心にトラウマをおっていたらと思うと
やりきれない。今思い出してもぞっとする。


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