「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

訃報が続きますね・・・

2012-07-10 07:06:48 | おくやみ
目覚めてすぐテレビを付けるのが私の癖で、本朝電源を入れると・・・

山田五十鈴先生が、9日、多臓器不全(NHK報道)でご逝去されたと・・・。
95歳。
葬儀の日取りは未定とのこと。

映画での可憐な娘姿、戦後の悪役っぷり、必殺での粋な三味線の師匠。
まさに、芸に生きる「日本の女性」というイメージが私の中にあります。

太陽にはご出演はありませんが、太陽ファンには必殺ファンも多いので、そういう方々はダブルショック的な感じになってしまいました。

必殺の方は主演格の緒形さんや藤田さんが鬼籍に入られ、本当に寂しい限りです・・・。

また、「銭形平次」や時代劇で、アクのある役を数々演じられた遠藤太津朗さんも7日、心筋梗塞の為亡くなられたとのこと。84歳。


お二人のご冥福をお祈りいたします。

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井川利三、検挙率98%の男

2012-07-10 00:43:30 | キャラクターへの思い
自分自身のなかで一旦区切りをつけるために、トシさんについて書いてみます。
地井さんと太陽の関係については、結構書いたつもりなので・・・・。
以下は、基本的はトシさんのデータです。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
井川 利三 巡査部長 すっぽんのトシさん=地井 武男
生年月日:1943年5月5日
出身地:鹿児島県
(526話~PART2最終回)
 河南署で有名なベテラン刑事だったが、殉職したゴリさんの後任(実際には長さんの後任)として一係に配属。
食らいついたら離さない捜査が身上で、コツコツとそしてジリジリと相手を追い詰める。政界に詳しい。射撃の腕も上々で、ゴリさん亡き後の「ライフル」担当に就任。見た目ではわからないが、かなりのタフマン。「うわばみのトシ」の別名を持つほどの酒豪で、どんぶり酒なのは彼にとっては水のようである。家族とは様々な問題を重ねたが、1984年6月に妻・圭子と離婚。最終的には長女・由利と同居。
本当に刑事しかできない男。
土方歳三を敬愛しており、自らの「トシ」というあだ名は気に入っている。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

1982年8月、長年ボスの女房役として寄り添っていた長さんが自らの希望で警察学校へ転出したわけですが、
おそらく、長さんの後任人事はちょっと難航していたのだと思います。
ボスもまさかいつものように新人刑事を拾ってくるわけにもいかず、かといってスコッチやジプシーのように凄腕だけれども問題がある刑事を迎え入れるわけにもいかず、また粘り腰の強い刑事を探していたんでしょう。
トシさんにどうやって目を付けたのかは不明ですが、既に河南署で定評があったトシさんをスカウトするのは簡単ではなかったと思います。

制作側を察すると、地井さんの人選はおそらく梅浦P氏が主体だったように思います。地井さんご自身東宝色が強い方という印象があるのと、フジの江戸シリーズ等とのかかわりが深かったところもあると思います。
いづれにしても、10月の登場は当初から想定されていたのではと思います。
これに突如、竜さんの強力な要望でゴリさん殉職が入り、タイミング的にトシさんは「ゴリさんの後任」となったわけですが・・・。
なので、#526では全くゴリさんのことは触れません。
ただ、敢えて触れなかったのかもしれません。

トシさん登場は台本では由利と浩史の間に「圭一郎」という幻の長男が居ながらオミットされ、長さんと同じ家族構成になりますが、野崎一家と違い、一見醒めた現代的な子供たちと全面的に夫に信頼を寄せるわけではない妻という少々温かみに欠けた家庭が描かれます。太陽の新たな挑戦、「家庭を顧みない夫の実像」としてトシさんの存在を描こうとしたところは、実はすでに画面から滲み出ていて、確かに部下を家メシに誘うなどしながらこの話のトシさんは後年と比べても落ち着いた大人な感じに仕上がっています。
さらに、予告編の「検挙率98%の男」というキャッチフレーズ通り、ラガーに結構捜査のイロハを講釈したりし、捜査に行き詰った時、息子の浩史を囮に仕立てたりと、捜査に対する執念は今までの藤堂チームの中では群を抜いています。
今までのメンバーは家族を巻き込むことを極端に嫌っていましたから、これも新味だったと思います。

前にも書いたと思いますが、トシさんの七曲署着任初事件は前任署でやり残した事件であり、その事件に対し執念を燃やしていた・・・というのは、スコッチ登場編と同じなわけです。
さらにゲストの北條さんまで同じ。
そして、演者とキャラクターのギャップという点でも同じだと思います。

当初、地井さんはもっとアクティブなキャラクターを演じたかったようですが、そのあたりの欲求というのは「襲撃」あたりから解消されていきます。
その前後から地井さんご自身のキャラクターとの融和が始まった感じでしょうか。
それでも、「刑事しかできない男」という部分では終始一貫した感じで、必要以上に弾けない部分は続きます。

ただ、「離婚」から結構柔和になっていく感じがします。
バツイチネタを振られてもちゃんとボケてましたから(^_^;)

トシさん主演編は、

少女との交流
同年代の男同士の葛藤
わが子との交流
刑事のプロとしての意地

というのがメインテーマに挙げられることが多く、特に「刑事プロ編」は後期の甘口な傾向にパンチを入れるスパイスになっていました。

普段は確かに目立たずしゃしゃり出ませんが、誰が主役でもスッポンとうわばみ的行動はトシさんの出番です。
その食らいつきぶりは、眼はスッポンではなく蛇のような眼差しで相手を見据えますし、容赦のない部分があります。
ただ、それはあくまでもターゲットの前だけで、藤堂チームの中では熱く捜査にあたる前向きさとリーダーとしての余裕もありました。
間違いなく、上司は立てて部下には厳しいながらも優しいというのが底辺にあり、それに加味して普通の男っぽさも持ち合わせているという希有なキャラクターでした。

長さんは「父親的普通っぽさ」なのですが、トシさんのそれとはやはり違う、言ってみれば等身大的な男の魅力ということだと思いますが、それを表現するというのは非常に難しい。

なかなか簡単に言葉では表せないのですが。

と、長々と書いてしまいましたので(^_^;)

要は、トシさんはじっくり太陽本編を鑑賞して味わいましょうということだと(^_^;)


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