私は株はやらないが、著者の桐谷氏は前から知っている。私は将棋フアンで日曜のNHK将棋トーナメントは欠かさず見ている。昔『将棋世界』や『将棋ジャーナル』という雑誌を購読していた。桐谷氏は晩学の棋士で、プロの四段になったものの結局、順位戦のC級二組のまま棋士を引退した。本書によれば平成19年とある。彼は私より二歳上だが、昔から過去の対戦棋譜(データ)に詳しく、戦型の分析が得意だった。しかしいくら詳しくても勝負に勝つということはまた別の問題だったようで、結局プロとして一流になれなかった。また彼は米長邦雄将棋連盟会長をセクハラで訴えたことでも有名で、自分の恋人を差し出すように言われ、結局大事な彼女を奪われたようだ。ことほど左様に米長の女癖は悪く、誰もがいやな思いをしていたのだが、将棋連盟会長に盾突く勇気あるものはおらず、結局桐谷氏の訴えも功を奏さなかった。でも、この行動は勇気があると当時は思ったものだ。中原元名人も女流棋士の林葉直子との関係が、彼女の告白で白日のもと曝され、週刊誌等をにぎわしたものだ。当の中原名人はメディアのインタビューに顔色一つ変えずに、真面目に答えていたのをテレビで見て、さすが名人になる男は違うと感心したものだった。
桐谷氏は米長将棋に心酔して師事したらしいが(彼のホントの師匠は升田幸三元名人)彼の純粋なパーソナリティを米長に弄ばれた可能性が強い。恋人を差し出せというのはその結果である。米長は将棋は強いが、性格は今一つで、自慢が多く、上から目線で喋るのが得意であった。(引退した猪瀬東京都知事と似ているところがある。)彼が東京都の教育委員をしている時に、春の園遊会に招待された時、天皇陛下に向かって、全国の小中学校に日の丸を掲揚させるのが私の仕事ですと言って、逆に天皇から、強制しない方がいいのではとたしなめられた。天皇陛下のこのお言葉に左翼知識人が感動したのも、記憶に新しい。米長とはこういう男なのである。最近ガンで亡くなった。
桐谷氏はその後、恋人に恵まれず今も独身のようだ。その彼が1980年代から株の才能を発揮してその世界では有名になっていたことは、本書を読むまで、知らなかった。バブル崩壊後の危機的な状況を脱して、個人資産も堅調に維持しているようだ。その彼が株の優待券で優雅に暮らす毎日を紹介したのが、本書である。最近はテレビなどでも引っ張りだこのようだ。写真を見ると非常に元気で、生き生きしている。消息不明の同級生に久しぶりに会ったような感じだ。
桐谷氏は米長将棋に心酔して師事したらしいが(彼のホントの師匠は升田幸三元名人)彼の純粋なパーソナリティを米長に弄ばれた可能性が強い。恋人を差し出せというのはその結果である。米長は将棋は強いが、性格は今一つで、自慢が多く、上から目線で喋るのが得意であった。(引退した猪瀬東京都知事と似ているところがある。)彼が東京都の教育委員をしている時に、春の園遊会に招待された時、天皇陛下に向かって、全国の小中学校に日の丸を掲揚させるのが私の仕事ですと言って、逆に天皇から、強制しない方がいいのではとたしなめられた。天皇陛下のこのお言葉に左翼知識人が感動したのも、記憶に新しい。米長とはこういう男なのである。最近ガンで亡くなった。
桐谷氏はその後、恋人に恵まれず今も独身のようだ。その彼が1980年代から株の才能を発揮してその世界では有名になっていたことは、本書を読むまで、知らなかった。バブル崩壊後の危機的な状況を脱して、個人資産も堅調に維持しているようだ。その彼が株の優待券で優雅に暮らす毎日を紹介したのが、本書である。最近はテレビなどでも引っ張りだこのようだ。写真を見ると非常に元気で、生き生きしている。消息不明の同級生に久しぶりに会ったような感じだ。