著者は作家かつカントリーミュージックのフアンでブルーグラス奏者である。テネシー州名誉市民の称号を持つ。祖父は宣教師としてカナダに渡りその地でカナダ在住の実業家の娘と結婚し子どもをもうけた。これが著者の父である。その後結婚し、戦後日本に引き揚げてきた。よって著者の周りには常にアメリカの文化があった。
本書はアメリカの食文化を探索したレポートである。700ページを超える大部の著書で長時間の読書を楽しめる。実際自分で車を運転して、広大なアメリカを旅し、各地の食(料理)を紹介したものだ。アメリカインディアンの食生活から始まり、入植したイギリス・スペイン・フランス・ドイツ・アイルランド・イタリア人の持ち込んだ料理がアメリカにどう溶け込んだかについての分析が非常に深く、人種のるつぼアメリカの歴史が料理の解説によって浮かびあがってくる仕組みになっている。アメリカという以上、ハワイの食についても言及して抜かりがない。著者によれば、すき焼きは、ハワイで食された「魚すき」を労働者向けに牛肉に変えたものだと言う。その他、ピーナッツバター、ソウルフード、サコタッシュ等々詳細な説明が続く。
アメリカの食というと、マクドナルドのハンバーグやホットドッグ、ケンタッキーフライドチキンなど、結構単純で、フランス料理やイタリア料理ほどの専門性がなく、素人っぽい感じがするがそれはなぜなのか。その流れで低所得者層は高カロリー・低価格のジャンキーフードを食して肥満の原因ともなっている現実があるのだが。著者は言う、アメリカに住む人々が皆、自分たちがこのアメリカという自由を尊重する国の一員であると思い、感じ、信じているから、たとえ格差があっても決定的なまでには爆発しなかった。そこにはアメリカに対する帰属感がある。それを象徴するのがフアーストフードの系列の手軽な食事なのだ。金持ちも貧乏人も食べるこのフアーストフード。 どこにでもあるこの「食」の平等化は格差の不満を解消する手立てとなっている。これが食の「普遍化」というのではないかと。食の単純化が国民を統合する普遍化につながるという指摘はアメリカ文化の本質を言い当てており、蓋し名言だ。
本書はアメリカの食文化を探索したレポートである。700ページを超える大部の著書で長時間の読書を楽しめる。実際自分で車を運転して、広大なアメリカを旅し、各地の食(料理)を紹介したものだ。アメリカインディアンの食生活から始まり、入植したイギリス・スペイン・フランス・ドイツ・アイルランド・イタリア人の持ち込んだ料理がアメリカにどう溶け込んだかについての分析が非常に深く、人種のるつぼアメリカの歴史が料理の解説によって浮かびあがってくる仕組みになっている。アメリカという以上、ハワイの食についても言及して抜かりがない。著者によれば、すき焼きは、ハワイで食された「魚すき」を労働者向けに牛肉に変えたものだと言う。その他、ピーナッツバター、ソウルフード、サコタッシュ等々詳細な説明が続く。
アメリカの食というと、マクドナルドのハンバーグやホットドッグ、ケンタッキーフライドチキンなど、結構単純で、フランス料理やイタリア料理ほどの専門性がなく、素人っぽい感じがするがそれはなぜなのか。その流れで低所得者層は高カロリー・低価格のジャンキーフードを食して肥満の原因ともなっている現実があるのだが。著者は言う、アメリカに住む人々が皆、自分たちがこのアメリカという自由を尊重する国の一員であると思い、感じ、信じているから、たとえ格差があっても決定的なまでには爆発しなかった。そこにはアメリカに対する帰属感がある。それを象徴するのがフアーストフードの系列の手軽な食事なのだ。金持ちも貧乏人も食べるこのフアーストフード。 どこにでもあるこの「食」の平等化は格差の不満を解消する手立てとなっている。これが食の「普遍化」というのではないかと。食の単純化が国民を統合する普遍化につながるという指摘はアメリカ文化の本質を言い当てており、蓋し名言だ。