TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

団塊の世代

2009-11-16 07:31:15 | インポート
70年代の近未来小説であるから、今読み返すと興味深い。

著者の言ってることは概ね当たっているので、予測は正しかったわけだ。
私はジェネレーションXなので、団塊の世代は私よりずっと年上であり、丁度
私の上司の年代か。団塊ジュニアが私たちの後輩くらい。この小説の主人公達は
みなババを引いてしまった団塊の負け組みであるが、なぜか私の知り合いは
ラッキーな勝ち組団塊ばかりである。

「生涯お金に困らない」というのが、私の知る団塊勝ち組。不況といったって
彼女らにとっては、これまでブランド物の財布に十万も払ってたのを半分
くらいので我慢するとか、年に二回は行ってた海外旅行を一回に減らすとか
その程度。出もどりやパラサイトな団塊ジュニアを養う経済力は充分だし、
息子夫婦の新居としてマンションを買い与える余裕もある。それに対して
我々ジェネXは、子供たちにはサッサと独立してもらい出もどらないよう門
を固く閉じておかないと、自分たちの食い扶持だってあぶない。うちは子供
がいなくて、つくづく良かった。

日本人が富と貧の両極に分かれてきたように、団塊もハッキリと勝ちと負け
に分割していくのではないか。前に里帰りした際、勝ち団塊と銀座を歩いて
いて、ウィークデイの日中の高級店で買い物をする中高年の多さに驚いた。
不況といったって、この程度なのだ。この人達は、「節約してひと月の食費を
一万円に」などという主婦雑誌を読む人々とは全く違う人種といえる。
これまで維持してきた生活レベルを下げることはできないし、下げる必要も
あまりない。

いろんな統計で言われているが、団塊世代が老年に達した時に人口に占める
割合が15%以上になるというのは、疑問である。彼らは私生活を犠牲にして
モーレツに働いた世代なので、健康に不安があり実際には定年を待たずに
亡くなったり、余裕のリタイアと思った矢先に急死したりと、結構減って
いるのも事実だ。このあたりは、増えすぎた野生動物が頂点に達すると、自然
淘汰の力が働いて減少に向かうのと似ている。ワイオミングのバイソンみたいな。
このぶんだと、団塊が老年に達するころにはかなり減って、予測よりはるかに
少ない人口になるのではないだろうか。

それでも多いことには違いないので、今後は団塊勝ち組を対象としたレジャー
関連や、葬儀関係ビジネスの成長が見込めそうである。


The Chrysanthemum and the Sword

2009-11-15 10:55:48 | インポート
Ruth Benedictのあまりに有名な日本文化論。

学生時代はレポートのために無理やり読まされたので、全く消化不良に終わって
しまった。が、今読み返してみると、結構おもしろくて一気に終える。
私自身が海外で暮らして異文化経験が豊かになったことや、やはりトシとって
理解力が勝ってきたためか。

46年出版。戦時中のため現地調査ができないという、文化人類学者として
致命的なハンデを負いながら、文献や日系人とのインタビューを通してまと
めたもの。なので、申し訳ないがハズレてる箇所が散見。例えば、日本人
には死後の世界の概念がなく、地獄・天国といった概念も存在しないとか。
えっ、このオバサン、どっからそんなガセネタを?!ま、確かにキリスト教
における地獄天国とは同じとはいえないが、昔から極楽や地獄の概念はあった
し、三途の川の話だって子供でも知っている。

彼女にすれば、「フン、私だってネットの時代に生きて現地調査も可能だったら、
もっとマシな論文が書けたのよっ!」ということかもしれない。

また日本兵俘虜の変わり身の早さを「アメリカ人には理解し難い」としている
が、これも彼女が「戦時中の日本人は誰もが勝利を信じて疑わなかった」と
「信じて疑わなかった」浅薄さを物語っている。実際には、そんな日本人
ばかりではなかった(らしい。私は生まれてないけど)。

母には二人の兄がいた。次兄は親に黙って陸軍士官学校に行ってしまった
くらいの軍国少年だったが、エンジニアだった長兄は戦争勃発当時から「日本
は負ける」と知っていた。赤紙が来て南方で戦死してしまったが、彼がもし
俘虜として囚われていたら、Benedictが描写する俘虜と同じ行為をとったかも
しれないと、私は思う。それはヤケになって国を売るとかそういうことでは
全くなく、正常な判断能力を持つ人間が当然とるべき行動であり、犠牲者が
これ以上出ないうちに無駄な戦いを一秒でも早く終わらせる努力である。

名門ヴァッサーを経てコロンビアで博士号をとった彼女は、終始冷静な学者
の目で日本人を「観察」している。実際に日本で生活し日本文化論を記した
いくつかの西欧人達の優しい眼差しとは、全く異なる。彼女にとって日本人
は研究対象でしかなく、友人となり得る存在ではなかったのだ。


Downsizing 2

2009-11-14 15:20:49 | インポート
交友関係の縮小も、あわせて行う。

若いころは友達が世界中にいて、クリスマス時期は百通以上のカードを
あちこちへ送っていた。しかし、友人というものも多ければいいというもの
ではなく、やはりメンテが大変である。だんだんに減らしていって、今は
ほとんどが本当に信頼できる人ばかりのリストになった。

どうやって減らすかというと、私達は転勤族であるので、引越しの際に
転居通知を出すリストとそれ以外に分ける。昔はつきあいがあったが最近では
3年にいっぺんぐらい電話がくる程度、というのはもう抹消リストに入れる。
メールはたまに入るが年賀状はだいぶ昔にストップした、というのも抹消
リスト。「今の時代にそんな。メールで連絡があればいいじゃん」と思う
かもしれないが、郵便で連絡がとれないということは、相手の居住先が不明
ということであり、信用できない。

このようにしてここ十数年で、まるで企業のリストラのように大幅に友人数
を激減したが、一向に不自由は感じない。ごく少数の本当に信用できる人々
とつきあっているほうが、よっぽど快適なのだ。それに、ゆく先々で新しい
友人ができるし、そんなに寂しくない。

シンプルライフというのは、洋服や本など目に見えるモノだけでなく、自分
をとりまくあらゆる事柄をシンプルに保って暮らしていくことだと思う。


Dowinsizing

2009-11-13 11:53:55 | インポート
書籍だけでなく、いろいろな分野での縮小をしていかなければ。

うちはもともとモノが少ないほうだが、それでも前の家が大きかったもの
だから、引越し荷物は相当な量となった。全ては入りきらず、かなりの量が
倉庫に眠ったまま。引越し前にはガレージセールを開いたり、慈善事業に
寄付したりとさんざん整理整頓に努めた結果がこれである。子供のいる人
などは、もっと大変なのではないか。

お隣の家に私達より少し早く引っ越してきた老夫婦は、やはり以前に住んでいた
大きな家が手に余るようになったので、小さな家を探していたらしい。
実は私達もネットで調べた時、隣の家を見つけて購買候補にあげていたので
ある。しかし、彼らのほうが先に契約が成立した。その後たまたま、今の家
が売りに出たものだから、私達はこちらを購入した。隣もうちも似たような
間取りであるが、お隣のほうがはるかに小さい。お隣の家を買っていたら、
私達は悲惨なことになっていただろう。

お隣は家の中の家具類のみならず、庭なども縮小計画をどんどん進めている。
フロントにあったデカイ落葉樹は二本とも、専門業者を呼んで切り倒し、切り株
もそっくり整理。助かったよ、うちは!隣に落葉樹があったのでは、秋の
落ち葉かきが地獄。お隣は、木の根っこがドライブのコンクリを押し上げて
ボロボロにしているのを見て伐採を決心したらしい。その後、彼らは裏庭の
木や潅木もできるだけ排除。すっきりとして、手入れの楽な庭になった。

モノが豊富にあるとリッチに見えることは確かだが、その分メンテも大変だ。
前の家では庭師を雇っていたから良かったが、こちらではそうもいかないので、
私も少しずつ手入れの簡単な庭に改善しつつある。薔薇ガーデンの修繕も
そうした計画の一つであった。

自分の寿命があと二十年と仮定して、今持っているものが全て必要かどうか?
そう自分に問いかけることから始めてみると、誰でもごく自然にモノ減らしが
実現するのではないか。


オレンジページ

2009-11-10 13:57:55 | インポート
これもまた、新婚時代を思い出させるモノ。

私は家計簿をエクセルでつけているが、ここ数年のを分析してわかったこと
の一つは、「書籍代がかなりを占める」ということ。夫はあまり本を読まない
が、私は昔から本の虫であるから、書棚のほとんどが私の書籍で占められている。
ネット本屋のお得意さんだし、雑誌の購読料もバカにならない。このままでは
本棚は満杯になりそうだし、お金ももったいない。

そこで、「本棚の大整理が済むまで本や雑誌を買わない」という誓いをこの秋
にたてた。お友達が送ってくれたり、夫がプレゼントしてくれるものは例外と
する。

オレンジページは、カナダで新婚生活を始めた当初、一年間購読して日本から
送ってもらっていた。わかりやすいレシピや家事のヒントなどが載っていて、
とても役に立った。これのおかげで日本が恋しくなることもなかった。
レシピなどは、いまだにお世話になっているものがある。少しずつ読み返し、
必要なページを切り取って「マイ・オレンジページ」を作り、残りを紙類の
リサイクルに。一年分というとかなりの量で、レシピだけでも立派な本の
ようになった。

役立つページの他に、私が好きなのは広告のページである。「ああ、こういう
女優がいたよね」とか、なつかしい。夫も日本の広告に興味があり、「これ
何?」とのぞきこんだりして、夫婦でワイワイ見るのが楽しい。

今日、最後の一冊を読み終わり、リサイクル箱へ。
本当に長い間、どうもありがとう。