TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

狼の純情

2007-01-10 17:12:59 | インポート
「おしどり夫婦」という言葉があるが、狼もまた生涯添い遂げるという。

狼の研究をしている人から聞く話は、本当におもしろい。私も20年若かったら
大学で動物学をとって、僻地で狼研究をしてみたいなと思う。

狼は群れで生活するが、繁殖をするのはアルファ雄とアルファ雌だけ。
その他下々はたとえ成熟していても子をなすことは許されない。野生では
バンバン繁殖して子を育てるほど食物が潤沢にないからだ。といっても、
そう物事は教科書的に運ぶわけでなく、若く野心的な雄狼は明智光秀のように
虎視眈々と天下を狙っている。アルファ雄の隙を見てはアルファ雌に色目を
使ったり、また若い雄によろめくアルファ雌もいるのだという。それが終に
アルファ雄にバレ…みたいな、昼メロよりおもしろい展開に夢中になる研究者
も多いとか。

ある時、とても仲の良いつがいがいたが、不運にも雄は狩りの怪我かなんかが
もとで死んでしまった。雌の嘆きようといったら、傍で見ているものも思わず
涙をさそわれるほど。ほどなくして若い雄がアルファとなり、この喪に服す
未亡人に接近。喪服の未亡人といえばAVで人気のジャンルだが、狼にもやはり
夫を亡くしたばかりの雌は色っぽく映るのか、猛烈なアタックが続いた。
AVの未亡人は「およしになって」と口では言いつつ簡単に足を開くが、この
雌狼は頑として受け付けず、牙をむいて雄を撃退。結局、彼女は若い雌にアルファ
の地位を譲り、引退雌として余生を過ごしたという。

昔、武家の奥方は夫の死に際し髪を切り、「二夫にまみえず」の心意気を
示した。狼の雌にも、こんな純情路線をいくものがいるのだ。
それだけ夫を愛していたのね。


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